下のブログに、「自分の心が、美しくよい世界への憧れで満たされていなければ、・・」と書きましたが、それを受けて言えば、ほんとうの人生とは、〈よい・美しい〉への憧れの心を何よりも大切にし、自分のロマンや理念の中身を少しずつ成長させていく生き方だ、と言えます。
いまのテレビが宣伝する、派手なもの・これみよがしなもの・ただ高価なものを、という浮ついた価値の世界と、〈知・歴・財〉の外的な価値に幻惑・支配されて右往左往する心から自由にならないと、ほんとうの人生は始まりませんが、現代の文化・文明は、〈よい・美しい〉世界への憧れ心を消して、即物的な価値に縛られた人間をつくっているようです。
型を優先する様式主義、序列意識に支配された心は、うわべだけを綺麗に整えた底の浅い文化しか生みませんが、これは、人々の普段の生活にエロースが乏しいために生じる不幸です。外的価値のみを追うような人生を歩まされている人は、内的な悦びの世界とは無縁で、そのために、これみよがしのウソ・虚飾の世界に幻惑されるしかないのでしょう。しかし、意地の張り合いのつまらぬ人生を歩めば、酷い外的人間に陥るか、いつも精神疾患と共に生きるか、そのどちらかしかなくなります。
もう一度、ほんとうの人生とは、
〈よい・美しい〉への憧れの心を何よりも大切にし、自分のロマンや理念の中身を少しずつ成長させていく生き方だ、と言えます。
武田康弘