思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

「よくない私」を肯定するー民主制とはご同胞ご同行

2007-10-18 | 私の信条

間違いを犯す私、欲に突き動かされる私、・・・・「よくない私」がそれでも夢や希望を失わずに、よきもの美しきものに憧れて生きるーそのような人間が互いを認め合い、「ご同胞ご同行」で生きるのが民主制社会ではないでしょうか。

「理想的な政治」というのは概念矛盾でしょう。失敗を繰り返し試行錯誤でその都度修正しながら歩むしかないのが人間社会であって、「正しい」理論で政治を行えば、恐ろしい事態を招くのは、すでに歴史が証明済みです。

個々のよくないことや失敗が許容されるから人間は生きられるのであり、個々の悪をすべて無くせば、生の全体が崩壊するしかありません。
個々への潔癖性は、著しい全体不合理を招きます。部分の悪や不合理を許容するゆとりを持ち、個々の「悪」の前に萎縮せずに、「よい・美しい」を目がけるたくましく健康な生を築きあうのが、「ご同胞ご同行」の民主制社会でしょう。

民主主義とは、人間をその存在において深く肯定する思想です。それと対極にあるのがエリート主義で、その思想は人間のありのままの姿を認めず、特定の理想で人を縛りますが、それは必ず生の否定というニヒリズムを招来します。
間違いを犯し、欲に突き動かされながら、それでもよきもの・美しきものへの憧れを持ち続ける「現実の人間」を愛せない思想は、必ず滅びると思います。愛がないからです。

武田康弘




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