わたしたち日本の主権者は、皇室の維持費・生活費を全額(総額170億円)を出していますが、さらに「皇室を守る政治」をしなければならないのでしょうか?
わたしは、どうにも合点がいきません。私たち一人ひとりが主権者である民主主義の政治において、「皇室を守る」ことを目的にするというのは。
これは、すでに60年以上前に歴史的に審判が下ったはずの「国体思想」そのままですが、こんな亡霊言説が総理大臣の口から出るのですから、近代民主制国家(=個人の思想及び良心の自由に基づく「主権在民」のルール社会)をつくり出すのは、なかなか大変です。いつまで、儀礼的存在に過ぎない天皇や皇室を特別視し、特別扱いし、国民がそれを守らなければいけないのでしょうか?
同じ人間であるにも関わらず、生まれながらにして特別な存在であることを保証する。そして、天皇家に伝わる宗教儀式を年間に200以上こなすことを生活の柱とする皇室生活に掛る費用は、国民が負担する。浄土真宗の信徒もクリスチャンも。おまけに、その一人の人間の生死で、時代の名前まで変えてしまう。天皇現人神の1945年までと、その後の新憲法制定=主権在民の民主主義時代も、同じく「昭和時代」と呼ばれる。ええっー、!?意味不明ですね。
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以前にみなさんと対話した記事がありますので、ご覧ください。ふつうの市民のふつうの常識に基づく政治が必要だと思います。天皇制の問題については、わたしの以前の記事=「皇室の人権と市民精神の涵養」を読まれれば、みなさんの納得・合意が得られるのではないかと思います。ぜひ見てください。