思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

歴史の歯車が回ったー壁崩壊!

2009-08-31 | 社会思想

今朝の「東京新聞」社説・【歴史の歯車が回った】は、極めて適確な分析・解説ですので、ご覧ください。


「一票に込められた変革への欲求が、ひと塊になって野党に政権の座を用意したのは、憲政史上例がない。歴史の歯車が回り、新たな時代の門口に、私たちは立つ。

メディアの民主党圧勝の予測にも有権者は動じず、古くからの支持者ですら粛粛と自民政治に別れを告げた観がある。

選挙戦で民主党が繰り返し唱えたのが、「明治以来の官僚政治からの脱却」だった。鳩山代表ら党首脳は直ちに政権移行チームを編成し、九月半ばと想定する民主党内閣の発足へ脱・官僚の体制づくりを急ぐ。霞が関の役人が族議員や天下りの予定業界と一体でリードしてきた縦割り式の予算配分。その惰性を絶ち、政策の優先順位を政治が決める。国が主、地方は従の中央集権を地域主権へと転換する。いずれも時代の確かな要請だ。

外交・安全保障のありようも旧来の官僚任せを改めるとすれば、政治の風景は一変する。

自民党が官僚機構とつくりあげた、盤石にも見えた厚い壁はもろくも突き破られた。「日本を壊すな」と劣勢に焦りの声を上げた 麻生太郎首相らを顧みることなく、有権者は欲する政権をじかに選んだ。歴史に刻まれる2009年衆院選であったのだ。」



わたしは、支持政党はありませんが、日本と日本人のほんとうの民主化、そのために一番必要な≪知の自治能力≫(生活世界の具体的経験に立脚し自分自身の頭で考える)を生みだすには、明治以来の「旧・日本主義」(靖国思想=国体思想)を元から廃棄することが基本要件なのです。その意味で、敗戦による終戦から64年目の2009年8月30日は、1945年8月15日と共に、わが国の歴史に刻まれる日となるはずです。

公共的に何よりも大事なのは、民主主義=主権在民の深化・拡大であり、「自民党が官僚機構とつくりあげた、盤石にも見えた厚い壁」を崩したことは、ベルリンの壁崩壊にも等しい出来事でしょう。キャリアシステムに象徴される官僚主義、それを支える暗黙の想念である「東大病」(知の「客観主義」が生んだ歪み)を廃棄する営みに大きな弾みがつきます。みなが自分自身を中心に生きることのできる真の幸福社会を目がけて。

今日からが「新たな始まり」です。


武田康弘



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