安倍首相は、神社神道につき、その政治団体のトップの座にもありますが、これは、日本の歴史そのものの否定です。聖徳太子(厩度の王子のほか複数の人間の集合)の「17条の憲法」で、日本の律令政治は始まりましたが、それは、義務教育でも学習するように、物部氏の神道を排して、仏教思想による国づくりでした。
長州藩(現・山口県)出身の安部首相は、「神社本庁」と一体化した日本会議の中心メンバーで、「神」の国づくりを目指しています。いわゆる戦前思想=長州藩中心の明治維新政府がつくった国家神道に基づく国体主義です。仏ではなく、神です。
これは、645年大化の改新ー701年大宝律令にはじまった日本律令政治で厳しく否定された思想ですが、また同時に、1868年にはじまった明治維新政府による「廃仏毀釈」の神道政治ー1945年の「ポツダム宣言」受諾による敗北を支えた思想です。どれほどダメな思想かは、歴史が無残なまでに証明しています。
この敗北した思想は、民主政=自治政治とはまったく無縁の稚拙な思想で、内容がなく形式だけを要請する極端な国家主義(古代国家主義)です。すでに敗北した思想を掲げる「神社本庁」とウヨク団体「日本会議」は一体です。自民党の国会議員の多くは、神社本庁の政治団体である「神道政治連盟」と「日本会議」に所属しています。仏教の各人の平等という思想・平和主義とは異なり、民主政とは二律背反です。
ちなみに、山口県の日本会議山口県本部は、山口県の神社本庁内にあり、会長は、衆議院議員の岸信夫(安倍首相の実の弟)です。
こんな思想はきちんと終わりにしないと、悲劇が繰り返されてしまいます。
武田康弘