思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

ポール・ルイス(ピアノ) ムソルグスキー「展覧会の絵」 シューマン「幻想曲」 賛

2017-05-25 | 芸術

 

 ポール・ルイスは、既存の枠組みをブチ壊して進む。常識?なんだそれ、常識はわたしがつくるのだ。
わたしは、こう感じ、こう思い、こう考え、こう弾く。誰がどうしようと、巨匠の解釈がどうであろうと、そんなものは、全然関係ない。

 打鍵は、強く深く落ち、揺るぎない自信に満ちている。
 変わったこと、恣意的なことはしない。堂々と自己の信じる道を進み、外連味(けれんみ)がない。ためらわずに、少しも歪まずに、天空を駆け巡り、大地をグングン進む。

 なんと気持ちがよいのだろう。 この晴れやかさは、同時に、人間的な優しさと愛に満ちている。

 ルイスのCDは、日本盤がない。この断固たる自己への忠実は、「ああでもない、こうでもない」のウジウジの人には分からないのかな? 日本のクラシック専門家には「音楽音痴」が多い?(笑・失礼)。

 いま、ルイスのCD=ムソルグスキー「展覧会の絵」をかけていたら、妻が清瀬保二?と言った。なるほど、孤高で揺るぎない自然態は同じ。高音の輝きと打鍵の確固たる強さも。ああ、そうだ!清瀬保二はムソルグスキーが好き、とお弟子の故・松橋桂子さんが話していた。みな、観念優先ではなく、足が地についている。

 そして、その強さには、優しさと愛の強い支えがある。だから、温もりがあり、ファンタジーの世界が広がる。二曲目のシューマンの幻想曲は、しっかりとした芯をもつ美しさだ。透明感のある音で、かつ豊かな身体性をもつ。

 大好きなピアニスト、ポール・ルイスに、乾杯!! 今年11月の来日公演、とても楽しみだ。



武田康弘


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安倍政権の政策・言動は、すべて、明治維新の【国体思想=靖国思想】という想念に基づいています。

2017-05-25 | 社会批評

 個人レベルで行うテロを防ぐのに、防衛費の増額!?など、なに一つ関係ないのは、誰にでも分かる話です。
子どもじみている、というレヴェルを超えて、論じる意味すらなく、そんなことを考えたり、信じたりする人間がいるのが不思議というほかありません。

 「共謀罪」を新設することが、なぜテロ対策になるのか? 爆弾テロを防ぐのに共謀罪が何も関係しないことは、誰でも分かります。
ねらいは、政府に対する批判・反対運動を抑え込むことであるのは明白で、国連の特別報告者の指摘にもあるように、あまりにも危険な法案です。

 安倍政府は、国際問題や種々の事件を利用して、実際上、主権を国民から官僚政府に移したい(すでにかなりそうなっていますが)のです。国家という名の幻想的な共同体を利用して、一人ひとりの人間の自由と責任に基づく自立ではなく、「政府 内 個人」にすることが目的です。

 愛国心教育、国旗に敬礼する人間の育成、あるゆる場面で「国歌斉唱」、教育の政府統制、明治維新史観の徹底、アメリカ軍と自衛隊の完全な一体化(米軍に寄り添うことで国内を「戦前思想」に戻すという基本戦略)、防衛費増額、違憲の安保法制、スパイ法の新設、共謀罪の新設もくろみ・・・・・すべては、明治維新の【国体思想=靖国思想】という想念に基づきますので、理性など通るはずがないわけです。

 民主政治=自治政治とは二律背反で、ふつうの健全な理性をもつ人、市民精神をもつ公共人の考え方・生き方とは、根本的に異なる政治です。

 いま必要なのは、理性(綜合的な判断能力)の回復です。

 

 武田康弘

 

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