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旧「猿の惑星」シリーズは、もう何回も見直している。第1作がむろん一番いいけれども、他の4作もなかなかよい。第1作目の何がすごいて、いろいろすごいが、音楽がすごい。作曲のジェリー・ゴールドスミスは、どうみてもジョン・ウィリアムズより100倍すごいと思う。
テーマは完全に核兵器批判だった。第4作目の「征服」──、未来からきた猿の子孫であるシーザーがいきなり智慧ありすぎたのはよかったが、猿の訓練所を焼き討ちしただけで、「はい人類負けました」となり、第5作の惨状を見るに、どうやら人類は猿との戦争でまた核をぶっ放したらしいのだ。とにかく、核兵器批判のためなら猿の手をも借りた訳であった。
で、新しい「猿の惑星──創世記」を見たが、なかなかよかった。今度の作品は、アルツハイマーを直す薬を作って猿に投与していたところ、猿が天才になってしまったでご猿、という話である。あ、ありそうだ(笑)。シーザーは猿の収容所で軍を組織して脱走し、警察の攻撃を跳ね返す。シーザーはしかし結局猿だから、自分、森の家がいいよ、ということで身を引いたにもかかわらず、例の薬は人類にはあんまりよくなくて、パンデミックで人類滅亡でご猿のだった。
今回のシーザーは、チェスもできるし人間の言葉を解することが出来るが、途中までまったくしゃべることができなかった。でも飼い主とは心は通じ合っているらしい。(ほんとかよ。)旧「征服」では、シーザーは本当はぺらぺらしゃべれるのに我慢していたという設定であった。なにしろ、人間の差別や民主主義についてまで語れる猿だったのである。そりゃそうだ、親も猿界一の科学者だったんだから。思うに、旧作の登場人(+猿)物は、理系でも文系の学問にもつよいw。新作は、どうもあやしいな。シーザーを育てた科学者も経営者に「お前は専門は強いがどうやって働いたらいいかまるで分かっていない」と言われている。
とはいえ、シーザーが血のつながらない祖父のために暴力をふるって刑務所に入り、同じような連中と手を組んで、家に帰らず暴力革命をやりコミュニティをつくるところは、さすが家族の絆的全体主義の国とは違う!「猿の惑星」の猿はもともと日本人の比喩だったはずなのに!あちらは猿まで自立と自治だ。日本にいた猿たちはどうだったのであろうか。