http://news.nifty.com/cs/world/chinadetail/rcdc-201
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「1500年前の仏像2895体の埋葬坑を発見、新中国後成立最大規模―河北省」
このニュースを聞いて単純なわたくしはこれを思い出した。
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はじめて観た時、ダライ・ラマ14世の家庭教師みたいな役目にあったハラーが、ドイツにいる息子に会いたいので、共産党に押しつぶされようとしているチベットから去ってしまうのがいまいちだなあ、と思った。そこはあんたそもそもチベットになんらかの神秘的幻想を抱いていたナチスの一部の名誉に賭けて壮絶な討ち死にだろうよ、と思った。
地政学をつくったといわれるカール・ハウスホーファーの「太平洋地政学」とか「大東亜地政治学」とかを院生の時に読んだけど、どうも彼は日本人を根本的に海洋民族と捉えていたらしいのだ。確かに、地球は陸だけじゃないだろう、海もあるよ、というより殆ど海だわよ。海を制する者、世界を制す。瀬戸内海に世界初の文明があったらしいからな。日本は大陸よりも太平洋を制して生存圏を確保すべし、ヨーロッパは総統に任せとけ、か。一説によると彼やナチスの一部がチベットに注目していたのは、ブルワー・リットンの、未来の超人種を描いた『来たるべき民族』の影響があるらしい。なにやら超能力を持った地底民族の話らしい。で、チベットにそれがあるとかいって調査に行った人がいるらしく……。ナチスの原爆製造が遅れたのは、こういうSF的な問題の探求に夢中になりすぎたためらしい、と誰かが書いていたような気がする。本当だか知らないが。
……どうも、山国出身の私が思うに、いかにも海辺にも高山にも住んだことのない、出遅れた田舎者の考えそうなことである。やはりいかに帝国主義といえども地道に侵略ということを考えんといけないのではなかろうか。海だからといって、真空じゃないんだよ。秘境といったって、住んでいるのは普通の人間である。侵略ですらジャンプは禁物なのである。アメリカが世界最高の帝国主義なのは、そこんとこを例の侵略開拓で思い知っていることなのではなかろうか。
すなわち、日本やナチスの空想的侵略がその下手くそさ加減でいきなり頓挫したのに対し、上手い連中はまだまだやる気満々であって、今現在問題なのは、その「地道に侵略」の末裔の連中であろう。心配なのは、その地道さに「Xメン」とか「HEROES」にみられるような「未来の超人種」への期待が混じっていることである。いまとなっては、沈没覚悟で海に乗り出したりてくてく歩いて畑を広げたりする経験がないだけに、遅ればせながら日本やナチスの境地に達する恐れがある。
ハウスホーファーは、たしか「大東亜地政治学」で、日本をはじめとして太平洋縁の国は地震になれているから強いとかいっていたような気がするが、かかる見解もますます怪しいな。ハウスホーファーを支持する当時の日本の学者達も、これで「島国根性」をぬけだして広い太平洋に乗り出せるとか言っていた訳だが、今回の地震でも分かったように、日本は、島国という抽象物ではなくて、しょっちゅう地震に襲われ津波が押し寄せるただの小さい陸地なのである。大きさ以外は大陸とまったく違わない。
内田樹の日本辺境論でも読んでみようかな……。
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「1500年前の仏像2895体の埋葬坑を発見、新中国後成立最大規模―河北省」
このニュースを聞いて単純なわたくしはこれを思い出した。
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はじめて観た時、ダライ・ラマ14世の家庭教師みたいな役目にあったハラーが、ドイツにいる息子に会いたいので、共産党に押しつぶされようとしているチベットから去ってしまうのがいまいちだなあ、と思った。
地政学をつくったといわれるカール・ハウスホーファーの「太平洋地政学」とか「大東亜地政治学」とかを院生の時に読んだけど、どうも彼は日本人を根本的に海洋民族と捉えていたらしいのだ。確かに、地球は陸だけじゃないだろう、海もあるよ、というより殆ど海だわよ。海を制する者、世界を制す。
……どうも、山国出身の私が思うに、いかにも海辺にも高山にも住んだことのない、出遅れた田舎者の考えそうなことである。やはりいかに帝国主義といえども地道に侵略ということを考えんといけないのではなかろうか。海だからといって、真空じゃないんだよ。秘境といったって、住んでいるのは普通の人間である。侵略ですらジャンプは禁物なのである。アメリカが世界最高の帝国主義なのは、そこんとこを例の
すなわち、日本やナチスの空想的侵略がその下手くそさ加減でいきなり頓挫したのに対し、上手い連中はまだまだやる気満々であって、今現在問題なのは、その「地道に侵略」の末裔の連中であろう。心配なのは、その地道さに「Xメン」とか「HEROES」にみられるような「未来の超人種」への期待が混じっていることである。いまとなっては、沈没覚悟で海に乗り出したりてくてく歩いて畑を広げたりする経験がないだけに、遅ればせながら日本やナチスの境地に達する恐れがある。
ハウスホーファーは、たしか「大東亜地政治学」で、日本をはじめとして太平洋縁の国は地震になれているから強いとかいっていたような気がするが、かかる見解もますます怪しいな。ハウスホーファーを支持する当時の日本の学者達も、これで「島国根性」をぬけだして広い太平洋に乗り出せるとか言っていた訳だが、今回の地震でも分かったように、日本は、島国という抽象物ではなくて、しょっちゅう地震に襲われ津波が押し寄せるただの小さい陸地なのである。
内田樹の日本辺境論でも読んでみようかな……。