「六三四の剣」は妹2が勧めてくれたのでちょっと読んだ。一部では、剣道漫画の最高傑作とも呼ばれている。「3月のライオン」は、まだ終わってないが、いま一部で将棋漫画の最高傑作と呼ばれている。(あんまり対局の場面は詳しくないから、将棋好きには物足りないところもあろう、だから盛り上がってるのは将棋好きじゃないと思うが)
わたくしにいわせりゃどちらもある種の「素ぽこん」である。(「スポコン」の字面がなんとなくいやなので「素ぽこん」の方がいいと思う。)だってどちらも努力友情勝利の話だし……。題名の構造も似ている(笑)。昭和の「素ぽこん」には、
ただ、やはり教育的にいえば、「六三四の剣」の方がよいかなあ。六三四ほどの天才でも他のことはまったく目に入らないほど猛練習できる才能がなれば、人間何かものにはならないからなあ。「3月のライオン」でもそういうことは言ってるが、どうも何かをがんばる気にはなれないのである。「六三四の剣」の読後感が「よしわたくしもがんばろう」なのに対して、「3月のライオン」の読後感は、「高城(←いじめっ子)さっさと×ね」といったような抑鬱感である。「いじめっ子にも内面はあるよね。でもだから何?さっさと高城(←いじめっ子)×ね」とかね……。フィクションですら、いじめっ子を単にぶっ飛ばすやつはいなくなった。いじめを復讐ではなくケアやなにやらで乗り越える話を描けば描くほど、この世の暗黒は増すばかりだ。いじめられっ子のいくらかが大人になってたちの悪いいじめをするようになるのもそのせいであろうか。確かにそれはそれで「がんばっている」のかもしれないが。