★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

人間と犬

2016-10-06 19:18:08 | 大学


末弘厳太郎は「役人学三則」で次の三条をあげている。

第一条 およそ役人たらんとする者は、万事につきなるべく広くかつ浅き理解を得ることに努むべく、狭隘なる特殊の事柄に特別の興味をいだきてこれに注意を集中するがごときことなきを要す。
第二条 およそ役人たらんとする者は法規を楯にとりて形式的理屈をいう技術を習得することを要す。
第三条 およそ役人たらんとする者は平素より縄張り根性の涵養に努むることを要す。

これを遵守する学者が陸続として現れているが、この前、昔の社会党委員長の浅沼氏の文章を読んでいたら、あれ、この人も案外そういう人だったのかと思った。彼は「まあまあ居士」とか言われていたらしいが、普段、「まあまあ」という態度をとっている奴で、地位を得たとたんに小役人に成り下がり、糞みたいな「オーソライズ」とか「ガバナンス」とかいう単語を振り回している馬鹿がこの世の中を狂わせているのは言うまでもない。が、誰でもそうなってしまいがちなことの理由を考えることの方が重要であろう。だいたい、犬は生まれつき本質的に犬なので仕方がないのである。そして、犬がこんなに増えているのは、たぶん「人間」がいるからであろう。寄生生物なのだから……。この「人間」には、いろいろなものが代入される。元学者の場合は、「道理と理屈」とか「正義」とか「最適化」とか、であろう。正義の味方みたいなキャラが、案外ファシストであるという、小学生でも知っている事実を忘れ…。

この前書いた論文に、以上のようなことを付け加えるのを忘れた。