学者とかもの書きをやってる人にとっては、辛くて目を背けたくなるようなドラマであった、と思う。漱石が確かに、ちょっとあれなところがある人であったのは作品からも見えるが、その「あれ」の大部分は、文章を書く職業の人間が共有している「あれ」である。別に漱石の家が特別だったわけではなく、だいたいあんな感じなのであって、彼の世代にだだをこねるような感じで出てきた「新しい男」や「新しい女」たちによっても、あんまり事態は変わらなかった。今日、丁度「夢十夜」の「第四夜」を分析していたのだが、気が沈んでならなかった。作品は整然としているなあ……
学者とかもの書きをやってる人にとっては、辛くて目を背けたくなるようなドラマであった、と思う。漱石が確かに、ちょっとあれなところがある人であったのは作品からも見えるが、その「あれ」の大部分は、文章を書く職業の人間が共有している「あれ」である。別に漱石の家が特別だったわけではなく、だいたいあんな感じなのであって、彼の世代にだだをこねるような感じで出てきた「新しい男」や「新しい女」たちによっても、あんまり事態は変わらなかった。今日、丁度「夢十夜」の「第四夜」を分析していたのだが、気が沈んでならなかった。作品は整然としているなあ……