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研究者や評論家には、SFマニアが少なくないが、わたくしはそれほどでもない。洋泉社が以前出した『異次元SF映画100』という本(……わたくしは、こういうなんとかベスト100という類の本が大好きだ――)があったが、読んでみると、残念ながら、15本ほどまだ観ていないものがあることが判明した。『白痴』と『悪霊』を混同していた時以来の屈辱である。『Xファイル』全話制覇などやってないで、ちゃんとまじめなSFを制覇すべきだったのだ。
昨日から佐藤卓己氏の『青年の主張』を読んでいるのだが、なんだかいつもの著者の勢いがないような気がした。対象がさすがにあれという感じがするけれども、これは京大のグローバルなんちゃらの科研費「心が活きる教育のための国際的拠点」の一部だそうだ。まったく、科研費への応募自体がまさにですね「青年の主張」でありますから(以下略)
昔から弁論部などに入って「青年の主張」に出場したりする人がいたし、今も似たような番組はある。赤軍派のあの女リーダーも出場していたらしく、たしかに、なんかよくわからんが納得である。科研費も自民党も赤軍派も精神的には似たようなものだ。まったく私には理解できない世界である。
私は、それよりもSF小説に夢中である学生時代の方がましだと思う。
……と思いたいところだが、わたくし自身は、勉学ほったらかしで吹奏楽に淫しており、高校で行われた弁論大会では、一年生の時に二位になったことがある。三年生の優等生に負けたのである。わたくしのは、真の反抗とは真実追究だとかなんとかヘタレな内容であり、それを知った学生運動世代の父が会場のヤジを心配していたが、ブルーハーツ尾崎豊ユーミンの世代の田舎者にはそういう真の愛国者などおらず、――というより、当時はまだそんなわたくしのような心情的反抗者を理解する教員がいて、たぶんわたくしはそれに媚びたのである。
真の異次元SFとは、わたくしのような半端な若者を宇宙人が殺すところから始まるのである。そうすりゃ話は加速して面白いかも知れないが、スピード感を持ってとか、政治的加速主義とかわたくしは優等生のあれとしか思えん……が……