
すすまなきゃ、とは、ナウシカ姫の言葉である。ナウシカのこういうところは、彼女がただの「弱者に寄り添う系」ではないことを示している。しかし、進んだ結果どうなったかは、賛否あるところだ。だいたい、現世では「(絶望せず、)前だけを向け」と言う輩は、前も後ろも区別が付かないファシストか、神秘的な跳躍が必要だと思ってしまったマルクス主義者か、運動会での教師だけである。ナウシカが戦争機械のようなやつだったことを忘れてはならぬ。
そういえば、イスラムの人が大統領になる結末を持つ、ウェルベックの『服従』は当時のテロ事件のあれもあって面白かった記憶があるが、今考えてみると、どうみてもグローバル人材の小型巨神兵みたいなマクロンが勝利するという現実の結末の方が、あとの反動も含めて恐ろしい気がしてきた。この作者、どうも「オラオラ」的な展開が好きな感じがするのであって、もしかしたら、うちの国で言えば、