スピンオフ的なアニメーションをちゃんと観ているわけではないが、『スターウォーズ』には人並みに興味があって、最近、『ハン・ソロ』と『ローグ・ワン』をみてみた。
『ローグ・ワン』の方ができが良かったように思えたが、アメリカ映画にはよくある、「英雄と反乱者」の対立がここにもみられたのが興味深かった。この二者はお互いに一者となることも、対立者となることもある。お互いに従属関係になることもある。ハン・ソロは英雄であり反逆者である(この前息子に殺されたけど)。ローグ・ワン(反乱者たち)は反逆者であり英雄誕生の土台をつくる名もなき英雄である。
日本の社の伝説にある、為政者に惨殺される英雄たちの静寂への回帰に対して、これらの英雄たちは動乱の媒介者であり、おそらく、この調子では、トランプやブッシュさえもそういうものである(べきだと思われている)。おそらく勝者の特徴なのであろうが、彼らを良き死に送り返すことに成功した、あるいは成功しようとする執念においてわれわれとは桁が違う。そして、それは熱情に回収されない物語の冷静さでもあるのだ。
そう考えてみると、希望への媒介者として『ローグ・ワン』の制作は、歴史の必然として行われているのだと思われた。