
されど、いと急に、のどめたるところおはせぬ大臣の、思しもまはさずなりて、畳紙を取りたまふままに、几帳より見入れたまへるに、いといたうなよびて、慎ましからず添ひ臥したる男もあり。
朧月夜の君と密会していたら、右大臣に踏み込まれてしまう源氏であった。すぐかっかと来てしまう右大臣に対して、源氏が「いといたうなよびて」いるのが、いやあ酷く腹立つわいな……源氏のことである、いい体をしているのであろう。
今ぞ、やをら顔ひき隠して、とかう紛らはす。
顔を隠しているからよけいいい体が目立つじゃないかっ
先日、うすた京介の『フードファイタータベル』というのを少し読んだが、『すごいよマサルさん』が、島本和彦のど直球(ただし暴投)をカーブにしたような感じの球を投げているとすると、――これはもう少しエロティックな感じがした。食べることの身体性を表現しているマンガはそう多くないだろう。シランけど。食事のマンガはなんかうんちくがすごくてどっちかというと、オタク的な気がする。しかし食べることはもっと苦行に近い。うすた氏は、あいかわらず、笑えるのか笑えないのかみたいな所ばかり狙っている。
女郎花盛りの色を見るからに露の分きける身こそ知らるれ
紫式部は、もう少し身をずらせば笑いに移行できる……かもしれない。