★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

北辰の徳

2023-04-19 23:57:22 | 思想


子曰、為政以徳、譬如北辰居其所、而衆星共之。

我々の社会の絆的な粘着性やずるがしこさを思うとき、孔子が何をイメージしたのかは重要である。北辰とともに周りの星が動くのは、徳の比喩ではあるが、気分としては、アニミスティックな感覚に近いと思われる。具体的に、徳とは北極星と他の星のことなのであり、花に群がる虫や動物のことではない。本当は人間のことでもなく、人間が徳を発揮するとき星なのであった。

今日は、雷が恐ろしかった。雷が落ちるというのは、比喩よりよほど恐ろしいものである。雷を落とされた側は、自意識を形成する暇はない。