★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

内ゲバの論理

2016-12-21 23:18:16 | 文学


埴谷雄高編の『内ゲバの論理』を読み直していたのだが、今の我々に近いような、えーと、「市民」のような――鶴見俊輔や久野収がなんとなく内向きであり、ほとんどテロ礼讃じみている高橋和巳や埴谷が外向きにみえるのは、面白い。高橋和巳や埴谷は中国や露西亜を必死に勉強している。鶴見や久野だって相当なもんだったが、連合赤軍事件のあとではなんとなく内向きになったみたいだ。我々は、グローバリズムと共謀罪などでもう一回、高橋や埴谷じみてくるとわたくしは考えるが、しかしこれは苦しい。埴谷は探偵小説なぞ読めば気は休まり革命はまた明日、という感じで生きていけるのであろうが、高橋はもはやテロをやりそうな自分にうなされている状態である。

公開

2016-12-20 23:44:36 | 文学
公開講座の第3回目が終了。今日は、『光の雨』と『食卓のない家』の比べ読み……。わたくしの本当の気分としては、連合赤軍事件なぞ、単なる歴史の必然に過ぎないように思えるのである。事件自体は意外でも何でもない。あと一回は大江の「洪水はわが魂に及び」である。最後の締めとしてノーベル賞様に期待しよう……

我々は歴史を学んでもあまり考えず、事件によって考え始める。今年はひどい事件が多かった。でも、冷静になってみれば、予想は出来ないにせよ、まあ起こって当然のことばかりである。

不謹慎にこんな絵を描いていたら、ドイツで本当にバスで突っ込んだ奴がいて、嫌になる。アレッポの戦争、ロシア大使の暗殺、あれはさすがにまずいだろ……

遠くまで行くんだ

2016-12-16 23:07:18 | 文学


今日は研究室の忘年会なわけであるが、そのまえに『遠くまで行くんだ…』復刻版を拾い読みする。「っていうか遠くまで行くんだ…(笑)」と発音する誘惑に抗して拾い読みする。日本浪曼派論が面白そうだ。

忘年会で学生と「蜜のあはれ」や「蒲団」の少女について議論する。教育学部の学生にとって、こんな議論は無駄であるどころか、絶対的に必要である。

帰りのタクシーの中で、運転手のおじさんが、いきなり稲田や安倍について激怒し始める。

2016-12-14 23:20:41 | 文学
公開講座のために連合赤軍事件についての文章を読んでいるわけだが、やっぱり奇妙な事件だと思う。今週は、『漂流記1972』と『光の雨』を少しあつかったから、来週は『食卓のない家』なわけであるが、この順番がわたくしの思考をかなり縛っているようだ。

宇宙人

2016-12-10 23:59:14 | 映画
「メン・イン・ブラック」という映画があり、好きな人も多いであろうが、わたくしも好きで、なぜかと言うに、宇宙人は必ずこの映画に出てくるような感じであると思うからである。だいたい、「エイリアン」以来の恐ろしい形状の輩は、単なる蜥蜴や昆虫ではないか。宇宙からくる連中がそんな感じであることはあるかもしれないが、地球にきたら、膨大に存在する虫たちに紛れてしまうに違いない。宇宙人は、人であるから、必ず英語や日本語を習得できる。Xファイルなどは、地球とエイリアンとの交配というコンセプトに異常に拘っていたが、実物はほぼ出て来なかった。モルダーとスカリー捜査官の子どもにエイリアンのDNAが入っているらしいのではやく出して頂きたい。たぶん、出すとしたら、目がグレイのものだとか、念力を持ってるとか微妙な感じになってしまうであろうが、是非、ゼットン星人みたいな感じとか、思い切って



こんな感じにして頂きたい。もうそろそろ蜥蜴昆虫の世界から抜け出し、ちゃんと「宇宙人との対話」という20世紀の課題に立ち返るときだ。グローバル化のためにもそれの方がいい。我々は、昆虫を駆除する時に人間的であろうか?勿論、宇宙人が相手であれば人間的でありうるのである。当たり前の話である。