メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

あめ

2007-04-04 01:31:57 | lyrics
すきです すきです あめがすきです

わたしはサテンをまえにしてなすすべがない
水彩絵具を得たとしても
雨空はぬれない

あんじぇらす
あんじぇらす
鐘の幻聴

耳鳴り プレス フラッシュ
リズムのない雑多な音が 暗流へと伝えられる
失われてゆく指の自由と その恐怖

昨晩サテンはひどい風邪をひいてね
きっと脳がよほど溶けたろうよ
養水にすっかりつかって
ふやけた脳がだよ


ああ あめがやまない
あまつぶの はじけるおとがする


近視のアンドロイド
アア アンジェラス アンジェラス
鐘の幻聴

タンクダンクはわたしに金の指輪を下さるだろうか
肥えたこの親指に

「他人と俺との違いを教えてはくれまいか」
タンクダンクはいつもそんなことばかり云っていたっけ
いつも薄荷色のパンタルーンをはいて

アスピリンを飲んで死の床へ
アスピリンを飲んで アンゼルス
くせっけをつめた棺桶へタンクダンクはつめられている

この雨の音でかき消されるはずだ
そうして どんな体罰でも許されるだろう

サテンは、「回帰、回帰・・・」
と言いながら、河へ流されていった
彼にとっては それがいちばんだ

自我を抑制しきれずにいたサテン
そして素直にちぢれ毛に巻かれていったタンクダンク
わたしは もう アンゼルス アンゼルスを唱える他に
なにをすればいいのか
わからない


雨が降る 降る
好きです 好きです

コメント

2007-03-19 21:42:12 | lyrics
どこまでつづいてゆくのだろう
少女の夢は

ルーの孤独にみあうだけの愛を
与えられる奴は
いまだ現われない

彼女はいまでも シャンパンのコルクを
ひとりで抜いている


チョコレートでくちびるの端を
よごしながら

ダークブラウンの2つの瞳で
一心におなじ色の髪の先を
見つめている


プッシュフォンの前に座って
夢うつつ





Dreams/The Cranberries
Oh my life is changing everyday
every possible way
though my dreams, it's never quite as it seems
'cause you're a dream to me
dream to me

コメント

証明

2007-03-18 21:14:11 | lyrics
唯一女であるという証明は
体にしみっついた
甘ったるい香り

愛の強さは 腰の激しい曲線から
繊細な弱さは まろやかなあごから
髪の長さや艶でははかれない
ひざの丸みで示せない

唯一男の媚は 首すじの確かさ
人柄のあったかさは その手から
愛人にするには声を聞いてから
そして鑑賞される薄い唇から
けして眉の濃さには迷えない


唯一自分という証明は
朱印と30×40mmの紙数枚と








就活をしていたときの自分を皮肉って書いたものw
マスコミ系は採用試験の時期が遅くて、大手なんかは狭き門だったりするから
たしか当時は暑い中、10社前後受けた記憶がある。
「面接に来てください」と言われて時間通りに行ったら、オフィスがガラ~ンと引越した
あとみたいで誰もいなかった・・・・なんてミステリーゾーンなこともあったり

新たな派遣会社に頼むなら、また職歴なんかを書いたりして登録しなきゃならないから
この際、テキストで入力して出力したものを作っておこうと思い立って作成。
こうして見ると、いろんな仕事をしてきたなあ!(しみじみ

コメント

混沌の中に

2007-03-16 23:10:09 | lyrics
混沌の中に僕は居た
説明や、ファッションや、色事や、
怪物や、レイザーがうじゃうじゃと取り巻いて
全て君を待っていたのさ
みんな君にひとつ選ばれたがっている

僕はひどく恨んだものだ
なぜならあの娘が口にせざるを得なかった
ドラッグアディクトなんて語の存在と、
その状況とを

みんなはそいつが好きなんだ
だって彼は奇数の様な不安定さで
ずっと僕らの前に立っているから
口からうす緑色の陽光を吐いて
しきりに僕たちに何かを
訴えようとしていた
カリスマ性を持った人間の出現は
結局彼が最後だったけれど
老人たちは今も口々にこう云うよ
「彼と同時代に生きて幸せだったよ」と


世紀末や、世界滅亡の日から
何年か経って、
昨晩は大変だったらしいね
会談中のある政治家のスイッチが切れて、
突然動かなくなり
彼を支持していた大勢の労働者が
いっせいに職をなくした

あの娘は十代の時すでに五十男のむくろを
暖めていた
そのしわのひとつひとつにも
その枯れた鷲鼻にも
温かいキスを与えさえしたのだ







(過去作)



コメント

2007-02-23 23:55:53 | lyrics
ひとりずつのかなしみが街の光の数だけ
鉄橋を過ぎるたびペカペカまたたく

私を照らすスポットライトは路上のシグナル
一瞬だけ百万の聴衆の前に立たせる
体をスッポリと覆う暖かな緑色の傘
一体何から守るために?

幾千の泥粒が脚首に跳ねあがる
そのぬるやかな感触が
私に数々の幻影(まぼろし)をみせる


地球の精神薄弱者たち
ああ 私は君たちを愛している
君たちこそ この世界における
もっとも自然な形であるから
ほんとうの真実であり
誓って永遠(とわ)に罪でないから

コメント

軽やかに

2007-02-21 22:53:50 | lyrics
ひとつの時間のつらなりに
途中あちこち
バツがある
バツ、バツ、×××・・・

ぐるぐる回る丸たん棒の上を
素足で渡るように 軽やかに


1から10まで教えられて
記憶出来ても
1から1000までは
記憶出来ない
だけどそんな人たちも
確かにいる

生息が鼻にかかるほど近くで
軽やかに
軽やかに


ツルツルに磨かれた
ドアノブの上で
キリキリ働く者 軽やかな

let me sleep
just like this
like this
don't wake me up...


コメント

マアレヤ マアレヤ

2007-02-20 22:35:27 | lyrics
マアレヤ
マアレヤ

銀の弾丸を手に入れた
身体を縛り
今の今までひきずって歩いてきた
このデカイチェーンを断ち切れる
だが彼女としたことが
それを泥流の淵へ落っことした

マアリア
マアリア

傍聴席からいきなり
被告人席へまつりあげられ
陪審員らが問うことには
「君はなぜまだ生きているのか?」
数えきれない猛禽類の視線を受けて
そいつは答える
「生きているように見えるだけだ」


逢いに来て
逢いに来てね
言葉の森でたわむれる
ロウソクの青い火が呼んでいる
いつまでも影は
暗闇をふさぎ
ただ二本の長あい足で
踏んばっているけれども
詩の森で責任を忘れて
踊り舞っている言葉を
取りに来てよね


マハリヤ
マハリヤ

マアイ
マアイアラ

歌えないので
演じられないので
この単調な風景に身を溶かし
新しい日を再び迎える
残酷に耐えるために
訴えるしかないので
白い空間上の叫びは
なんたるしずかな響き
ここでの絶叫は
最高な神秘により
湖畔の表のように静かで
無力で
安全な
ハーモニーとして伝導される


きみ、
ここまでおいで
理解しよう
意識の限界について
いやまさに
音波よりかけ離れた地の果ての
視界のイメッジなるものについて

コメント

2007-02-01 19:30:07 | lyrics
高い、高い壁を延ばした奥に秘めた
キミの柔らかい魂に
暖かい 暖かい 火をかざそう

固く閉ざして何十年にもなる箱の中で
小さく丸まって震えている
傷ついた子どもに

ほら

どこまで行っても落ちない
大空を飛びつづける紙ひこうきをあげるよ

ほら

どこまで描いても絶対なくならない
赤いクレヨンをあげるよ
好きな絵を描いてみてほしい

太陽を浴びて左右に揺れる枝とか
レースカーテンの垂れた窓とか
庭を元気に駆けまわる子犬とか
なにか、キミがほんとうに好きなものだけを


高い塀の向こうまで聴こえるように
わたしは毎日キミの玄関先に歌を届けよう
生真面目な新聞配達人くらい
毎日届けるよ
幸いわたしには 腕いっぱいに抱えきれないほどの
たくさんの歌があるので

そうして、ある気持ちよく晴れた朝なんかに
そんな歌声が聞こえたら
塀の向こうで自転車なんかをこいでるその子に
キミの口からこう伝えてほしい

(わたしはわたしの魂をゆるすから)
(キミよ もっともっと)
(自由であれ)
(ハッピーであれ)


コメント

GOOD OLD TIME BLUES

2007-01-24 22:00:00 | lyrics
海沿いを飛ばしてく 錆びたクライスラー
トルコブルーの奥底に 消えていった影
そこは死にそうになって生きている連中が眠りにつく場所で
この世とあの世のどっちがマシか
天秤にかけるつもりでいるらしい
「ここから立ち去れ」と大声で叫んでいる
「ここはおまえのいる場所じゃない」なんてぬかしてる
あの汚い野次が聞こえるかい?
火酒と幻影さえあれば
もうすこしここに居残れるのに
当たり障りのない笑みを浮かべて


あすこに'70年代ロックの申し子がいる
10代の少女の憧れの眼差しの中に
自分の過去を映して見ている
だれも一秒先の未来を計れやしないし
現在はただ通りすぎてゆくだけの時間
だからヤツはもっと確かで温かかった
過ぎ去った時代のほうが好きなんだ


みんながあんたに「生きかたを変えろ」と怒鳴ってる
朝の目覚めかたから 夜ベッドにもぐりこむまですべて
でも当の本人は 聞いたこともない病原菌を抱えて
もう長くはないと思い込んでいる
せいぜい美味いものでも食べてゆっくりしなよ
この世はより良く生きようとするには長すぎて
楽しもうとするには 短かすぎるから


痛むくるぶしをひきずって 彼女はバッグひとつで
今夜ここから逃げ出そうとしている
オーケイ どこへ行くのかなんて聞かないけど
外吹く木枯らし 凍る君の鼻頭を守っちゃやれない
裸の心に突き刺さる ブルースハープの音色
5千人の野次と 粗野な歓声が聞こえる
俺の幸運は 2年前にこの街にやって来た日に
全部使い果たしちまったってわけなんだ






※ブルースにハマってた頃、やさぐれ気味に真似して書いてみた10年まえのものを見つけた。
ほんとはこんな解説をつけるのは野暮なことだけれど。

コメント

sign

2006-12-27 20:25:18 | lyrics
美に飢える
美に飢える
ああ たったひとつのこの世の奇蹟
創造に飽きる

男は社会そのもので
女は愛そのものだから

透けるほど白い肌が
水色の幻想のむこうで
なにかのsignを送っている
得体の知れない君に
私はこう話しかける

だが君は誰かに似ている
君の顔は私の顔とよく似ている
しかしまったくの他人

私たちは知り合いだと君は云う
全く覚えていない
私たちは何度も愛し合ったのだと
なぜか全然覚えていない
自分さえよく思い出せないでいるのに
他人のことなど覚えていられるはずはない


ある造形との距離を保って
いくつもの微妙なイメッジが甦る
なにかしらもろい霜柱の結晶が
透けて目に見えぬガラスごしに
大切なsignを送っている

それは幾度となく繰り返されてきたideaで
猫の目の高さをくぐってやって来る

コメント