古い記憶のよみがえる時はいつでも
月夜のかすれたしらべが聴ける
いいかげんに汚れたぬいぐるみを
手一杯に抱えた小さいやつが
鼻をなびかせて 夜空を裸足で歩く
冷感にそってピタピタと足を鳴らして
裸足で
深い森に向かって
湖底に向かって
すりばち状の
ライ魚の棲んでいる
新しい靴で一生懸命走り続ける
盲目の少年の
足音さえも一瞬にして奪う
月のでている夜
古い記憶が宙をひたひたと
踏んでゆく
わたしを自由自在に
さらってゆく
この快いしらべの霧のなかを
さらってゆく
どこまでも
どこまでも
さらってゆくよ
月夜のかすれたしらべが聴ける
いいかげんに汚れたぬいぐるみを
手一杯に抱えた小さいやつが
鼻をなびかせて 夜空を裸足で歩く
冷感にそってピタピタと足を鳴らして
裸足で
深い森に向かって
湖底に向かって
すりばち状の
ライ魚の棲んでいる
新しい靴で一生懸命走り続ける
盲目の少年の
足音さえも一瞬にして奪う
月のでている夜
古い記憶が宙をひたひたと
踏んでゆく
わたしを自由自在に
さらってゆく
この快いしらべの霧のなかを
さらってゆく
どこまでも
どこまでも
さらってゆくよ