窓から足をほおり出し 雨にあたって外をみていた
いくつも いくつも途切れない車
てっぺんをもやもやさせて まるくなった山
蛙のつぶれたにおいのする道路
みんなだれかを待っていた
ずっと前からここにいて
うたいつづけて声がかすれてしまった
けれども なお
家から洩れる光に映った ごそごそうごく影も
しだいに黒く濡れていった屋根も
時折辺りを真昼のごとく白く照らした雷まで
やはり だれかを待っていた
私は腰をあげることもできずに
やっぱり再びうたい始めたら
遠くから
ゴトンゴトンと空の夜汽車が蛍光灯をつけて
この辺りを通り過ぎていった
(実家の2階からは単線が見える。2両くらいしかない電車で、
走ってゆく様子をよく屋根側の窓に腰をおろして眺めていたっけ。
通学客などをまばらに乗せた電車は夜になると蛍光灯を灯して
ゆるゆると進んでいく箱のようだ。)
いくつも いくつも途切れない車
てっぺんをもやもやさせて まるくなった山
蛙のつぶれたにおいのする道路
みんなだれかを待っていた
ずっと前からここにいて
うたいつづけて声がかすれてしまった
けれども なお
家から洩れる光に映った ごそごそうごく影も
しだいに黒く濡れていった屋根も
時折辺りを真昼のごとく白く照らした雷まで
やはり だれかを待っていた
私は腰をあげることもできずに
やっぱり再びうたい始めたら
遠くから
ゴトンゴトンと空の夜汽車が蛍光灯をつけて
この辺りを通り過ぎていった
(実家の2階からは単線が見える。2両くらいしかない電車で、
走ってゆく様子をよく屋根側の窓に腰をおろして眺めていたっけ。
通学客などをまばらに乗せた電車は夜になると蛍光灯を灯して
ゆるゆると進んでいく箱のようだ。)