禿げたおやまは さながら猪豚の背中
猛々しとした肉づきで寝そべっていやがる
ツンツンと生えた毛は
先へいってむさむさと天にのびる
そうやって瓦屋根からも
唸る河からも
校舎からだって
魂は絶え間なく 蒸発してゆくんだ
15cm の雪に包まれて宿は
全能なる誕生を慎ましく待ち焦がれていた
三拍子に降るぼたゆきにゃ ほんとまいったさね
どだっと寝っころがった猪豚は
寝言をいった
こんなに真実 夜は更けていったが
冬の精霊さえ
蒸発をやめやしなかったのだ
10代に書いた冬の詩シリーズ。
実家の2階の窓から見える小さな山は、冬になると木も枯れて
猪が寝ているように見える。
猛々しとした肉づきで寝そべっていやがる
ツンツンと生えた毛は
先へいってむさむさと天にのびる
そうやって瓦屋根からも
唸る河からも
校舎からだって
魂は絶え間なく 蒸発してゆくんだ
15cm の雪に包まれて宿は
全能なる誕生を慎ましく待ち焦がれていた
三拍子に降るぼたゆきにゃ ほんとまいったさね
どだっと寝っころがった猪豚は
寝言をいった
こんなに真実 夜は更けていったが
冬の精霊さえ
蒸発をやめやしなかったのだ
10代に書いた冬の詩シリーズ。
実家の2階の窓から見える小さな山は、冬になると木も枯れて
猪が寝ているように見える。