メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

南向きの窓にて

2008-01-08 20:59:54 | lyrics
禿げたおやまは さながら猪豚の背中
猛々しとした肉づきで寝そべっていやがる
ツンツンと生えた毛は
先へいってむさむさと天にのびる
そうやって瓦屋根からも
唸る河からも
校舎からだって
魂は絶え間なく 蒸発してゆくんだ

15cm の雪に包まれて宿は
全能なる誕生を慎ましく待ち焦がれていた

三拍子に降るぼたゆきにゃ ほんとまいったさね
どだっと寝っころがった猪豚は
寝言をいった

こんなに真実 夜は更けていったが
冬の精霊さえ
蒸発をやめやしなかったのだ











10代に書いた冬の詩シリーズ。
実家の2階の窓から見える小さな山は、冬になると木も枯れて
猪が寝ているように見える。
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