メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『5x2~ふたりの5つの分かれ路』

2008-01-14 15:28:56 | 映画
『5x2~ふたりの5つの分かれ路』(2004)フランス
監督:フランソワ・オゾン
出演:ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ステファン・フレイス、ジェラルディン・ペラス、フランソワーズ・ファビアン、アントワーヌ・シャピー、マイケル・ロンズデール、マルク・ルシュマン

映画でも実生活でもありがち?wな、結婚から離婚までの話をこうして
それぞれ重要な転機となる「出逢い」「結婚」「出産」「別れを予感させる幾つかの出来事」
「離婚」という5つに分けて敢えて時間を遡って見せてゆくと、
見逃してしまう心の動きも見えてくる新鮮な試みで見事な脚本&演出。
監督はこないだ観た『スイミング・プール』のオゾン監督。
丁寧に心情を映してゆくあたりは女性監督じゃないかって思わせるほど。他の作品も気になる。

演じている俳優もみなモデルみたいに魅力的で、演技派。
どうゆう順序で撮影したのかは分からないけど、冒頭の疲れきったボロボロの状態から、
結婚後数年経った状態、結婚式の一番ハイテンションなシーン、
出逢いのまだ若くて探り合ってる時期と、どれも違う表情を演じ分けててすごい。

失恋してまだ4ヶ月で、女性一人で南の島に遊びに来てるんだから、
何か出会い的なものがあって当然だよねw
本人は「まだ、そんな気になれなくて・・・」てゆっても、一番人恋しくて、
弱い時だから、意識してなくても、そうゆうオーラが出てるだろうに。

結局、要はみな一人ひとりだってことか。それぞれの大事な場面で夫も妻も
微妙な表情でひとりで居るシーンが印象的だった。
互いの性的魅力で惹きつけられるのは数年ほどで、あとは細かいところまでに至る
考え方や行動パターンの違いを乗り越えて、どこで自分も相手も気を遣わずに気分よく
暮らせる中間点を見つけられるか。
当然、みなが皆、今作と同じ閉塞状態になるワケじゃないだろうけど、
何かしらの壁には絶対ぶつかるだろうし。
でも、結果別れることになったとしても、その前には天にも昇るような幸せな瞬間も
あったのだから、不幸だけじゃなかったはず。無駄なことなんてないんだ。

・・・勉強になりますw 実生活で役立つかは不明。


余談。主演のヴァレリア・ブルーニの妹・カーラ・ブルーニさんは元スーパー・モデルで
いまは歌手。しかも、サルコジ仏大統領との交際で注目されてるとのこと/驚

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『王の男』

2008-01-14 10:58:01 | 映画
『王の男』(2006)韓国
原作:キム・テウン 監督:イ・ジュンイク
出演:カム・ウソン、イ・ジュンギ、チョン・ジニョン、カン・ソンヨン、チャン・ハンソン、ユ・ヘジン、チョン・ソギョン ほか

やっぱり劇場で観ればよかったな。
親子の情もあり、女と男の情念もあり、時代劇の面白味もあり、
素晴らしい脚本、映像美、キャスト、すべて揃った2時間たっぷり、
豪華で見応え充分な大河ドラマ。

story
芸に全生命を賭け、気儘にその日暮らしをしていた2人の芸人が、王の喜劇で大ウケ。
悪名高い王に正しい政治をしてほしいと願う側近によって宮廷に招かれたはいいが、
そこで長年繰り返される陰謀や暗殺、汚職の横行なども笑いで暴くことで、
さらに混乱を極める。
美しいコンギルは王の目にも留まり、身を案じる相方チャンセンは、
このまま宮廷内の権力争いの操り人形になるより立ち去ることを決意するが。。

白い肌、切れ長の目、妖艶な容姿の男コンギル(イ・ジュンギ)は、ミッチーでも演れそうw
対照的に浅黒い肌で、野性味溢れるカム・ウソンが男臭い魅力を炸裂。
そして、とことん異常だけど、母親を毒殺された悲しい過去を持つ王・燕山君役のチョン・ジニョンも見事。

綱渡りシーンは別撮りもあるけど、ちゃんと綱の上を歩いているシーンもあって
特訓でも積んだのだろうか?
宮廷料理や、女官の髪結い具合や、韓国語でのセリフも『チャングム』で見た世界で
なんだか懐かしい。
あれは第11代目王・中宗(チュンジョン)の話でドラマを見るかぎり素晴らしい王だったのに、
今作の第10代目王・燕山君(ヨンサングン)は暴君として有名みたい。
たしか『チャングム』でも妃が毒殺されるシーンが冒頭に出てくるから、彼女の息子か。
彼は出てきたっけかな?思い出せない/汗 30歳で亡くなってるから悲劇の王でもあったんだ。
朝鮮の国王の歴史も面白い。どこの歴史も同じように血塗られたものだけど。

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