メランコリア

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『キャッツ~ポッサムおじさんの猫とつき合う法』

2011-09-15 21:17:49 | 
『キャッツ~ポッサムおじさんの猫とつき合う法』(ちくま文庫)
T.S.エリオット/著 池田雅之/訳 ニコラス・ベントリー/挿絵

猫本シリーズ
有名な詩人の書いた猫本てのもビックリだけど、
あの超ロングランミュージカル『キャッツ』の原作てのに2度ビックリ!
ポッサムおじさんとは友人の詩人がつけたエリオットのあだなで、
本人も気に入っていて別名に使っていたみたい。

ドラマティス・ペルソナ(詩の劇的登場人物)」にスポットを当てる手法はエリオットの特徴。
ポッサムおじさんの口調でそれぞれのにゃんこの物語りを語りつつ、引き込んでゆく。
きっと原文は難解ながら、美しくて楽しい韻を踏んでいるんだろうな。
和訳にそうとう苦労しただろうけど
詩集に不慣れな人にも読みやすいよう、物語り風の楽しい読み物としたのがイイ。

独特な個性を持つにゃんこらをイラストで描いたニコラス・ベントリーの挿絵も魅力。

p.126
人間はこれまで群れすぎましたね。目上の者に気に入られたがったり、親分子分の力関係を作るのにやっきになってきました。どうやら、私たち人間は、犬のような人生を歩んできたのです。この猫詩集を読み終えてみると、エリオット先生は、21世紀は、どうも21世紀は猫の時代だ、猫人生を歩め、といっているような気がいたします」

『キャッツ』の演出を担当された浅利慶太さんは、ミュージカルの人気の秘密について
「猫の姿を借りて、人間のだれもが輝いている瞬間を切り取ることだ」といった。
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