メランコリア

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ドラマ『探偵事務所5』/「指紋の記憶」「青い鳥を探して」

2014-07-11 11:11:34 | 日記
ドラマ『探偵事務所5』
川崎にある老舗の探偵社。探偵らは互いに3桁の番号で呼び合っている。

「指紋の記憶」
企画・原作・監督・脚本:林海象
出演:貫地谷しほり、池田成志、松井涼子、上原歩、佐野史郎 ほか
ナレーション:宍戸錠

▼story
探偵社の会長の孫娘ヒトミは、探偵マニア。バイトをして手に入れた指紋採取のキットで、探偵らの指紋を全部集めてデータ化する。
ついでに自分の部屋からもとるが、出てきたのは、自分と、祖父と・・・501(佐野史郎)の指紋。
2歳の誕プレにもらったマトリョーシカから、なぜ501の指紋が出たのか?
交通事故で父母が亡くなったと言われているヒトミは、どこかで2人とも生きているのでは?と信じている。

501が父親では?と疑うヒトミに、501は、
指紋には4つのタイプがある。“弓状紋”“蹄状紋”“渦状紋”、そのどれにもあてはまらない“変体紋”
 もっと細かく分けると12種類ある。それ以外は“無指紋”(501はコレ)。
(1枚だけあるヒトミの父母が写った写真)答えはその写真にある」

ヒトミの父は何者かに射殺され、栄光の501の番号を受け継いだのが佐野さん。
母はさらわれ、「妻のツバサは必ずどこで生きている。探してくれ」と頼まれ、会長にも秘密にして調査している。


法科学鑑定研究所(こんなサイトが/驚

指紋キットなんて、そもそも売ってるのか?!
白い粉と黒い粉があって、それをつけて、ブラシではらい、出た指紋をシールではぎとるって、やり方はいたってシンプル。

探偵がテーマだし、音楽もスタイリッシュだから永瀬正敏さん主演の『私立探偵 濱マイク』を思い出せる・・・
と思って見ていたら、ポスターが貼ってある! 原作が林海象さんだからつながってるのか!?





「青い鳥を探して」
企画・原作:林海象 監督:萩生田宏治
出演:田中哲司、鈴木リョウジ、戸田昌宏、唯野未歩子、守田比呂也、北村隆幸、洪明花、木村巧、上原歩、佐野史郎 ほか
ナレーション:宍戸錠

このまま舞台劇に出来そうなつくり。哲学的で、深層心理学、カウンセリングにも近い。
ドラマ『罪と罰』以来のパルピテーションを感じた、若き頃の哲さんのシリアスで熱い演技
(いや、今もその熱量、魅力は全く変わってはいないけれども

 

何度も何度も見返したくなる1本だったけど、1週間に5枚レンタルは『LIFE~』で塚地くんが言ってた通りツラい!
最近はどの映画も1本の上映時間が長いし、そもそも毎日他の端末を見て目も限界だし、、、
うう・・・もう返さなきゃならないのが惜しすぎる。せめて、これを最初に観ればよかったな。
(一番好きなものを最後にとっておくクセが裏目に出た

それにしても、哲さんは、本当に芝居が好きなんだなあ! 目力が効いてるv


▼story
 

有名建築家の山本(哲さん)が失踪。話題のランドマークが完成しないと会社も潰れてしまうと、社員から依頼される。


担当した探偵は、コンタクトを外すと特殊な眼を持っており、相手の本性や、過去まで見えてしまう(好みのSF
山本はすぐに見つかり「探偵だったら、オレの青い鳥を探してくれ!」と切願される。

 

山本はついに大きな鳥かごを作って、そこに閉じこもって出てこなくなった。
山本が常に身近に持っていた鳥かごは、小さい頃ガラクタ市で買ったもの。
気づいたら青い鳥が入っていて、結婚していた頃は妻が世話をし、仕事中は多忙のため仲間に頼んでいた。

「妻だ、あいつが盗んだんだ!」

仲間は、山本の鳥かごには最初から何も入っていなかったことを告げる。

「いなくなった鳥の代わりに閉じこもって、それで鳥のいた穴は埋まるのでしょうか?」
「鳥の代わりにか・・・残念ながら、それはない。何も埋まらない。カラッポのままだ」


 
「ある日、街の中でオレのつくったビルを見た。巨大な虫塚だった。大勢の人間が出たり入ったり・・・」

山本の母は病気がちで亡くなり、父も山本が高校生になるのを見届けるように亡くなった。
「家族がオレのすべてだった。もう一度あの場所をとり戻したくて、オレは建築家になった」


 

「家庭を知らない妻と知り合い、妻に家庭を作ってあげたいと思った。
 オレに子どもができないと分かった時は、オレも妻も傷ついた。でも、妻は、
 “あなたのつくる家には子どもがいっぱい生まれるでしょう?”と言ってくれた。
 妻が出て行く時、長年ついてきてくれた仲間も、どっちも選べなかった」

 


 
「青い鳥が逃げたんじゃない。いつのまにかオレが逃がしてしまったんだ」

「青い鳥はいつもどこにいましたか?」
「カゴの中」
「もう一度お聞きします。青い鳥はいつもどこにいましたか?」





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『悲しい本』(あかね書房)

2014-07-11 10:39:03 | 
あかね・新えほんシリーズ『悲しい本』(あかね書房)
マイケル・ローゼン/作 クェンティン・ブレイク/絵 谷川俊太郎/訳

「誰にも、なにも話したくないときもある。
 誰にも。どんなひとにも。誰ひとり。
 ・・・私の悲しみだから。ほかの誰のものでもないのだから。」


図書館巡りで見つけた1冊。
シンプルなタイトル、なんとも言えない悲しみそのものの男性のイラスト、谷川さんが翻訳ということで借りてみた。
愛息エディを亡くした男。妻もいないのは離婚したからか?

イラストに描かれた男性は誰かに似ている。私にも、知り合いの誰かにも。
誰にでも悲しみのひとつや、ふたつは必ずある。ましてや肉親を亡くした悲しみは想像をはるかに超える。
でも、冒頭のセリフにあるように、それを人やモノに当たったり、誤魔化すことなく、
自分の悲しみとして受け止め、それとともに生き続けること、それにハッとさせられ、心を打った。


【内容抜粋メモ】


この絵では、幸せそうに見えるかもしれない。
じつは、悲しいのだが、幸せなふりをしているのだ。
悲しく見えると、ひとに好かれないのではないかと思って、そうしているのだ。



悲しみがとても大きいときがある。
どこもかしこも悲しい。からだじゅうが、悲しい。
そんなときは、こんな顔だ。どうすることもできない。


  
「よくも、そんなふうに死ねたもんだね? 私をここまで悲しませて。」
エディはなにも言わない。もうここにはいないから。


なぜ悲しいのか、理由がわからないときもある。
いろいろなことが、何年か前とは同じではないせいかもしれない。

私はあまり苦しまずに、悲しみをやりすごす方法をずっと探しつづけてきた。

誰にだって悲しいことはあると自分に言い聞かせる。

毎日なにかひとつ得意なことをしようとする。


毎日楽しいことをひとつはしようとする。




悲しみとは何ものか?
人をえらばない。
そいつはやってきて、きみを見つける。


私は消えうせてしまいたい。



私は思い出す、私の大好きな誕生日。
誕生日おめでとう・・・に始まるなにもかも。



そしてロウソク。ロウソクがなくてはね。







【谷川さんあとがき抜粋メモ】
人はさまざまな悲しみを経験する。
すぐ忘れてしまえるような小さな悲しみ、
その人の一生を決定するような深い悲しみ、
理由がある悲しみ、理由のない悲しみ、苦い悲しみ、甘い悲しみ。

ロウソクの光は、悲しみの闇にひそむ明日へとむかう道を照らしだす。




悲しい歌/Pizzicato Five

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