メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

バンバンバザール「夏のごあいさつツアー 帰郷編」

2014-07-27 23:55:56 | 音楽&ライブ
バンバンバザール「夏のごあいさつツアー 帰郷編」曙橋・Bar461
バンバンバザール:福島康之(vo,g) 黒川修(b)佐藤克彦(g)

18:00開場の5分前くらいに着いたら、まだ準備中で、「今夜はライヴ仕様なので食事はおつまみだけなんです」ってことで、
店先にいた福島さんから、近所のフレッシュネスバーガーを教えてもらったけど、実は苦手です
昔、(チーズが好きだから)「チーズドッグ」を注文したら、山盛りのオニオン+特製チーズソースが恐ろしく口に合わなくて
それから、ほとんど行ってなかったんだけど、「オニオン抜きにできます」てことで、ホットドッグ+スープを注文。
そしたら、野菜スープにはオニオンがたっぷり入ってたってフシギなことに(タマネギはキライじゃない

店内のベストポジションも教えてもらったけど、佐藤さんgt.の真横はちょっと恥ずかしいから、正面を選んで正解v
後ろは、屋外に通じるドアがあるから解放感もあったし。

バンバンが曙橋・Bar461で演奏するのは2年ぶりとのこと。
25日は高崎、26日は横浜、そして27日はなんと、炎天下の茅ヶ崎市ヘッドランドビーチで催された
『ほのぼのビーチフェスティバル』に参加してから、バンバンカーで新宿に来たとのこと/凄×5000
さすがの“ジェットスター黒川さん”もなんだか疲れて見えたな

福島さんは、生粋の新宿生まれ、新宿育ち!ってことで、瓶にエサを入れて小魚を捕まえて、
ブラックバスを釣っていた思い出話なども、いろいろ聴けた。


1st stage

♪アーリーバード
♪赤いギター
「有山さんのために自分で書いた、とこないだまでゆってましたが、
 ボクは譜面が読めない&コード進行すら分からないが、アイデアは浮かんでくる!
 だから1番はボク、後はほとんど、おおはた雄一くんが書きました」とカミングアウト

♪家庭教師
♪シュラ

「ジャイアント馬場さんがゆった“体型に合ったプロレスをやりなさい”ってゆうのは正しい。
 己のキャパを知って、仕事のバランスを考えるのは大事
 大好きなコーラもガマンして1日2杯にしてる。“骨が溶ける”て子どもの頃から言われ続けて、こんだけ飲んでたら、もう溶けてるわ!/爆
 コーラに歯を入れておいたら溶けたって実験があって、ほんとかよって!」
(そーなんだ!? 店で“骨が溶けますよ”って思わずゆっちゃいましたよ

♪シカーダ
♪ロックンロール

楽屋もないから、ステージが終わったら、メンバは外に出て寛ぐってゆうのも面白いw



2nd stage

♪恋はねずみ色
福島さんの本籍はまだ新宿にあることで、学校はなくなっちゃったけど、生家はそのまま残ってるのが感慨深いそうな。

店の壁一面にミュージシャン(トム・ウェイツ、ボム・マーリーなどなど)ポスターとサインが書かれていて、
2nd stageは、そのサインを見ながらカバーをいっぱい歌ってくれたのが素晴らしかった


福「サインの通り順番にやっていけばいいよね!」

機関車 by 小坂忠

福「中落合に20代の頃に住んでいて、割と昼間は時間があったので、
  昼間はギターを覚えたり、人の曲を覚えたりしてたお陰で今があるんです」

どうにかなるさ by ムッシュかまやつ

梅田からナンバまで by 上田正樹&有山淳司


福島さんいわく、8/23は長野スキー場で催されるブルース祭りに呼ばれて、感無量。

「ブルース世界の末席にいて、やっと近づいてきたよ、俺のブルースが
 憂歌団の前座をやるまでは、音楽を絶対続けると思ってたら、バンドがなくなってしまって、目標を失ってしまったっていう」

「しかしっ 石巻の音楽祭にぜひ出て欲しいといわれて、これはぜひ行かなきゃならないから、
 長野でライヴやったら、石巻に直行するので、他のバンドは僕たちは見れません!」

[朝日のあたる村音楽祭2014@長野・あさひプライムスキー場特設ステージ]

[トリコローレ音楽祭2014@石巻・メイン会場]


10$の恋 by 憂歌団
できればお前といつだって 一緒に暮らしていたいけど
すべての男がお前にゃ 親戚みたいなものだから
愛しいお前に会うためにゃ ちょっとの金を渡すだけ

(なんだか切ない歌詞で、聴いてて涙が出た


「やってみるもんだねぇ。歌詞カードもなしで。ほとんど先輩たちは、自分の曲なのに歌詞カード見て歌ってるのに!」爆×5000
「こんなことやらせてくれるのは、この店だからです」


ティーンエイジャー by 仲井戸麗市
これはアルバムにも入ってるし、ライヴでも聴いたことがあるv
「ウォオオオ~」てコーラスをみんなで合唱。あったかい空気に包まれた

「自分の嫁より、人の嫁。自分の曲より、人の曲。ワクワクするよね!
 自分の曲は、慣れてくると古女房みたいに感情がなくなってくるってことありますよね」って話から、
2nd stageでは、また家庭不和話がヒートアップ
磯野家のフネさんへの愚痴が白熱して、なんでも隣りで冷静に受け止めてくれてる佐藤さんが面白すぎた/爆×5000
昨晩メンバを磯野家に呼んだ際「俺、普段あんまり緊張しないのに、緊張しました」と佐藤さんw

「(茅ヶ崎のイベントのために)保冷剤を出してたら、“ちょうどいい発砲スチロールがあるのよ!”て、
 昨日送られたカツオが入ってたやつで、すごい臭いんですよ」爆

「ほんとに火種はどこにでもあるんだよ! ウクライナ、ガザ地区と全然変わんないんだから!」

パスポートを見られた話とか、ほんと笑った!

フネさん「ああ、密航を重ねてんだね」
福島さん「ウチの税関にひっかかっちゃった
黒川さん「パスポート、プリーズ」
福島さん「ビジネス? サイトシーイング?」

でも、ほんとうは家のローン返済にあててたってイイ話

「ほんとに困った時は、“福島さんはほんとイイ人なんだ”って
 みんなに署名活動で助けて欲しいという思いで新宿に帰ってきました!」


娘夫婦のパスポートまでチェックって、ちょっとプライベート侵害しすぎでは、フネさま?

♪俺とタシロと校庭で
♪明るい表通りで



encore.

福「高田馬場はもとは高田って町、新宿区はもとは全部細かい町に分かれていたんです。
  住んでいた戸塚町は横浜の戸塚に負けて?→「今日から高田馬場です」って言われて、親が急に離婚したみたいな気がして」

♪奥様 どうぞご勝手に
黒川さん「今日はこんなアリーナの前ですから」って、マイクなしで歌ってもあの声量はほんとオペラ歌手並み
ウドベも無事入院から戻って、絶好調v 「舟町の奥さま、どうぞご勝手に~」
ラストはやっぱり♪アナ雪 絶唱。明日はライヴがないからってヤケッパチ気味?

♪回れトロイカ/竹内力とバンバンバザール
黒「リクエストを続けてもらえば、社長のローンの種銭がね」てw

♪Red River Valley(赤い川の谷間)
佐藤さんのボトルネックやら、人柄を感じさせるあったかみのある音が染みたなぁ~



♪友よ
ラストに聴くにはほんとピッタリのバラードでしみじみ・・・


それにしても、とても濃厚な素晴らしい歴史を刻んだハコなんだな/驚
また、この店で演る時もぜひ見に来たい!

で、8月2日はデラックスなんだ。なんで都内に来ないのかなあ・・・切望




追。
一度生で聴きたいなあと思ってた曲名が思い出せず、♪さよならと言ってくれ、ともう1曲は
友部正人さんの♪夜よ、明けるな だったのに、人名等を言い間違えてしまいました/謝

追2。
最近、突然の雷雨が多い中、降水確率60%って微妙な数字の中、
15時頃に1回来てヤバかったけど、行きも帰りも晴れてたのは奇跡



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『長崎ぶらぶら節』(2000)

2014-07-27 23:55:55 | 映画
『長崎ぶらぶら節』(2000)
原作:なかにし礼 監督:深町幸男
出演:吉永小百合、渡哲也、原田知世、高島礼子、永島敏行、いしだあゆみ ほか

古賀十二郎
愛八と古賀十二郎―長崎・丸山



“直木賞受賞の小説作品で映像化(ドラマ・映画)・舞台化された。”(ウィキ参照

永島さんの出演作シリーズで借りたら、なんと、知世ちゃんも出ていてビックリ!
長崎は地元だもんね。鼻っ柱の強い一番弟子っぷりは新鮮。着物姿もキマってる
吉永さんの唄はもちろん、知世ちゃんも唄っている/驚
実在した人物の物語だとも知らなかった。愛八さんのお墓には今でも大勢が訪ねて花を手向けているという。


trailer

story(長崎弁?が分からないので、セリフは大体の感じでスイマセン/謝
松尾サダは、明治16年、長崎の「花月」に身売りされ、峠を越える時、
連れて行く役目の男から♪長崎ぶらぶら節 を教えてもらう。

「心配するこたなか。これから行くところは、長崎の竜宮城たい」

大正11年。サダは愛八と名乗り、丸山芸者のトップになった。
ある日、豪遊で有名なよろずやの旦那・古賀十二郎が来るというので大騒ぎになる。
そこに、街の芸者のトップ・米吉とその弟子らがやって来て、山と街とでケンカになる。
(髪飾りを蹴るって、芸者にとっては相当な侮辱にあたるのね 高島礼子さんの啖呵の切りっぷりは『極妻』入ってます

古賀「どうせなら芸でケンカしてくれ」

 

 

 

山と街との芸対決。芸者遊びはまったく分からないけど、いろんな芸があるんだねえ/驚
それに対して豪快に札束をバラまく古賀。

貧しい花売りのお雪が、花が売れないと言うので「全部買う」と言う愛八。
お雪の友だちのお喜美も辻占を売っていて、「一緒に3人でおでんを食べよう」と誘う。
お雪には父がなく、お喜美には母がいない。

愛八「ここの身代わり天神さんは、お参りすれば、辛いことも身代わりになってくれるんよ」


 


愛八のもとに横綱を目指している三発山が子分を連れて訪ねてくる。
(永島さん、まさかの力士役 この唄声は別人だよね?


軍艦「土佐」が、ワシントン海軍軍縮条約の締結により、呉にひかれていくことになり、
愛八は、海軍兵の前で土佐供養のための即興の唄を歌う。偶然、それを耳にした古賀も感動する。

 

海軍兵「悪いのはアメリカ!」

山口艦長「私たちは世界一の軍艦を造ってしまった。大勢の殉職者を出して。これも世界平和のためと言われては・・・」


 
「土俵入り」なんて芸もあるのね。




翌日、「土佐」の最後の姿を見ようと崖に来ると、古賀と出会う。
愛八は、40年前、長崎市東部にあたる漁村・網場(あば)で生まれ、両親はもう亡くなったと話す。
古賀は、よろずやと縁を切るため、自分の代で財産を全部使ったと明かす。
海に身を投げようとするかに見え、慌てて止める愛八。

「よか時、よか人に会うた」

今後は、長崎に伝承されてきたよい唄を集めるから手伝ってほしいと頼まれる。
(芸者遊びで使い果たすなら、花売りの少女みたいな貧しい人たちに寄付でもすればいいのに・・・

その後、よろずやの倒産の記事が出る。
最初の夫の七年忌の墓参りに行くと、長崎で生きて死んだ人たちの名前を記録に残すため、墓石を回っている古賀に再会。
2人で各地を回って唄を聴いて、譜面化していく。


三味線の譜面て、こんな妙な記号なの???



旦那(パトロン?)から古賀と古芸者の噂がたっていると注意されて、縁を切ってほしいと頼む愛八。


「芸者は若いうち。老けてしまえば野垂れ死にの無縁仏たい」


お雪の母は駆け落ちして、お喜美は200円で売られてしまうと聞いて、
愛八「女郎にだけはせんといて! 私が芸を仕込みますから!」

古賀は、父の贔屓にしていた芸者の十八番だった♪長崎ぶらぶら節 を聴いてみたいと言い、2人で列車に乗る。
その元芸者は年老いて思い出せなかったが、突然、愛八は幼い頃の記憶が戻り、唄い出す。

古賀「唄は精霊のようで、誰かが吐き出せば、また誰かの胸の中に入り込む。そうやって唄は人を渡り歩いている」

その後、唄探しのお礼に歌詞を書いて「これに節をつけて唄ってくれ」と文が来る。


昭和5年。雪千代(お雪)の芸が様になってきた頃、突然喀血。肺病と診断される。
女将は蔵に隔離する。「入院させれば1日5円はかかる、払えんでしょう?」

そして、今度はお喜美が売られてしまった。
お喜美は、愛八が自分に親切にしてくれたのは、実母だからだったのでは?と言っていたと聞き、
追いかけるが、もう船は行ってしまった後だった。


花月で愛八に声がかかり、客は有名な西條八十

「丸山で一番の唄い手を呼んで欲しいと言ったんだ」

彼の流行歌を歌ったほうがいいと勧める梅次だが、「土地の唄がいい」と言われて、
♪ぶらぶら節 を唄って大層気に入られ、レコードに録音され、大ヒットとなる。

各地を唄って周るようになり、愛八はお喜美を探して佐世保の女郎屋に行くと、
そこの主人をやっていたのは、なんとあの三発山だった!(逃げる、逃げるw


 
三発山「お喜美は、先月、上海に送られたが、お詫びに自分が探して連れ戻します!」と約束する。

 



愛八「雪千代はうちの身代わりや。あの子はうちが生きた証ですたい」



途中、日本の歴史映像が挟まれていたのも興味深い。

 

 



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『透光の樹』(2004)

2014-07-27 12:59:56 | 映画
『透光の樹』(2004)
原作:高樹のぶ子 監督:根岸吉太郎
出演:秋吉久美子、永島敏行、吉行和子、戸田恵子、村上淳 ほか
音楽:日野皓正

石川県鶴来町(現白山市)を舞台にした恋愛ドラマ。
秋吉さんと、永島さんの、濃密な大人の恋愛に酔いしれた

千桐が話す言葉のイントネーションに地方の温かみが感じられる。
セリフ1つ1つが刺激的で、成熟した魅力に溢れていて、
私はもともと記録魔だけど、今作ばかりは、全セリフを書き留めておきたい衝動に駆られた。

ときどき入る日野皓正さんのスモーキーなサックスが一段とシーンを盛り上げる


▼story
テレビ局の仕事を請け負う会社社長・今井郷は、自ら挨拶周りのため地方に行ったついでに
ADの駆け出しの頃、取材した有名な刀鍛冶・山崎火峯家を訪ねる。



火峯の娘・千桐が高校生の頃、巨木の杉に座った写真を撮った思い出話をする。

「覚えていないでしょうね」「覚えてますよ」

千桐は結婚して、中学生の娘・眉がいて、その後離婚した。
父・火峯は病床にあり、認知症もあって介護の日々、多額の借金もあるという。
今井には息子が2人いると話した。

家に招かれ、神棚の上の天井に「雲」という書がある理由を聞くと、
「2階で何をしても神さまに叱られん、そうゆうルールなんです」

再び杉を見に行く2人。借金で困っているなら力になるという今井に、

「テレビの仕事はお金持ちなんですね」

「バケツの水を右から左に移す時、少しこぼれる。それで喉を潤す。そうゆう世界です。
 ウチの中がどうなっているか、怖くてウチに帰れない。
 3ブロック先のフランス料理より、目の前の牛丼に飛びつく、女だって、金だってそうです
(女性を牛丼に例えるなんて、ずいぶん乱暴だな


東京に戻った今井は、チギリに電話する。



「借金の返済をさせて下さい。目的は決まってるでしょう。あなたが目当て。
 目的はあなたしかいない。・・・怒らせてしまいましたね。酒が入ってるんです」

「よろしくお願いします。私でよかったら」


 

カタクリの花が咲き乱れるという寺に案内するチギリ。

今井「化粧品の香りしない?」
チギリ「化粧品でなくて女そのものや。食べれるんですよ」
今井「実をつける前の花を食っちゃいけないな」
チギリ「この辺は春が一気にやってくるから、みんな狂ってしまう」

従妹がやっている宿に泊まるように言う。「チギリちゃんも泊まるでしょ?」


今井はチギリにお金を渡す。
「困るわ、こんな大金。私、そんな値打ちない」
「謝られると困る」


「引き返しますか?」
「いいえ! 約束ですから
 私、決めとったんです。郷さんの娼婦になるって


その後もホテルの喫茶店で再会する。
もらったお金で父を病院に入れることができたと、しきりに感謝するチギリ。
今井は気をきかせて、叔父の見舞いに行くと喫茶店を出るが、追うチギリ。

 

「お金で買えた女から何、期待してるんやろ?」

「君を追い詰めたくなかったから、ああ言わなきゃ君をホテルから帰せなくなった。
 君は金と父に縛られて動けないんだ」


オフィスに留守録が入っていて、かけ直す今井。

僕はお金で縛ろうとしていないのに、あなたが縛られたがってる。僕たちズレてる。
 今の仕事が終わったら、また行きます。夜まで付き合って欲しい、今度は」
「分かっとります」
「・・・分かってないんだよ」


チギリは、パート先の寿司屋の主人らに釣りに誘われて行くと、元夫に再会する。
夫の浮気で離婚に至ったが、もとはチギリを征服できなかったからだという。

「お前が一度でも手を触れたもんは、こっぴどく汚されて立ち直れんがや!
 チギリを抱きながら、チギリを捕まえられん。俺は狂った!」


ホテルで会う今井とチギリ。
 

「(渓流釣りで)フラーっとフライが落ちてきて誘うんや。あれは渓流を舞台にした狩りなんや」
「とことん潜り込んでみたい気持ちは分かる。今日は追い詰めるよ」
「覚えときます、ちゃんと。
 今、分かりました。あなたが、どんなに一杯こんなことなさってきたかって」


会社の同僚と飲み、トイレで倒れる今井。
病院に行くと、末期の大腸がんだと告げられる。手術しても余命は短い。
医師「その少しばかりの時間が大切なのではないですか、人生では?」
今井は手術をやめて、投薬治療を選ぶ。


今度は、チギリが東京のオフィスを訪ねる。

「フシギだな。そんな快楽を残してみんな消えてゆく。感動してるんだよ。
 こんなスゴイことは続きはしないんだ」


その後、高校生のチギリを撮ったブレた写真と手紙を送る今井。
「僕はレンズ越しに欲情してしまい、シャッターが押せなかった。
 今、気づいた。僕は25年前、セーラー服のあなたを見てからずっと欲情していたんだ」

チギリの父が亡くなり、お焼香に来た今井。


「火峯さんの前では悪いな・・・抱きに来た」


同僚に社長の座を譲り、カラオケ屋で送別会をする。
(♪マイ・ウェイ歌ってた!


再び2人で温泉宿に泊まる。
 

「私、本当に郷さんの半分になってしまった」


帰りの電車を待つ2人。チギリはドアが閉まる寸前に飛び乗る。


 
「一緒に生きられんのやったら、一緒に死なせて! そやかて1人で生きられん!」
「あなたの体の半分は僕なんだ。勝手に殺したりしないでくれ」
「そやね、ココに郷さんがおるんやね」
「さよなら。次の駅で降りなさい。ありがとう」


 


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長生きだけが幸せじゃない場合だってあるよね。
それなのに「自分の分まで生きてくれ」と頼むのは、ある意味、残酷でもある。

大人の恋愛。一般的には「不倫」とも言うけど、性愛もここまで突き詰めると純粋な愛。
『マディソン郡の橋』も思い出した。

“撮影当初、今井郷役は萩原健一が担当していたが、監督やスタッフ・共演者に対して
 暴言や暴行を繰り返したことにより製作サイドの意向で途中降板となった。”(ウィキ参照

結果的には、秋吉久美子さん×永島敏行さんで大正解
このベテラン2人が、一番脂ののった時期に、こんなラヴストーリーを残せたのも運命的。

濃密なラヴシーンを自然かつ情熱的に演じられる役者さんて意外と少ないんじゃないかな?
実際には周囲にカメラマンさんはじめ何十人ものスタッフに囲まれて、真剣に見つめられている中で、
2人きりの親密な空気を出すのは、想像以上に技術が必要だと思う。


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