昭和48年初版 飯島和子/訳 桜井誠/絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
この『少年少女サスペンス』シリーズはどれも名作ばかり
図書館の「閉架」扱いなのがとても惜しい
それにしても、この頃の物語は、なぜ幼い頃に親が亡くなった設定が多いのだろう?
その悲しみとなんとか折り合いをつけるように
新しい土地、人々と“新しい自分の世界”を築いている少年の勇気が素晴らしい
原題は“Danger at Black Dyke”
この城壁は今もあるのかな?
【内容抜粋メモ】
登場人物
ジョーディ ローマ軍を真似た秘密クラブ「第一タングリアン大隊」の大隊長
ティム 旗手
ハミシュ 騎兵隊長
ハート・ライリー バド 逃げてきた謎の男
リドリー夫人 ジョーディの祖母 ホープアローン荘の女主人
ニタニタ バドを追っている
黄色い鬼 ニタニタの相棒
ジョン・クレイグ バドを助けた男
ピーター・トープ ジョンの友だち
デビー・トープ ピーターの妹
コニー・ピッチャー 宿屋の娘
●逃亡者
見張り番をしているティムとジョーディ
足を怪我した男がフラフラになってやって来て
ホープアローン荘はどこかと聞く
昔、お手伝いをしていたミーナ・ジャミソンが住んでいたのを思い出して来たが
ジャミソンたちは何年も前に引っ越してしまい
今はジョーディと祖母が住んでいて客はとっていない
少年たちは司令部にしているブラック・ダイク(暗黒水路)で手当してあげる
泊まる所を探しているが、聖霊降臨祭の連休でどこも満杯
大隊長ジョーディはライオン、旗手ティムはワタリガラスのお手製の仮面をつけて
バドを大隊に入隊させることを決定し、毎日食べ物を運ぶと約束して
祭壇のミトラ神に仕えることを誓わせる
バドは借りたリュックサックを友だちに返して欲しいと頼む
名前はジョン・クレイグ
ユースホステル「ワンス・ブルード」に泊まる予定
友だちのピーター・トープ、その妹デビーとキャンプに行くと話していた
ブラック・ダイクの小屋に入るにはシギの鳴き声と合い言葉が必要だと教えて
ドアにはカギをかけて、観光客などが入らないよう注意する
●黄色い鬼
ジョーディはバドが何から逃げているのか理由を探るため
先回りしてチェスターズに行く
ピーターはデビーと大ゲンカしていて
その3人組を尾けている“黄色い鬼”は犬を蹴った
彼の相棒は“ニタニタ”と名付ける
ジョーディは追う者と追われる者を距離を置いて尾行する
ホステルに着いたジョンを呼び出してリュックサックを返し
汽車の中でバドに貸したことまでは分かった
2人の怪しい男らは旅人荘に泊ることにして
宿帳にはロンドンから来たジョーンズとスミスと書いた
騎兵隊長ハミシュが家族旅行から帰ったため
旅人荘の娘コニーから2人組のことを聞き出す係にする
●ゆうれい屋敷
バドは1人で小屋にいて退屈したため、ジョーディらが苦心して描いた
付近の地図などを見て感心する
小屋は最初に見た時から、なにかゾッとする感覚があり
夜中、耐えきれずに外に出ると、ジョーディの祖母が自転車に乗ってやって来て
ブラック・ダイクには近づくなと警告する
以前、調査に来た大学教授も、ある夜、急に荷物を放って逃げ出したし
これまで強盗、盗賊、密輸犯などの巣になり
ブレンキンソップ一家は金のためにあらゆる犯罪を犯し
最後の“おおけち親分”は縛り首にされたと話して去る
●ミトラのしもべ
祖母は“ローマの城壁品評会”に出す料理を作りながら
ゆうべ、観光客がブラック・ダイクをうろついていたとジョーディに話す
ジョーディがやたらとたくさんの食べ物を持って行くのを見て
なにかに感づいて、双眼鏡で追うが、途中で見失う
ジョーディが祖母と住み始めてから、はじめは心配したが
考古学に夢中なアームストロング先生がその情熱を吹き込んだため
ジョーディは誰よりこの土地に詳しくなった
やっとつかんだ幸せを邪魔する者はなんであれ戦うつもりでいた
ジョーディとティムがブラック・ダイクに着くと
バドは地下室に閉じこめられていて、助ける
岩が崩れて危険なため、ここには入るなと大人から止められているが
“おおけち親分”の隠した財産があるのでは?と期待して
少年たちは少しずつ掘り進めている
ジョーディはジョンらがずっと尾けられていることをバドに話して
どうして逃げているか理由を聞く
バドは少年たちを巻き添えにしないために
1週間か10日ばかり身を隠す場所が欲しいとだけ言う
バドはロンドンの学生で、夜中に誰かが忍び込んで来て誘拐されそうになった
そこに友人が来て、逃げて行ったが、注射器が出てきて
薬剤師の友人に聞くと人を気絶させるものだと言う
危険を感じても頼る者もなく、安宿に泊まってバスに乗り
ミーナがニューカッスルにいたことを思い出してこの町に来た
改札で2人組が止められているのが見えて巻いたと思った
客室にジョンがいて、ローマの城壁などを見に行くと話していた
ワケを話すと、服をとりかえて、ジョンが先に降りて、捕まっている間に
バドが逃げたらいいと言って助けてくれた
3人の少年は本物の冒険にワクワクする
●ローマ人と盗賊
バドにも発掘の手伝いをさせながら、大学教授がなぜ逃げ出したか説明する
最初は一緒に宝さがしができると思っていたのに、子どもは出入り禁止にしたため
いろんな怖い話を吹き込んだら、夜中の物音に驚いて逃げ出したと大笑いする
デビーが歌っていた変な歌が頭から離れなくなるジョーディ
♪カエルはすてきな小鳥です
立ってる時も 座ってるみたい
ぴょんとはねても 空とぶみたい
●秘密の地下道
バドが頼んだラジオを持ってくると、毎日のように聞いている
ギャングが大邸宅からたくさんの宝石を盗んだニュースを聞いて
バドも2人組と一緒に盗んだけれども、後悔して
今では返したいと反省しているのかもしれないと推理して
自分が改心させてあげようと思うジョーディ
バドはせめてもの恩返しに、1人で地下道を補強したり
岩の下を掘って、向こう側に通じていることが分かる
デビーがやって来て、アーサー王のお城がどこにあるか聞く
ジョーディは仕方なく、ジョンに尾けられていることを教え
ブラック・ダイクにバドがいるから近づくなと注意する
デビーは自分だけずっとのけ者にされていることが耐えられず泣き出す
兄と一緒にここに来るのをずっと楽しみにしていたのに
自分の分からない話ばかりしているから
ハンサムで女の子に人気があり、妹がいるハミシュがデビーをあやす間
ジョーディとティムはジョンらをホステルまで案内する
●荒野の見張り台で
2人組はロンドンに帰ったとコニーが言っていた報告が入る
ハミシュはジョーディの指示を待たずにジョンに知らせて
3人がブラック・ダイクに来ると話す
デビーは歴史にも詳しくて、地下道はアーサー王の伝説に関する
何かが発見されるかもしれないと言っていた
ジョーディは、大隊に女の子は絶対に入れないと言うと
ハミシュは隊を抜けると言い出し、ティムも賛成したため
プライドを失ったジョーディはその場を駆け出す
デビーが謝りに来て、兄が大人になって、自分と離れてしまったこと
本当に城壁に夢中で、将来は有名な考古学者になる夢を持っていることが分かり
女の子も自分なりの考えを持つのかもしれないと思い直すジョーディ
ジョーディ:
母さんは3年前に病気で亡くなり
父さんはオレを近所に預けてカナダに行ってしまった
つまりオレがいらないってわけさ
でも強くならなくちゃ
君を隊員にしてあげる 女の子じゃ初めてなんだぜ
デビーがジョーディの尊敬の的になってしまい
ジョーディは何も構わなくても、女の子が好きになることに気づいていたハミシュ
3人の友情は元通りになる
●とらわれる
全員で地下道を掘っていると、コニーまでがブラック・ダイクに来て
秘密の伝令があると言う
ドアを開けると黄色い鬼とニタニタが押し入って
コニーを突き飛ばし、ジョーディを人質にとる
2人ともピストルで脅し、全員を地下室に入れて
バドに入り口に土を盛り、父親に電話するよう命令する
ジョーディはバドを助けようと、奥の岩の穴から出ようとしてつっかかり動けなくなる
近くを祖母が通るのを見て、シギの鳴き声を真似る
●助けにきた“アーサー王”
ティムの大きな雄牛“アーサー王”が綱を切ってやって来て
ニタニタに突撃しようと身構える
旧式の単発銃を持った祖母が来て、一発でカラスを撃ち落とし
毎年、射撃で一等をとると脅し
雄牛をなだめる代わりに、全員を地下道から出すよう命じる(さすが銃の国/驚
ラジオでデラノの大統領のニュースを話すと
2人は計画が台無しになったとたじろく
祖母が雄牛に歌いかけて、少しどいた隙に2人は車で逃げる
ティムが来てなだめると、とってもおとなしい!
北国の人間はけっして人前で愛情を表わしたりしないため
ジョーディが穴から抜け出した時も、感情をおさえる祖母
双眼鏡で見張っていたことを知っていたジョーディ
反乱が起きて、デラノを大統領とする政府を倒そうとしたが
裏切り者が出て、政府軍に負かされ、平和に戻ったニュースをバドにも伝える
バドの父は仕事で南アメリカにいて、騒動が起きた
ある将軍が父に武器を提供するよう掛け合い
商売に影響が出ないよう返事を引き延ばしていた
反乱軍はバドを誘拐して、父に電話させ、協力させようとしていた
ジョーディは地下道で箱を見つけたというと、みんな興奮して後を追う
その時、もろい地下道が崩れて、祖母は思わず「私の賢い坊や!」と声を出してしまうが
危機一髪助かり、地下室は水没
箱の中身は、祖母らが子どもの頃にしまった宝ものとつづりを間違えたメモ
“荒野の覆面盗賊団一同より”
その中にはバドの探していたミーナの名前もある
●ホープアローン荘で
祖母はバドを家に泊める
来年の夏も遊びに来るから、案内してくれとバドが頼むと大喜びするジョーディ
デビーも夏休みに来ると約束したが、そうした約束は忘れられるものだと言う祖母
孫がガッカリする姿を見たくないのだと悟ったバド
バド:母は父と別れて、再婚し、子どももいるから僕に会うヒマはないんだ
ジョーディ:悩んだ?
バド:
その時は、もう二度と幸せになれないと思っていた
叔母がアメリカにいて、とてもよくしてくれた
親なんかいらないような新しい生活を自分でつくりあげたんだよ
誰かに嫌な目にあわされると普通よりこたえたよ
でも、ある意味では、友情のありがたさが分かったし
人を傷つけちゃいけないことも教わった
祖母はバドが約束を守ると分かり、遊びに来たら寝場所を用意すると言う
ジョーディ:おばあちゃんみたいな素晴らしい女の人、見たことないよ!
祖母はジョーディを抱き寄せてキスを返す
■あとがき
本書の舞台のノザンバランドは、イングランドでもスコットランドに近い地方
“ローマの城壁”が有名
大ローマ帝国は、大ブリテン島を支配した
最初の将軍はシーザー
ローマ軍の中には、ペルシアの太陽神で軍神のミトラを信仰している兵士が多くいたため
少年たちもミトラのしもべを名乗っている
アーサー王と円卓の騎士たちはイギリスでも知らぬ者のいない正義の騎士
ウィニフレッド・フィンレイ
女流作家 ノザンプトンに住み、少年少女に人気の作品をいくつも書いている
本書は、連続放送劇としてラジオで放送されて評判になった
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
この『少年少女サスペンス』シリーズはどれも名作ばかり
図書館の「閉架」扱いなのがとても惜しい
それにしても、この頃の物語は、なぜ幼い頃に親が亡くなった設定が多いのだろう?
その悲しみとなんとか折り合いをつけるように
新しい土地、人々と“新しい自分の世界”を築いている少年の勇気が素晴らしい
原題は“Danger at Black Dyke”
この城壁は今もあるのかな?
【内容抜粋メモ】
登場人物
ジョーディ ローマ軍を真似た秘密クラブ「第一タングリアン大隊」の大隊長
ティム 旗手
ハミシュ 騎兵隊長
ハート・ライリー バド 逃げてきた謎の男
リドリー夫人 ジョーディの祖母 ホープアローン荘の女主人
ニタニタ バドを追っている
黄色い鬼 ニタニタの相棒
ジョン・クレイグ バドを助けた男
ピーター・トープ ジョンの友だち
デビー・トープ ピーターの妹
コニー・ピッチャー 宿屋の娘
●逃亡者
見張り番をしているティムとジョーディ
足を怪我した男がフラフラになってやって来て
ホープアローン荘はどこかと聞く
昔、お手伝いをしていたミーナ・ジャミソンが住んでいたのを思い出して来たが
ジャミソンたちは何年も前に引っ越してしまい
今はジョーディと祖母が住んでいて客はとっていない
少年たちは司令部にしているブラック・ダイク(暗黒水路)で手当してあげる
泊まる所を探しているが、聖霊降臨祭の連休でどこも満杯
大隊長ジョーディはライオン、旗手ティムはワタリガラスのお手製の仮面をつけて
バドを大隊に入隊させることを決定し、毎日食べ物を運ぶと約束して
祭壇のミトラ神に仕えることを誓わせる
バドは借りたリュックサックを友だちに返して欲しいと頼む
名前はジョン・クレイグ
ユースホステル「ワンス・ブルード」に泊まる予定
友だちのピーター・トープ、その妹デビーとキャンプに行くと話していた
ブラック・ダイクの小屋に入るにはシギの鳴き声と合い言葉が必要だと教えて
ドアにはカギをかけて、観光客などが入らないよう注意する
●黄色い鬼
ジョーディはバドが何から逃げているのか理由を探るため
先回りしてチェスターズに行く
ピーターはデビーと大ゲンカしていて
その3人組を尾けている“黄色い鬼”は犬を蹴った
彼の相棒は“ニタニタ”と名付ける
ジョーディは追う者と追われる者を距離を置いて尾行する
ホステルに着いたジョンを呼び出してリュックサックを返し
汽車の中でバドに貸したことまでは分かった
2人の怪しい男らは旅人荘に泊ることにして
宿帳にはロンドンから来たジョーンズとスミスと書いた
騎兵隊長ハミシュが家族旅行から帰ったため
旅人荘の娘コニーから2人組のことを聞き出す係にする
●ゆうれい屋敷
バドは1人で小屋にいて退屈したため、ジョーディらが苦心して描いた
付近の地図などを見て感心する
小屋は最初に見た時から、なにかゾッとする感覚があり
夜中、耐えきれずに外に出ると、ジョーディの祖母が自転車に乗ってやって来て
ブラック・ダイクには近づくなと警告する
以前、調査に来た大学教授も、ある夜、急に荷物を放って逃げ出したし
これまで強盗、盗賊、密輸犯などの巣になり
ブレンキンソップ一家は金のためにあらゆる犯罪を犯し
最後の“おおけち親分”は縛り首にされたと話して去る
●ミトラのしもべ
祖母は“ローマの城壁品評会”に出す料理を作りながら
ゆうべ、観光客がブラック・ダイクをうろついていたとジョーディに話す
ジョーディがやたらとたくさんの食べ物を持って行くのを見て
なにかに感づいて、双眼鏡で追うが、途中で見失う
ジョーディが祖母と住み始めてから、はじめは心配したが
考古学に夢中なアームストロング先生がその情熱を吹き込んだため
ジョーディは誰よりこの土地に詳しくなった
やっとつかんだ幸せを邪魔する者はなんであれ戦うつもりでいた
ジョーディとティムがブラック・ダイクに着くと
バドは地下室に閉じこめられていて、助ける
岩が崩れて危険なため、ここには入るなと大人から止められているが
“おおけち親分”の隠した財産があるのでは?と期待して
少年たちは少しずつ掘り進めている
ジョーディはジョンらがずっと尾けられていることをバドに話して
どうして逃げているか理由を聞く
バドは少年たちを巻き添えにしないために
1週間か10日ばかり身を隠す場所が欲しいとだけ言う
バドはロンドンの学生で、夜中に誰かが忍び込んで来て誘拐されそうになった
そこに友人が来て、逃げて行ったが、注射器が出てきて
薬剤師の友人に聞くと人を気絶させるものだと言う
危険を感じても頼る者もなく、安宿に泊まってバスに乗り
ミーナがニューカッスルにいたことを思い出してこの町に来た
改札で2人組が止められているのが見えて巻いたと思った
客室にジョンがいて、ローマの城壁などを見に行くと話していた
ワケを話すと、服をとりかえて、ジョンが先に降りて、捕まっている間に
バドが逃げたらいいと言って助けてくれた
3人の少年は本物の冒険にワクワクする
●ローマ人と盗賊
バドにも発掘の手伝いをさせながら、大学教授がなぜ逃げ出したか説明する
最初は一緒に宝さがしができると思っていたのに、子どもは出入り禁止にしたため
いろんな怖い話を吹き込んだら、夜中の物音に驚いて逃げ出したと大笑いする
デビーが歌っていた変な歌が頭から離れなくなるジョーディ
♪カエルはすてきな小鳥です
立ってる時も 座ってるみたい
ぴょんとはねても 空とぶみたい
●秘密の地下道
バドが頼んだラジオを持ってくると、毎日のように聞いている
ギャングが大邸宅からたくさんの宝石を盗んだニュースを聞いて
バドも2人組と一緒に盗んだけれども、後悔して
今では返したいと反省しているのかもしれないと推理して
自分が改心させてあげようと思うジョーディ
バドはせめてもの恩返しに、1人で地下道を補強したり
岩の下を掘って、向こう側に通じていることが分かる
デビーがやって来て、アーサー王のお城がどこにあるか聞く
ジョーディは仕方なく、ジョンに尾けられていることを教え
ブラック・ダイクにバドがいるから近づくなと注意する
デビーは自分だけずっとのけ者にされていることが耐えられず泣き出す
兄と一緒にここに来るのをずっと楽しみにしていたのに
自分の分からない話ばかりしているから
ハンサムで女の子に人気があり、妹がいるハミシュがデビーをあやす間
ジョーディとティムはジョンらをホステルまで案内する
●荒野の見張り台で
2人組はロンドンに帰ったとコニーが言っていた報告が入る
ハミシュはジョーディの指示を待たずにジョンに知らせて
3人がブラック・ダイクに来ると話す
デビーは歴史にも詳しくて、地下道はアーサー王の伝説に関する
何かが発見されるかもしれないと言っていた
ジョーディは、大隊に女の子は絶対に入れないと言うと
ハミシュは隊を抜けると言い出し、ティムも賛成したため
プライドを失ったジョーディはその場を駆け出す
デビーが謝りに来て、兄が大人になって、自分と離れてしまったこと
本当に城壁に夢中で、将来は有名な考古学者になる夢を持っていることが分かり
女の子も自分なりの考えを持つのかもしれないと思い直すジョーディ
ジョーディ:
母さんは3年前に病気で亡くなり
父さんはオレを近所に預けてカナダに行ってしまった
つまりオレがいらないってわけさ
でも強くならなくちゃ
君を隊員にしてあげる 女の子じゃ初めてなんだぜ
デビーがジョーディの尊敬の的になってしまい
ジョーディは何も構わなくても、女の子が好きになることに気づいていたハミシュ
3人の友情は元通りになる
●とらわれる
全員で地下道を掘っていると、コニーまでがブラック・ダイクに来て
秘密の伝令があると言う
ドアを開けると黄色い鬼とニタニタが押し入って
コニーを突き飛ばし、ジョーディを人質にとる
2人ともピストルで脅し、全員を地下室に入れて
バドに入り口に土を盛り、父親に電話するよう命令する
ジョーディはバドを助けようと、奥の岩の穴から出ようとしてつっかかり動けなくなる
近くを祖母が通るのを見て、シギの鳴き声を真似る
●助けにきた“アーサー王”
ティムの大きな雄牛“アーサー王”が綱を切ってやって来て
ニタニタに突撃しようと身構える
旧式の単発銃を持った祖母が来て、一発でカラスを撃ち落とし
毎年、射撃で一等をとると脅し
雄牛をなだめる代わりに、全員を地下道から出すよう命じる(さすが銃の国/驚
ラジオでデラノの大統領のニュースを話すと
2人は計画が台無しになったとたじろく
祖母が雄牛に歌いかけて、少しどいた隙に2人は車で逃げる
ティムが来てなだめると、とってもおとなしい!
北国の人間はけっして人前で愛情を表わしたりしないため
ジョーディが穴から抜け出した時も、感情をおさえる祖母
双眼鏡で見張っていたことを知っていたジョーディ
反乱が起きて、デラノを大統領とする政府を倒そうとしたが
裏切り者が出て、政府軍に負かされ、平和に戻ったニュースをバドにも伝える
バドの父は仕事で南アメリカにいて、騒動が起きた
ある将軍が父に武器を提供するよう掛け合い
商売に影響が出ないよう返事を引き延ばしていた
反乱軍はバドを誘拐して、父に電話させ、協力させようとしていた
ジョーディは地下道で箱を見つけたというと、みんな興奮して後を追う
その時、もろい地下道が崩れて、祖母は思わず「私の賢い坊や!」と声を出してしまうが
危機一髪助かり、地下室は水没
箱の中身は、祖母らが子どもの頃にしまった宝ものとつづりを間違えたメモ
“荒野の覆面盗賊団一同より”
その中にはバドの探していたミーナの名前もある
●ホープアローン荘で
祖母はバドを家に泊める
来年の夏も遊びに来るから、案内してくれとバドが頼むと大喜びするジョーディ
デビーも夏休みに来ると約束したが、そうした約束は忘れられるものだと言う祖母
孫がガッカリする姿を見たくないのだと悟ったバド
バド:母は父と別れて、再婚し、子どももいるから僕に会うヒマはないんだ
ジョーディ:悩んだ?
バド:
その時は、もう二度と幸せになれないと思っていた
叔母がアメリカにいて、とてもよくしてくれた
親なんかいらないような新しい生活を自分でつくりあげたんだよ
誰かに嫌な目にあわされると普通よりこたえたよ
でも、ある意味では、友情のありがたさが分かったし
人を傷つけちゃいけないことも教わった
祖母はバドが約束を守ると分かり、遊びに来たら寝場所を用意すると言う
ジョーディ:おばあちゃんみたいな素晴らしい女の人、見たことないよ!
祖母はジョーディを抱き寄せてキスを返す
■あとがき
本書の舞台のノザンバランドは、イングランドでもスコットランドに近い地方
“ローマの城壁”が有名
大ローマ帝国は、大ブリテン島を支配した
最初の将軍はシーザー
ローマ軍の中には、ペルシアの太陽神で軍神のミトラを信仰している兵士が多くいたため
少年たちもミトラのしもべを名乗っている
アーサー王と円卓の騎士たちはイギリスでも知らぬ者のいない正義の騎士
ウィニフレッド・フィンレイ
女流作家 ノザンプトンに住み、少年少女に人気の作品をいくつも書いている
本書は、連続放送劇としてラジオで放送されて評判になった