メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ドキュメンタリー『縄文にハマる人々』(2018)

2024-10-08 17:07:46 | 映画
ドキュメンタリー『縄文にハマる人々』(2018)
監督:山岡信貴
ナレーション:コムアイ(水曜日のカンパネラ)

【内容抜粋メモ】
島浜貝塚
福井県若狭町
面白い縄文人の像がある

青森県六ヶ所村 六ヶ所村郷土館
喋って動く人形がこわい・・・


西垣内堅佑
弁護士
著書『六法全書を引っさげて縄文人が来た』

子どもが亡くなると家の入り口に埋めた縄文人
いつでも思い出すために?


根本純
NPO法人 国際縄文文学教会
「JOMON」編集長

うずまきは宇宙?


縄文土器と弥生土器は全然違う

「みたか遺跡展示室」
取ってをつけるのが好きな時期だった
造形がかなり謎



大谷幸市
古代史研究家
『渦巻きは神であった』
『縄文人の偉大な発見』
『縄文大爆発』

西洋の土偶は胸が大きいが日本のは小さい
宇宙創成、生命誕生



縄文とストレッチ

倉富和子
縄文心導ストレッチ創設者
『倉富式縄文ストレッチ 愛の法則』
「『心導』ヒーリング」

娘のぜんそくを治すためにはじめた
火炎土器を見ていたら体が曲がりだした



小林武人
ポストデジタル・アーティスト
NPO法人 JOMONISM代表

縄文は1万年以上の歴史がある
音楽フェスなどを通じてみんなに広めたい

「青森 三内丸山遺跡 Feel the Roots 縄文アートフェスティバル」



縄文天然温泉 志楽の湯
上諏訪

柳平彬
志楽の湯オーナー
グループダイナミックス研究所長
『やる気の健康学』
『人を惹き付ける人間力』

縄文人は温泉で体を温めていた
日本人の風呂好きはそこから



いとうせいこう
作家
『ノーライフキング』
『想像ラジオ』

女性が神格化されていた
古道具屋さんで土器を持たせてもらったら意外と軽くてエレガント
現代は視覚だけの文化になった
触ることで分かることがある



青森県 亀ヶ岡遺跡
遮光器土偶(通称しゃこちゃん)発掘の地
しゃこちゃん温泉!
ステキだな、この町

古代語で喋る人形

なぜ片足がないのか?



八戸 縄文の里 是川縄文館
ほとんど壊れて発見される
用途不明なものが多い



山形県立博物館

佐藤卓
グラフィックデザイナー

佐藤:
縄文の女神(舟形)は完全に現代のデザイン
モダンデザインだけがデザインなのか?

小林達夫『縄文の思考』


関俊彦
東京都大森貝塚保存会会長
『カリフォルニア先住民の文化』
『考古学への招待』



七ヶ浜町歴史資料館

楠本政助
実験考古学者
『縄文人の知恵にいどむ』
『縄文生活の再現』

ケースのものを見ててもダメ
手にとって、使い方も分からないと
弥生時代に外国から文化が入るとそれまでの技術が退化した



竪穴住居

小林達夫
国学院大学名誉教授
『縄文土器の研究』
『縄文の思考』

今の陶芸家と縄文土器は別物


岡本太郎
火炎型土器を見てハマった

『四次元との対話』
体中がひっかきまわされる気がした


信濃川
十日町市博物館「火炎型土器を東京オリンピックの聖火台モチーフに!」

(ほんとにたくさん掘り出されてるんだな/驚
 1つとして同じものはない
 エネルギーそのものを造形にしてる感じ



石井匠
岡本太郎記念館客員研究員
『縄文土器の文様構造』
『謎解き 太陽の塔』

岡本太郎いわく「非情なアシンメトリー」


西垣氏が逝去された


西垣氏おすすめの場所へ 山梨

山本暉久
昭和女子大学教授
『柄鏡形住居と縄文社会』
『敷石住居址の研究』

(ちょっと土掘れば土器出てくるな


山梨県立考古博物館
大型土器がたくさん!

南アルプス市ふるさと文化伝承館
女性のお腹で煮炊きしたものを食べる

左右対称じゃない


金生遺跡

小林達夫:
器だけれども使い勝手は悪い
使い勝手を言うのは今の我々
まだ使えるのに捨てている

(どれを見ても宇宙人だよね



鹿児島県
縄文の森美術館

初期の土偶には顔がない時期が何千年も続いた


DOKIDOKI館 若狭三方縄文博物館
6mの丸木舟
弥生時代は西日本からはじまる

縄文中期


長野県茅野市
御柱@諏訪大社

佐藤卓:
自分だけでは自分を確認できない
新たな自分を発見しているのかもしれない

(こうしてみると釣り目が多いような?


岩手県立博物館

じょーもぴあ宮畑

(全国にまんべんなくあるんだな


「縄文にゴミはない」

史跡大森貝塚

エドワード・モース博士が縄目模様を見て“cord mark”と呼んだのが縄文のはじまり
貝、動物の骨、人骨も見つかった

縄文人は再生観念がある
他界に送りだす場に貝塚がある


なじょもん
土器に触れる体験ができる

佐藤:
ある所になると時間が消える
これならもつぞ 古くならない


縄文文化を引き継いだという説もあるアイヌ文化

北海道千歳市

千歳市埋蔵文化財センター
びびちゃん、かわいい

大船遺跡

死んだ子どもの足型?


小杉康
北海道大学大学院教授
『縄文のマツリと暮らし』
『心と形の考古学』

フクロウとヘビの土器
食べるほうと食べられるほうが一体化している

狩猟採集民の考え
熊狩り 神からの贈り物 肉と毛皮をプレゼント


小山修三
国立民族学博物館名誉教授
『狩人と大知 オーストラリア・アボリジニ』
『森と生きる』

三輪神話
縄文に出てくる動物はイノシシやヘビ


浅間縄文ミュージアム


安芸早稲子
画家・イラストレーター
『三省堂考古学事典』挿絵
浅間縄文ミュージアム壁画

タイヤル族の服が似てる?


小杉:縄文エコ思想

小山:
歴史が正しいとは信じない
白人の歴史にはアボリジニは少ししか記されていない


くく舞

古事記との共通性
神話には時間がない


池上高志
東京大学教授
『動きが生命をつくる』
『人間と機械のあいだ』

チューリングパターン
頭の中のうずまきを描いたのでは?

縄文後期から晩期 7~8割 模様が簡素な日常ものに分かれていく

大湯ストーンサークル
集団墓地、お祭りや集って話す場所


デニス・バンクス
ネイティブアメリカン活動家
『死ぬにはいい日だ』
『聖なる魂』

デニス:
我々の行為すべてが儀式だ
神は火、魚、すべての中にいる
祈るための城はいらない
母なる地球に歌う


スピリットパス


猪風来
縄文造形家
『生命のシリーズ』
『森羅万象シリーズ』

猪風来:なぜ土器に感動してるのか分からない 知りたいと思った


村上原野
縄文造形家・プログラマー
『淵源生まれくる花』
『生命の大地』

勾玉は子どもの形


楠本:絵画はへたくそ


堀江武史
遺物修復家 府中工房代表 アーティスト
『縄文遺物と現代美術 考古学から生まれるアート』

堀江:
粘土造形は知り尽くしているはず
現代陶芸作家がまったく分からないやり方
ときどき犬とかもあるけど稀
具象をやっちゃいけないという禁忌がある
同調圧力の強い社会を乗り越えようとする気持ちが文様に出ていると思う

(自由じゃない?!


ドリーミング


縄文の終わり
大陸から渡ってきた人々

動いた文様 生→静止文様 死の世界



動物が食べものになる過程の映像は直視できないな↓↓↓


現代:食料生産+定住 自然破壊
縄文:狩猟採集+定住 共生




コメント

ゆがめられた記憶 マーガレット・マーヒー/作 岩波書店

2024-10-08 16:44:33 | 
1996年初版 清水真砂子/訳 アラン・フード/カバー絵


どこで本書を知ったかもう思い出せないが
タイトルに惹かれた

前半はひどく酔ってボロボロの主人公や
ゴミ屋敷に住む老女のリアルな描写に戸惑ったけれども
姉の謎の死の真相、老女の行く末が気になって一気読み
ヒトの記憶の曖昧さについて考えさせられる

時々、会話や主人公の想像力が飛びすぎて
ついていけない部分もありつつ
社会に順応できないもどかさはホールデン・コールフィールドを思い浮かべた



【内容抜粋メモ】

登場人物
ジョニー 19歳
ジェイニーン 姉

ベネディクタ家
ボニー 養女
サマンサ 養女 妹

ソフィー
エロル・ウエスト 夫
ネブ・ファウラー


ジョニーはひどく酔い、ケンカ沙汰を起こして、父に説教され
ボニーに会いたいと思って家まで来る
最後に会ったのは姉ジェイニーンの葬式
もう5年が経った

ベネディクタ家はマオリに土地を返そうという運動のデモに参加した若者が集っている
ボニーは街中のフラットに住んでいるというが詳しくは教えてくれない
ジョニーは電話帳を覗いて住所や電話番号を手にメモる

マックスがクルマでタクシー乗り場まで送ってくれる
ジョニーとジェイニーンは鶏肉の有名なCMで踊っていたと知って驚く

ジョニーは今でもふと歌ったり、タップダンスで踊ることがある
母は「笑いなさい! 幸せそうな顔をするの」というのが口ぐせだった



ボニーはジェイニーンと親友同士で、ジョニーと3人でよくごっこ遊びをした
「危険」という立て札を無視して崖っぷちを歩き、ジェイニーンは転落死した
ジェイニーン:あんたになんか、つかまりっこないわよ

ボニーはジョニーも崖の上にいたとウソの証言をした
ジョニーは自分が姉を押したのではないかという記憶にさいなまれ続けている
それをボニーに確認したかった

ボニー:私たちはいろんな印で動いていくものよ
ボニーはジョニーにとってピュートーンだった



気づくと、安全地帯の木の茂みで寝ていたジョニー
ふらふら歩いていると、スーパーから出て来た老女がニコニコしながら歩いてくる

ソフィー:あなたよねえ? あなたも来る?

後をついていくと、コルビルというパブの名前を見て
学生の頃、自分をひどくいじめたネブ・ファウラーを思い出す
ネブはジェイニーンが好きだったが、ジェイニーンはコルビルを下に見ていて、ネブを嫌っていた

ソフィーの家は壁から大きな蛇口が出ている
夫エロル・ウエストは配管工だったが亡くなった

ソフィーはアルツハイマーのような症状を持ち
家の中は荒れ放題、たくさんのネコを多頭飼いしている状態

何度もお茶をいれると言って、お湯だけを出し
大好きなビスケットだけを食べている様子

ジョニーは倒れこむように寝室で寝てしまう



ソフィーは鍵を首から下げていることを毎回忘れて
隣人が盗んでいるのではないかと疑っている

ジョニーはそのまま家に帰ろうとして、ソフィーが心配になり
一緒にケーキを食べて、スーパーで買い出しする
ソフィーは郵便局に多額の預金を持っていると分かって驚く

持ち家なのに、毎週のように大家スパイクが家賃をもらいに来るのを不審に思うジョニー
夫婦に子どもはいない ジョニーをいとこのアルバと思い込んでいるソフィー

台所を片付けて、古いトランジスタラジオが出てくる
棚の中には600ドルの紙幣が置いたままになっていて
このまま盗んでも誰も気づかないと誘惑されるがそのままにする

ソフィーがどこからかもらってきた本にボニー・ベネディクタと書かれていて驚く
マネキンが置かれていた隣りの家に住んでいると分かる



ソフィーが半裸で床を這っていて驚くジョニー
そのままお風呂に入れて、寝室も片付けていると
ベッドにおねしょの跡を見つける

再び家に帰ろうとしてパブで食事をしていると
ソフィーのトランジスタラジオを見つける
ネブが来て、彼の友人2人がソフィーのものを盗んでいる様子

ソフィーのような老人の面倒を見てくれる施設を見つけるつもりでまたソフィーの家に戻る
若い頃の写真の中に、ジョニーのとよく似たブレザーを着ている青年アルバを見つける
ソフィーは結婚前、アルバに恋愛感情をもっていた



ジョニーは本を返しにボニーと再会する
ソフィーのことを話すと、牛乳と郵便物を勝手に持って行ってしまう迷惑なおばあさんという以外に
事情を知らなかったことを反省する

この家は会計士たちの会社によって1年以内に取り壊されることになっている
ボニーは近所のシルバー福祉センターに知り合いのデイントンがいると教える

ボニー:
あなたは本物のダンサーだった ジェイニーンも私もあなたに嫉妬していた
妹のサマンサはヒネランギ・ホテネと改名して、活動家として報道されている

ジョニーはボニーを夕食に誘うが、肝心の姉の話はできないまま
ソフィーの荷物から古いテレビが出てきて、2人でアニメ『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』を見る
(!! このアニメずっと観たくてどこにもないんだよな



ソフィーは全裸で立っている
ソフィー:ほかの人を愛するなんて無理よ・・・

シルバー福祉センターのデイントンを訪ねると
先日、クルマで送ってくれたマックスだった
ソフィーについて相談すると

マックス:
この町には施設が3つあるが、どこも順番待ちなんだ
彼女はアルツハイマーだと思う
明日にでも家に寄ってみるよ

ソフィーの家に戻ると、男の声がする
スパイク:金をくれれば領収書は出しますよ

スパイクはネブだと思っていたが、パブで見かけたネブの友人の1人だった
新聞の集金に来た時、ソフィーが家主と思い込んだのがきっかけ
ジョニーは二度と来るなと脅して帰す



ソフィーにネイビーブルーのワンピースを着せ、夕食を作るとボニーがやって来る
テレビでホテネが逮捕されたニュースが流れる
ボニー:私は混血のため、養子としては不適格者だったが、両親はそういう子を欲しがっていた

ジョニー:
昔のことにこだわって、そこから動けないんだ
ジェイニーンが落ちて、あんたが俺を抱きしめてくれて

ジョニーはボニーに無理やり迫って、ブラウスを破り、ボニーは家に帰ってしまう



ネブが友人2人を連れて家に来る
ネブ:奴はここのばあさんと親戚でもなんでもないんだ

ジョニーはバルコニーから3人に向かって飛び、ネブと取っ組み合いになる
ソフィーもほうきでネブを叩き、ボニーの呼んだ警察が駆けつける

ジョニー:おれ、やっぱり姉さんを押した気がするんだよ と泣き崩れる
ボニー:ジェイニーンはつまずいて転んで、海に落ちただけ



6週間後、ジョニーは再びソフィーを訪ねる
何度もかけあって、マックスが手配したお陰で
今では週に1回、看護婦がソフィーを風呂に入れ
もう1人が家の掃除をして、ボニーも時々訪ねて世話をしている

ソフィー:
私、その人に手を貸してあげてるの
必要な時に助けてあげられないなんて、そんなひどいこと、ないでしょう?

(ヒトって他者に必要とされていることに幸せや充足感を感じて生きるものなんだな

ジョニー:
君がウソの証言をしたのは、特別なわけがあったに違いないと思ってた
両親は、俺にただ仕事について楽しくやってくれさえすればいいと方針を変えた

ボニー:
私はピュートーンのフリをしていただけ
あなたは私のタイプじゃないし、もうBFがいるの知ってるでしょ

ジョニーは建設現場で働き始め、タップダンスのレッスンにも通い始めた
ソフィーの家で暮らすことがリスタートのきっかけになったと思い返す
原則として人はひとりで生まれ、ひとりで生き、ひとりで死んでいくということだ

ジョニーはソフィーをバンドのリハに誘うと喜ぶ



訳者あとがき
本書の原題は『Memory』
失せない記憶に苦しむジョニーと、失せゆく記憶にとまどう老女ソフィーの物語
無機質に見える都市の中にもたくさんの有機体が呼吸し、ドラマを生きていることが分かる


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