メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

映画『ダウンタウンヒーローズ』(1988)

2024-10-07 10:41:11 | 映画
監督:山田洋次 原作:早坂暁

出演
中原房子(ふさこ):薬師丸ひろ子
志麻洪介:中村橋之助(青年期)
檜圭吾(オンケル):柳葉敏郎
高井貞一(アルル):尾美としのり
石堂岩夫(ガン):杉本哲太
佐伯長一郎(チョピンスキー):坂上忍
原田勝(ホルタン):武野功雄
谷口咲子:石田えり
若手女優:戸川純
ヤクザの親分:笹野高史
警察署長:加藤武
志麻民子:倍賞千恵子
春之助:渥美清
ほか


主題歌:♪時代/薬師丸ひろ子
(本編中には一度も流れなかった

薬師丸ひろ子の角川映画以外の作品は貴重
戸川純ちゃんまで出てる/驚


予告編


【内容抜粋メモ】
志麻洪介:僕は恋をしていた 名も知らぬあの人を思っていた

1948年 四国 松山高等学校
授業が終わると窓から飛び出す男子学生たち
学ランもいるけど、ひきちぎったランニングシャツを着てる生徒もいる
黒いマント

え!?食堂に柴犬がいるけど/驚
給食はサツマイモだけ?
給食のおっちゃんは渥美清さん



コウスケは道で転んで、下駄の緒を直してあげるフサコ

キャベツを食べてる寮の友人たち
廊下では半裸でどんちゃん騒ぎ カオスだな・・・/汗

外国兵に髪を切れと言われる
インフレは止まらず、授業料3倍値上げに反対する抗議

娼婦・谷口咲子は高校生と駆け落ちしたが約束の日に相手は現れなかった
高井貞一に助けを求める
映画館では原節子の映画がかかってる

ヤクザがサキコを探してるため寮に連れてきてどうするか話し合う
女郎の足抜きは大ごと
サキコの色気にあてられて部屋を飛び出す

教室にも柴犬いる!

トイレは汲み取り式
男子便所を使ってるサキコ

貞一は『坊ちゃん』を貸そうとするが文字があまり読めない
相手の学生は体を壊して田舎に帰っている、とウソをつく キリスト教徒?



コウスケは男児に勉強を教えてる
親戚の娘だとフサコを紹介する母親 満州の引き上げ者 
学校に上がるために働いている

みんなで金を出し合ってサキコの洋服を買ってあげる
「新しい女性になった」と喜ぶサキコ
ブラウスが短くて背中が見える
みんなが給食を分けて持ってくる

サキコ:お礼したいけどお金ないから抱いてもいいよ
貞一:君には約束した人がいるんでしょ!

卓球大会のインターハイ
船着き場で紅白に分かれて歌う
やってることがいちいち軍隊ぽいな

サキコの相手はニセ学生で詐欺で警察に捕まったと伝える
サキコ:また騙された バカじゃな
佐伯長一郎:ここにいるのがバレたから、早く出たほうがいい

顔を洗うと言って、サキコは首を吊ろうとしているのを助ける
サキコ:うちが死なんと借金はなくならない
サキコに学ランを着せて、雷雨の中、三輪車に乗せる



ヤクザが学校に来て刀を振り回し、銃を撃つ

警察署長は調査させてくれと校長に頼むが
基本的人権を訴える学生

親分が寮に乗り込んでくる
昭和初期って何でもありだな

サキコは自死したと葬儀のフリをして追い出す
棺に入ってたのは化粧した男子学生

2両の汽車に乗ったサキコを見送る



夏休み
コウスケは貞一を連れて田舎に帰ってくる

貞一の家族は広島の原爆で亡くなった
寝る前も祈りを捧げる貞一

貞一はサキコを田舎の小さな農家に送った時の話をして
何もしてあげられなかったことを悔やむ
貞一:僕には愛する資格がない/泣



映画館で原節子の『青い山脈』がかかってる
主題歌を歌いながら帰る

演劇コンクルールの台本ができた

高校でドイツ文学までやってる
レオンハルト役はコウスケだが、ヒロインがまだ決まらない

女学校に来て、演劇部のフサコに記念祭に誰か出演してほしいと相談する
ドイツの名作のアガーテ
フサコ:相談してあとで知らせます

檜圭吾:アガーテはフサコしかおらん



コウスケも出ると知るフサコ
フサコ:シマさんが出るなら私、やってみようかな

寮の部屋にも柴犬いる!

フサコから寮に電話があり、役を引き受ける

男子学生の中央にフサコを加えて寮まで連れて来て食堂で芝居の稽古
父役は石堂岩夫でオンハルトに嫉妬する

父:けして男に身を任せないと約束してくれ!
春之助がすっかり見入ってるw

ジプシーの女がトランプ占いをしてくれるシーンのひどさに笑いが起きる
春之助:炭やのばばあを思い出せばいいんだよ と真似て名演技を見せる

檜圭吾:この役演ってくれ
春之助:高校生じゃないからダメだ



オンハルトとアガーテの子どもを父に見せる
父:神さまの授かりものだ!
アガーテ:お父さん! すがりついて泣いて幕

本にはオンハルトに抱きつくと書いたと意見が分かれる
佐伯:救いがないから悲劇なんや


記念祭
柴犬さんラクダ役させられてるw

講堂で演劇が披露される
檜圭吾は心配で眠れなかった
フサコ:大丈夫よきっと 板チョコをあげる

理髪師『チッターライン』?

結局、ジプシー役は春之助でど緊張して
客席から声をかけられて素に戻り爆笑が起きる

父はオンハルトに切りつけ、かばったアガーテを切ってしまう
オンハルトとアガーテは結婚する
まだ最後が決まっていない

子どもをあやすアガーテ
ボロボロになった父が来て感動の再会

舞台のそでから指示を出すオンケル
最後はオンハルトに抱きついて幕となり大拍手

フサコは感激してオンケルに抱きつく
劇はコンクールの1等賞をとった



遅れた勉強を取り戻すのに必死になる学生たち
檜圭吾:女の人に愛してると言ったことはありますか? と春さんに相談するが取り合わない

大雨の中、裸足でランニングしてる檜圭吾

檜圭吾:もしオレが愛してると言ったら、あの人はイヤな顔するかな
コウスケ:彼女は純粋な気持ちを笑ったりしない
檜圭吾:アガーテへの気持ちを書いた原稿を渡してほしい

コウスケはオンケルの言ったセリフをそのままフサコに伝えて手紙を渡す
長すぎる手紙コワっ!

フサコ:
こんな大事なこと人に頼むオンケルさんも
人に頼まれたからって持って来るコウスケさんも大嫌い!

コウスケが酔っぱらって帰り、オンケルに手紙を返す
オンケル:お前、アガーテに惚れてるから渡さなかったんだろ?
ケンカになる2人



翌朝、オンケルは姿を消す
12月に手紙が来る
「民衆の一員として生きる 退学届けを発送した」

網で焼いた餅、おいしそう



たった1年の高校生活?

先生:
まったく腹が減ったねえ!
食糧難も解決するだろう
肥えてブタは幸せなのではない
日本人をヒツジの群れにしてしまわないかと憂う
フリーダムではなくリバティの思想を忘れないでほしい



大学の試験 九州大学の法学部を受けるコウスケ
貞一は医師を目指す

貞一:
サキコさんを送った帰り道に決心した
無医村の医師になるのが神に尽くす道だと思う

江戸時代を舞台にしたヘッベル原作の演劇を観るコウスケ
最後はヒロインおさとが父親にすがりついて泣いて終わる
脚本を書いたのはオンケル

オンケル:最初、アガーテがオンハルトを抱きしめる終わり方で演ったが客はウケなかった

女優役の純ちゃんが相手する この1シーンだけなのか



コウスケはフサコの家に寄りスーツを着たフサコと再会
コウスケ:初めて会うた日から好きでした

フサコ:
どうして返事も聞かないで行っちゃうの?
ずっと好きだったのに


それきりで、長い年月が過ぎる
オンケルは再会の3年後、ヤクザに刺殺された
コウスケはオンケルの遺志を継いでシナリオライターになった



コメント

世界文学の玉手箱 21 白いきば ジャック・ロンドン/著 河出書房新社

2024-10-07 10:27:05 | 
1995年初版 阿部知二/訳 山本容子/装画

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します

オオカミの生活が生き生きと描かれていて夢中で読んだ
あとがきに必ずしも事実とは言えない部分があると書いてあったが
どの部分かは分からないくらいリアル







【内容抜粋メモ】

■第一部 雪のあれ野
ヘンリとビルは男の遺体が入った棺を運ぶために犬ぞりを引いている
ガリガリに飢えたオオカミの群れが追ってくる

イヌは6匹だが、エサをあげた時、7匹いたと話すビル
知らないうちにオオカミが混ざっていたことに気づかなかった

銃の弾は3発だけ
キャンプをするたび、翌朝にはイヌが1匹いなくなる

キャンプの火に慣れためすオオカミに惹かれて
またイヌが1匹群れから離れてしまい
それを追ったビルもイヌもオオカミに食われてしまう(!

ヘンリは棺を木の上に引っ張り上げ、犬ぞりを走らせる
片足を噛まれても眠気がひどくなる一方

気づくと大勢が助けに来ていた



■第二部 わかいオオカミ
ビルを襲っためすオオカミを自分のものにしたい大オオカミ、片目の年寄りオオカミ、若いオオカミ
3匹のオスは殺し合って、片目の年寄りオオカミが勝ち残る

インディアンのキャンプ地に来て、罠にかかったウサギを食べる
洞穴で5匹の子どもを産む

ひと月経って目があき、母乳から肉を食べるようになる
飢餓となり、灰色の子どもだけが生き残った

母親は子どもを置いてエサをとりに行くようになり
灰色子は1人で洞穴から出て、冒険を始める

ライチョウの雛を食べて、親に殺されそうなところをタカが来て救われる
肉の掟は「食うか食われるか」だと学ぶ



■第三部 あれ野の神たち
インディアンのキャンプに出会い、母親をキチーと呼ぶ
キチーの父はオオカミ、母はイヌで、インディアンに飼われていた

グレービーバーは灰色子にホワイトファング(白い牙)と名づける
人間の手でなでられると、なんともいえないいい気持ちになる
いろんな道具を使う人間は神のように見える

リプリプという犬はホワイトファングを敵対視していじめる
火が危険なこと、ほかの犬たちと戦うことなどを学ぶホワイトファング

グレービーバーはキチーをスリーイーグルズに譲る
ホワイトファングは初めて母と別れて暮らす



秋の狩りの季節になる
ホワイトファングは一度はキャンプを離れるが、人間に守ってもらいたいという気持ちがわく
雪が降るとエサを見つけるのも難しくなり、グレービーバーの元に戻る
人間はルールを破ると殴るが、肉をくれる

グレービーバーの息子ミトサーは、リプリプを犬ぞりのリーダーにして
ほかの犬から憎まれるようにして、ホワイトファングの仇をとる

ホワイトファングは主人とその家族や持ち物を守るようになり
グレービーバーはホワイトファングを番犬として訓練する
ホワイトファングは愛されたことも愛したこともなく育つ

ホワイトファングは1歳になる
キチーと再会して喜ぶも、キチーは新たな子どもをはらみ
ホワイトファングをすっかり忘れて威嚇する

ホワイトファングが唯一苦手なのは、人間に笑われること



ホワイトファングは3歳になる
またキャンプに飢餓が襲い、人間はイヌまで食べ始めた(!
ホワイトファングは野生に戻り狩りをする



■第四部 白い人間たち
ホワイトファングは5歳になり、けんかの名人になった

1898年はゴールドラッシュにわき、白人たちが押し寄せる
グレービーバーの売る毛皮などは10倍の値で売れる

白人の連れている犬は戦い方を知らないため
ホワイトファングの牙にあっけなくヤラれた

醜い男ビューティー・スミスはその様子を見て
グレービーバーにホワイトファングを売ってくれと頼むが断わられる

スミスはウイスキーを飲ませて、グレービーバーは酒に金を使い果たし
ウイスキーのためにホワイトファングを売ってしまう

ホワイトファングは3度逃亡するが、そのたびに連れ戻され、鎖でつながれる
マスチフと戦わせて賭けをして儲けるスミス

ホワイトファングは「けんかオオカミ」として有名になり
檻に入れられ、見世物にされた

ティム・キーナンのブルドッグと戦う
ブルドッグは一度食いついたら放さない

犬ぞりで来たスコットが闘犬を止め、スミスを殴り倒し
マットと一緒に2匹をやっとのことで引き離し
150ドルでスミスから買う

スコットは腕利きの鉱山技師
怪我が治ったホワイトファングはマットの足に噛みつく

スコット:殺してやったほうが慈悲というものだ
マット:人間に慣れるチャンスを与えましょう

スコットも手を噛まれるが、忍耐強く愛情をかけると
ホワイトファングは人間を信用することを覚え
心の中の虚ろが満たされる気分になる

ホワイトファングはついにスコットを愛するようになる
スコットが長いこといない間、エサを食べるのを止めて病気になる
スコットが戻ると元気を取り戻す

スミスが夜中にホワイトファングを取り戻しに侵入して襲われる



■第五部 飼いならされて
スコットは仕事が終わり、カリフォルニアの家に帰ることになった
ホワイトファングはまた別れを予感して遠吠えする

スコットが汽船に乗ると、窓を破って傷だらけになったホワイトファングがいて
一緒に連れて帰る

父のスコット判事、母、2人の妹、妻と2人の子どもにも徐々に慣れるが
めすのコリー犬はいつまでもホワイトファングを敵対視する

屋敷で飼っているニワトリを全滅させたり、馬番の腕に噛みついたりするたびに
スコットが言いきかせると、新しいルールに慣れ
ぎこちなく笑うことも覚える

スコットが落馬して足の骨を折った時、ホワイトファングに家に戻るよう命令し
家族を呼んできたお陰で助かる



囚人ジム・ホールが脱獄
彼は無実だったが、警察がニセの証拠をつくったため
スコット判事は知らずに有罪判決を下し、恨みを買った

スコットの妻はホワイトファングを玄関ホールで眠らせていると
夜中にホールが侵入し、ホワイトファングにノドを噛みきられた

ホワイトファングもピストルで3発撃たれて重体
外科手術を受けて、家族同様に看護され、オオカミの力により奇跡的に助かった

屋敷に帰ると、ホワイトファングとコリーの間の子犬が産まれていた




解説 夢枕獏

ジャック・ロンドン
1876年 占星術師の私生児としてアメリカで生まれた
後に母がジョン・ロンドンと結婚した
様々な職業を転々とし、『荒野の呼び声』を書いた
本書はその3年後に出版

動物生態学的に、このようなことはないであろうというか所もいくつかあるが
必要以上の擬人化をせずに描いている

インディアンがかなり乱暴に犬を扱うのを見たことがある
チベットでも棒で思いきり殴るのを見た

ボーキュパイン川、ユーコン川も実在

アラスカやカナダのインディアンの多くはアルコールで酔っぱらいドラッグをやっていた
(星野道夫さんの著書にも書いてあったな・・・


















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