メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『奇子』(上下巻)手塚治虫 大都社

2021-02-23 14:56:15 | マンガ&アニメ
「マンガ感想メモリスト1」カテゴリー内「手塚治虫」に追加します






以前、ヴィレッジヴァンガードで見かけて目を惹き気になっていた
メルカリで見つけて安値で購入v

戦後日本の混乱期を大地主の天外一族とともに描いていく大作
『犬神家の一族』的な閉鎖的でドロドロな人間関係
映画『蔵の中』(1981)的、薄幸な美少女と異母兄妹の愛情のもつれ

この物語の後、奇子がどんな人生を歩んだか気になる
手塚さんはぜひ続編を書きたいと冒頭に書いているが
調べてもそうした作品を書いたかは分からなかった


大都社から出たソフトカバーの本書も相当な値打ちものだそう


この作品の前に『きりひと讃歌』(小学館)を書いたとか
この後に「MW」(むう)を書いたとか
手塚さんの無限の才能に改めて脱帽する


ブログ抜粋:
連載版だとハッピーエンドみたいな結末になってます
手塚治虫はハッピーエンド的な結末になったのが納得しなかったらしく
単行本化する際に結末を変えたそうです
因みに雑誌連載版は復刊ドットコムから「奇子 オリジナル版」(全2巻)で刊行されてます
手塚治虫の隠れた傑作中の傑作で、一部に熱狂的なファンがいる



【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意

「戦前と戦後の葛藤を」手塚治虫
本書は1年半にわたりビッグコミックに連載
もっと長編の予定だったが、やむを得ない事情でプロローグに終わった

ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」のような構想だった
戦後思想が混入し、混乱と葛藤の中、日本人のバイタリティーを描きたいと思った

最後の1章は描き直した
またタイトルを変えてどこかに発表したいと思う

アヤコと読ませるのは無理ではないかという忠告もあったが
小西編集長がこだわったのは、奥様の名前ということで恐縮した



【登場人物】(作中のジロウによる描写
天外作右衛門 52歳 大地主 天外一族を率いる 傲慢 淫乱
ゐば 51歳 典型的な滅私奉公型貞妻
長男 天外市朗 27歳 打算的で日和見主義者
長男の妻 すえ 23歳 無口でかなり虚無的な悲しさの漂う女
次男 仁朗 戦時中にGHQのスパイをしていた
長女 志子(なおこ)18歳 平凡な明るい性格でだれにも好かれるタイプ
三男 伺朗 12歳 一家ではいちばんしっかり者で理論家
奇子 4歳 義姉に生きうつしの容ぼう 作右衛門がすえとの間に作った子
お涼 白痴の女


■第1章 帰郷
昭和24年1月 横浜港
ジロウが戦地から戻り、母とナオコが迎える
末娘のアヤコは母の子ではないと聞いて憤るジロウ

この頃の日本の看板は英語だったんだな
SHIMBASHIとかGINZAとか





ジロウはGHQに寄り、片目の中から秘密の手紙を出して渡す

大地主の実家に戻ると
父:なぜ御国のために死ななんだ てめえにやる田畑などねえ! と責める

アヤコが父と長男・イチロウの妻すえとの間の子と分かり愕然とする
イチロウはアヤコを虐待し、父は誰よりアヤコを可愛がっている






■第2章 祝殿
祝殿(いわいでん)は農地にある祠 氏神の原形とも言われる





イチロウに呼ばれて、終戦の年、政府の「農地改正法」により
5町以上持つ地主は百姓に解放するよう命じられ
「特別借地法」により貸付地を1町しか持ってはいけないと言われ
天外家の台所事情が苦しいことを伝える

(私の母の実家も広い農地を持っていたが
 周りの田畑も全部買い占められたと聞いたことがある

イチロウはジロウに遺産の分配がない代わりに
仕事を見つけてやると言うが断る

土蔵の影で父がスエをレイプしているのを見てしまうジロウ
イチロウは田畑をもらう条件で妻をさし出したと知る


■第3章 加東という男
スエは首吊り自殺を図る

ナオコ:
いつまでも女の弱い時代じゃない
人間として権利があるわ 戦うのよ!


シロウは極東裁判ごっこをして
ジロウはスパイにされて激怒する

手紙で呼び出され「アメリカ映画はお好きですか?」という暗号を使う
キャノン少佐がボスだという河東という男に会う

1週間後、ある男を指定の場所に連れて行き
その後、その男の死体を線路に置いて轢死に見せかけるよう指示される

殺されるであろう男の素性が知りたくなり、後を尾けると
民進党のリーダー江野と分かり、ナオコは彼の仲間で恋人と知る





国鉄公社が10万人の首切りを発表した背後には
吉田政権が占領軍の傀儡で
アメリカのお膳立てだと話すナオコ

国鉄公社の初代総裁・霜川則之は
GHQのシャグノンに首切りを命じられて頭を抱える



■第4章 時の亀裂
駅に着いた江野はクルマに乗せられる





死体は江野に似ているが別人だと分かるジロウ
言われたとおりに線路に置き
雨の中、誰も気づかないまま死体は何度も轢かれてバラバラになる
(マンガなのにリアルで気分が悪くなった/汗

シャツに血がついていると気づき、慌てて洗っているところを
お涼とアヤコに見られ、自分が好きならこのことを言うなとお涼に約束させる

ジロウはシャツを畑に埋める

死体が発見され、乗り捨てられたクルマは淀山工場の江野のものと分かる
当日、黒メガネの男と一緒だった

コウノの死を知り、絶望するナオコを見て
恋人を死なせた責任を感じて泣くジロウ
ジロウ:真相を知ったら殺すがいい!

お涼が血のシャツのことを喋りそうなため
殴って脅かすと、祝殿から出てこなくなり周りが怪しむ



■第5章 轢死体
霜川は3万人超の人員整理を発表した後
三越に寄り、行方不明となる

事件担当の下田警部のもとに
綾瀬で霜川の轢死体が見つかったと通報を受ける
どこかで似たような事件があったと気づくが思い出せない

10年前からの恩師・田沼刑事から電話があり再会する



■第6章 烙印
田沼からナオコがアカのメンバーと聞かされて驚く父
アヤコはジロウのシャツに血がついていた話をして
いつのことか聞きだそうとするが泣きだしてしまう

「共謙!共謙!」
家族裁判が行われ
ナオコは縁を切られて家を出る

ジロウは練りに練ったウソを話す
あの晩、お涼に迫られて一夜を過ごして血がついた
警察が調べれば、一族の恥がバレるぞと脅す

シロウは血液鑑定すれば真相が分かると主張

ジロウはシャツに石油をかけて焼いていると

シロウ:
ここいらは山火事に敏感だ
黒い煙を見て、みんな集まり、ワケを聞くだろう
自分が誤魔化してやる とジロウを逃がす






「アメリカ映画はお好き?」と女から声をかけられてクルマに乗る
女だと気を緩ませて殺す計画を見抜くジロウ






■第7章 擬態
田沼は下田に淀山の事件と霜川事件が酷似していることを教える
予行練習のようなものだったと推理する
ジロウが怪しいが、一族でかばい合っている

ジロウはスパイの女をレイプして味方につける
女はお涼とアヤコは殺したほうがいいと言う

ジロウはお涼を殴り、池に沈める
アヤコも追うが逃げられる

その代わりイチロウによって、事件が落ち着くまで土蔵に閉じ込められる






■第8章 窖(あなぐら)
父は一族を集めてアヤコの戸籍を消して死んだことにすると決めるが
シロウとスエは反対

シロウはジロウが犯人だと言い、イチロウはジロウを逃がす
一族はアヤコが肺炎で急死したと田沼に話す

遺産を狙う叔父で医者の山崎も「臨終に立ち会った」とウソをつく



■第9章 証言
アヤコのもとに食事を運ぶスエ
スエを姉と疑わず「姉ちゃん」と呼ぶアヤコに涙する

アヤコをいつか出すという約束して、またスエをレイプする父

木に縛りつけられたシロウは
顔が異様に変わったコウノの身代わりに出会う
崖を逃げる途中で滑落する

シロウは血のついたシャツを沼田のもとに持っていくが
鑑定すると鶏の血と分かる→イチロウがすり替えた
だが犯人はジロウだと言い切る

コウノの身代わりは死ぬ間際に沼田を呼び
自分はコウノの替え玉だと明かす

命令したボスの顔は分からないが
コウノの死体を運んだのはジロウだと証言
急いで署名をさせようとするが息絶える

沼田はジロウの逮捕状を出す



■第10章 生ける屍
土蔵はアヤコが暮らせるように村の者が改造する
天井の窓だけが外界との接点となる

国鉄三鷹駅で無人電車が暴走して死者10名を出す
犯行は共産党員とされ、多くの東芝労組員らが検挙された
これを機に政府の左翼への弾圧は厳しくなる

(私の祖父は国鉄に勤めていたな 妙な偶然が重なる・・・

正月くらいはアヤコを外に連れ出すと約束した父は卒中で倒れて
その後、何年も植物状態となる

イチロウは母が父から預かった遺書を持っていると聞く
それはアヤコが15歳になったらみんなに見せる約束



■第11章 動乱の翳(かげ)
スパイの女はマツコという名で米軍のブレーバー大尉の恋人となる
家を出て逃げたジロウは1年もコソコソと
女のヒモ生活をしているのが耐えられなくなる

金城という男が来て、金もパスポートも用意するから
あるアメリカ人を時限爆弾で殺してくれと交換条件を出す





大尉はマチコにプロポーズする
女が小銃で自分を殺すつもりだと知り
時限爆弾で吹き飛ばしてしまうジロウ

金城からもらった50万円の大金はアヤコに送る
本人が受け取れない場合は、母のイバが受け取るようにする

朝鮮半島で戦争が起きる

アヤコは蔵の壁を掘って逃げようとたくらむが
コンクリートで固められていて絶望する
シロウから本当の母親はスエだと告げられる

土蔵で7年も生きているアヤコを医者の立場から興味を持つ叔父

アヤコは初潮を迎えて驚き、死ぬのだと恐れる



■第12章 さなぎ
昭和31年 銀座
朝鮮戦争の特需により暴力団「桜辰会」の会長までのし上がったジロウは
祐天寺富男と偽名を名乗っているが天外だと言い張る下田
田沼ががんで余命1か月となり執念を引き継いだと話す

青少年の行動は歪んだ戦後教育で社会問題を繰り返し
米軍基地周辺では退廃的な事件が起こり続けた

シロウが運んだ雑誌で男女の恋を知り、興味津々のアヤコ
スエを「かあちゃん」と呼んで驚かせる

アヤコから「一度だけでいいから抱いて」とせがまれて断れないシロウ





その後も通い続けていることがイチロウにバレて殴られる

シロウ:
オレは天外の過去帳を調べたら、まるで汚物溜まりだ
兄妹、姉弟、夫婦、いとこらが犬か猫みたいに混ざり合って
子を作り、その子同士が混ざり合い

小作人や他人の女にも子を生ませ
その都度、金と権力でもみ消していた

お涼もおやじが吾作の女房の間に作った子だ
11年も地虫の蛹みたいだったアヤコに
せめて生きてることを味わわせてやるんだ



■第13章 人形の家
アヤコは15歳の誕生日を迎える

植物状態の父と一族の前で遺書を読むイチロウ
遺書には「遺産の8割をアヤコの生みの親に譲る」とあり狼狽する

事情を知らない親族は、妻イバに遺産を残すのは当然だと言うが
イチロウは自分が家督を継いで遺産をもらう約束だったと訴える

女房のものは亭主のものと
スエに証文を書き換えるよう命令するが断り
離縁状を渡して家を出て行くという
スエの首を絞めて殺してしまうイチロウ

みんなには自分に遺産を残すと言って急に家を出て行ったとウソをつくが
毎晩、悪夢にうなされ、酒に溺れるようになる

アヤコが生きているのを知っているのは叔父の山崎だけ



■第14章 泥流
昭和36年
山崎はまだアヤコに会いたいという未練があり
イチロウに黙って土蔵を開ける





すっかり成熟したアヤコを襲おうとしてシロウが助ける
一緒にここを出ようと連れ出そうとすると
12年間も暮らしていたために
恐怖のあまり外に出られなくなっていた

シロウ:
オレはこの家が垂れ流した汚物を全部おっかぶって飲みこんでた
オレはアヤコを犯し続ける 結婚してもかまわん
裁くのはオレじゃねえ

父が死ぬ

葬儀にはナオコも来る
アヤコがまだ蔵で生きていると知り
行くと上げ蓋に釘が打ってあり驚く

天窓から声をかけるとシロウが来る
ケダモノが襲わないよう、今は自分だけが食べ物を渡している状態だと話す
シロウ:ガラス越しに鑑賞するだけだ 温室の鉢植えのように

イチロウはまたナオコを追い出す
イチロウ:今度はおやじのヒモつきでない嫁を探す



■第15章 光陰
家督を継ぎ、再婚するイチロウ

アヤコはなんの損傷もなく
幼さとひよわさの中に、人形のように清潔をもって育つ


昭和46年
国道323号がちょうどスエを埋めた所を通ると言われて断固反対するイチロウ

坪2800円出すと言う役所の人間を追い返すと
今度はアヤコのいる土蔵の土地を売れと言われ
強制執行もやむを得ないと脅される


昭和47年
県知事の承認で「土地収用法」にのっとりトラックが来る
シロウは長持ちの中にアヤコを入れて持ち出し、蔵は取り壊される

(今、私の実家はオリンピック道路にされそうになっているが
 父が反対し続けても、結局、強制的に撤去となるのだろうか?





外に出そうとすると絶叫して拒む
それを見た母はアヤコの貯金通帳を見せる
ジロウが大金を送り続けていて、それを全部貯めていた
祐天寺富夫と書かれた封筒に住所もある

アヤコはスエの着物を着て、トラックに乗り、町を出る

山崎はスエの通帳や印鑑を見つけてイチロウを問い詰める
スエを殺したのがイチロウと分かり、母は頬をぶつ



■第16章 桜辰会
アヤコはジロウを訪ねるが箱から出て来ない
アヤコが閉じ込められたのは自分のせいだと
保護者となって、お手伝いに世話を頼むトミオ

金城は政治屋に献金するのはもう止めたほうがいいと忠告
銀杏会の圧力を押さえるため、政治屋の柳田の力が必要だと言うトミオ

銀杏会の森伝会長と互いに譲歩しようと言っている最中
若い連中が銀杏会の中堅幹部を1人殺す事件を起こす

下田警部が担当
キャノン機関で政治的暗殺グループに加担していた天外の過去を調べて
会長殺しのチンピラの引き渡しを求めるが
トミオは自殺したと言って撃ち殺す

沼田は臨終の床でジロウをいつか逮捕してくれと下田に託した

シロウはアヤコを探してトミオを訪ねるが追い出されて姉を訪ねる

姉:
あの人の復讐を絶対に忘れない
世の中がどんなに変わっても怨念は絶対に消えねえから
あの人を殺したのはアメリカのやつらだよ!



アヤコは近所の子どもと遊び、また遊ぶ約束に1万円を渡して驚く親






下田の息子で検察庁勤めの波奈夫と出会う





トミオは1人で銀杏会に来る
片目に爆弾を仕掛けていて、爆発すればもろとも吹き飛ぶと脅す





会長に国土改造開発庁の井登畑を紹介する
橋の建設計画を頼まれ、30億の利益と聞くと納得する会長

トミオ:長官の政治生命はわずかだと知らずに 政界オンチはとろいもんよ



■第17章 合歓(ねむ)の花
ハナオはアヤコから数奇な人生の話を聞いて驚く
アヤコ:私、大人の女になりたいわ あなたが好きだから
とあっさり体を預けるアヤコ

アヤコはトミオも好きだと裸で迫るが拒まれて箱に入って泣く
トミオ:お前の狂った常識をもとに戻すのがオレのせめてもの償いだ

ハナオは父に母との馴れ初めを聞く
母が警視庁に入るのを嫌がるのは
昔、日本軍を誹謗して思想犯としてぶちこまれたことがあるから
その時力づけたのが沼田で、下田に引きあわせ、ひとめぼれで結婚

トミオはアヤコを町見物に連れ出す

トミオ:
汚い空 臭い空気だ
この中に1000万人が押し合いへし合い住んでいる
何分かに1人死んでいく
人が人並みに扱われない
それでいて結構満足しているバカ者の町へなぜ来たんだ



マンションの部屋に入れて
対人療法の暗示をかけて土蔵の記憶を消そうとして失敗する

ハナオはアヤコを暴力団の会長の家に置いておくわけにはいかないと食いつく

(ここでふと思ったけど、ジロウの役を
 私の大好きな森雅之さんが演ったらさぞ似合うだろうなと思った
 絵が似ているし!





トミオ:俺を保護者と認めるなら1年アヤコを君に預けてやろう

トミオが用意した立派な別宅で暮らし始める2人
トミオはアヤコを愛していることに気づいて苦悶する

部屋で全裸でいるアヤコを見て
ハナオがいない隙に襲いかかる下っ端

そこに下田が来て追い払う
淀川事件のことをアヤコに思い出させようとして
トミオはアヤコの兄ジロウだと教える

ハナオ:せめて彼女を一人前の女性に戻すまで待ってくれ

トミオも来て、クルマの中で話す

下田:
会津につぶら堂という塔がある
カタツムリのようにねじ曲がり、中に入りのぼると出口に出てしまう
警察内では事件の核心に触れようとしてふり出しに戻ることをつぶら堂と言う

クルマを停めた所で機関銃を撃ちこまれ
下田はかすり傷で済むが、トミオは重体となる

1973年 銀杏会と桜辰会は一般市民を巻き込む血で血を洗う抗争となる

(本文にも「仁義なき戦い」とあるけど、すっかりVシネの世界!

警察に捕まったのは、アヤコを襲おうとしていたチンピラ
自白する前に首を吊るが、Kに頼まれたと住所を書き遺す

そこには死後2週間ほど経った死体があった
その写真を見せられたトミオは、河東だと思い出し
当時の事件関係者が1人ずつ殺されていると分かる




■第18章 人間回路
トミオ:つくづくこんな暮らしが嫌になった けじめをつけようと思う と金城に話す

柳田に1億渡して、戦後運輸省鉄道総局のことを聞き出す
霜川を通じてGHQのウィロビー少佐とも親しかった柳田

二重帳簿を公にすると脅すと
少佐は民政局と反目し、米国防省の指令を受けて破壊工作を続けていた

ウィロビーの下で働いていたのはフレッド・キノシタ中尉と金城だったと話す

トミオ:
オレが20何年か追われることになった名が分かった
そいつは加東を殺し、オレも狙った
殺す算段をしたのはお前だ!

金城の金庫から殺す人間の名前のメモを見つけた
銃で脅すとビルから飛び降りてクルマに轢かれる金城

トミオは全国指名手配される
新聞を見て、ジロウだと知り驚くナオコ

数日後、ジロウは淀山に帰ると母に見つかる
これ以上関わりたくないと山崎にすがるイチロウ

山崎:奥ノ沢に炭の貯蔵穴がある 外からは分からない

ナオコはコウノの墓参りに来るとジロウも来る




■第19章 暗黒
兄だと明かし、コウノを線路に置いたことを話す

ジロウ:
オレははじめ、左翼弾圧のためのアメリカの手段かと思っていた
だがGHQの参謀本部と民政局の仲が悪い

ベトナムからアメリカ軍がひきあげ
時を同じくして組織は解体した
その始末をつけるのだろう
オレはアヤコを連れてアメリカに行く

ナオコは恨みを晴らすため、ジロウの首を刺した後、山崎を呼ぶ
一緒にいたイチロウ、シロウ、途中で会ったアヤコ、ハナオも一緒に来る

穴の中で手当てを受けているジロウ

話を聞いて、親族が犯人をかくまっても罪にはならないと言うハナオ(そうなんだ/驚

シロウ:叔父が狙っているのはジロウ兄貴の金だ

ジロウはお涼を殺したのも自分だと明かす
シロウはイチロウがスエを殺したことも明かす

山崎はアヤコが週刊誌などに話したらおしまいだと言い
ジロウはアヤコを連れていくと言い
シロウはダイナマイトを吹き飛ばし、土の下敷きになって死ぬ

土穴に閉じ込められ、食料もなくパニックとなる中
ずっと土蔵で暮らしたアヤコだけが平気で笑う

ハナオ:アヤコは復讐してるんだ

山崎はアヤコを刺そうとしてジロウに殺される

アヤコは母がよく歌ってくれた子守唄を歌い
それを聞いてスエの亡霊を見たとイチロウは気が狂う

その後、偶然により全員発見されたが
アヤコを除いて全員死亡

最後にとっておいた空気穴がすぐ外に通じていたって皮肉





アヤコは姿を消す

母:
もうええ 勝手にさせといてやってけれ
おたがい年をとって時代が変わりのしたなす

今の若いもんはわしらと違う
それでええのかもしれんのす
天外の家はわしさえ達者なら潰しはしねだ






最後の最後に母親が残るって、女性の強さが分かるラスト

あくまで天外家をストーリーの中心に置いているけれども
アメリカの工作は都市伝説に通じるものがある

明治維新の歴史も怪しいのに
ついこないだの戦後の混乱期に何があったかも
私たちはもしかして重大な真実を何も知らされていないのかもしれない





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