今朝の毎日新聞の余録欄で「『北窓塞ぐ』は冬支度をいう季語である」と紹介していた。
初めて聞く言葉だったが、子供の頃、母の実家の祖父が杭で骨組した斜面を藁束で覆い、家の北側全面を
「冬囲い」をしていたことを懐かしく思い出した。
当時の暖房器具は煮炊きする囲炉裏兼用の炬燵だけだったが、竈や囲炉裏から出る煙の抜け口が茅葺き
屋根には付いていた。
そのため温かい空気はそこから外に出てしまうので家の中の空気は冷たく、暖かいのは「炬燵の中だけ」
だった。
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(東の山の新しい畑から見た冬景色)
「冬囲い」をすると家の中が昼でも暗くなってしまうが、それでも「隙間風に震えるよりはマシ」とするのが
当時の「生活の知恵」だった。
「北窓塞ぐ」を読んで、60年間全く忘れてしまっていた記憶が蘇った。