物置や農業機械の車庫として利用している倉庫が二つある。
いずれも老朽化が激しく、壁が崩れ落ちたり壊れたりしていた。
更には、昔風の作りのため屋根の庇が低いため、トラクターやコンバインのような高さのある機械は
入ることが出来なかった。
そんなことから、この春に建物全体のかさ上げと併せて修復工事をすることになり、その前に倉庫の
中を空にする必要が出て来た。
その最初の作業が藁の搬出だった。
3.11の震災以前に牛の餌用に備蓄したものだったが、使われないまま眠っていた。
堆肥置き場に積み重ねたら山となってしまったが、いずれ雪や雨に打たれて沈んでいくものと思われる。
その倉庫の屋根に「二月の陽光」を浴びた雀たちが、気持ち良さそうに止まっていた。
雀たちにとっては既に春が始まっているのかもしれない。
