仙台の運送会社社長のOさんから、三年連続で今年も「週刊ダイヤモンド」が送られて来た。
田舎町で暮らしていると気づくことがない「日本農業の行く末」を知る絶好のチャンスとなっている。

また、東京のSさんからは「里山資本主義」を読んだ感想がメールで送られて来た。
少し長文だが、その力作を本ブログでも紹介し「保存」することにした。
「里山資本主義に思う」
藻谷浩介氏の本早速読ませて戴きました。
例によって図書は図書館で借りて読むと決めていますので、地元の図書館に予約しました。
人気のある本(芥川賞受賞作等)は、順番が回ってくるのに一年もかかる場合があります。「コンビニ人間」は
11か月かかってようやく借りることができました。実にウスッペラで買わなくて良かったと思える内容でした。
「里山資本主義」は、在庫も多く直ぐに借りることができたのは、地元の図書館も良い本はちゃんと揃えているなと
嬉しかったです。
「里山資本主義」の内容は納得です。これからのエネルギー事情を思えば、なんで政治家が動かないのかと怒りたく
なります。
事例として挙がっている中国山地に近い島根県に妹が夫の遺産の山林を管理しています。早速、本書を紹介したところ、
大変興味深く読んだとのことです。
50年程前になりますが周防大島も友人宅で3日間過ごしたことがあります。気候は温暖で素人の私でも釣果が素晴らしく
自分で釣った魚で酒宴というめったにない体験をしました。友人が隣家から借りてきたモーターボートで沿岸を飛ばした
のも最初で最後の良い体験でした。
オーストリアの事例も紹介されていましたね。海外は何回か行っていますが、オーストリアはとても好きな国です。
ウィーンには4回行っていますが、裏切られたことはありません。この国に行くといつでの癒される気がしますが、音楽や
絵画といった芸術のためかと思っていましたが、木材を環境に配慮しながらエネルギー源として活用しているのが底流に
あるのかと勝手に納得しています。
藻谷理論に感心しながら、これまでに縁のあった地域の登場により身近に感じられました。
「里山資本主義」で地方は復活すると思います。
しかしながら、これらの地方創生、地方復活の主張の際、「ムラシャカイ」という地元民以外を寄せ付けない慣習の存在に
ついては触れていません。
おそらく、古来から連綿と続いてきた「ムラシャカイ」は、簡単には消滅しないと思います。
それであれば、この「ムラシャカイ」をうまく活用した地方活性策はないものでしょうか。
「ムラシャカイ」の中にあって、「ムラシャカイ」の抵抗勢力の貴兄の考えを伺ってみたいものです。
◎「マチモノ」
私は70年前頃、6年間、東京都下南多摩郡というところに疎開の延長で住んでいました。その地は、現在では、ニュータウン
とか言われて住宅地として開発されていますが、当時は、田園風景豊かな地で、JRの駅までは徒歩60分、バスは一日3本程度と
NHKの連ドラ「ひよっこ」の舞台になったようなところでした。
ここで小学校に入学したのですが、土地っ子でないのは、私一人でした。学校は、分教場で教室は、カイコを飼っていた建物、
先生不足で1年生から3年生までが同じ教室というおおらかなところでした。
入学式の記念撮影では、私一人洋服(母があり合わせの布で作った簡素なもの)で後は全員が、絣のような着物姿でした。
この小学校のクラス会に50年振りに案内が来て出席してみました。私が覚えている顔は皆無でした。しかし、同級生は殆どが
私のことを覚えていました。
ここで初めて、私は、「マチモノ」と呼ばれで、“別扱い”になっていたことを知りました。学校では取り立てて仲の良い友達も
居なかったのですが、いじめにも遭いませんでした。
これはやはり“別扱い”だったのでしょうか。このクラス会には何の感慨も沸きませんでしたし、翌年は参加しましたが、その後
出席もしていません。
地元振興策を考える前に、閉鎖的な「むら体質」を考え直さないと人口増には結びつかないと思います。折角、Iターンまでして
移り住んだのに「まちもの」扱いで居心地が悪いのでは、子育てどころか、移住そのものが定着しません。移住者をお客様扱い
する必要は全くありません。普通に接して貰えれば良いだけですが、排他的慣習は無くならどころか、本音では、移住者を嫌って
いるように見えます。
私は、東京という町に生まれました。両親も東京生まれなので、いわゆる故郷というものがありません。東京の住人はその大多数が
上京してきた人で、東京人は、その人達をよそ者扱いにはしません。
何故って、良いことをするのも悪いことをするのもその人達で、その人達が東京を背負っているからです。東京人は、自分では何も
せず、その人達の活躍におぶさって生きているからです。この考え方は私の極めて個人的な考え方で偏見に満ちているとは思います
が、核心をついている部分もあると思っています。
◎「キタリモノ」
東京の清瀬市は、東京でも特異(地元人と転入者の区別が著しい)ところだそうです。地元人と行政の癒着が酷いとの告発本が出版さ
れています。この本の中で、転入者は、「キタリモノ」と呼ばれて区別されているそうです。