霜後桃源記  

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福島原発の実情

2020-03-23 19:24:58 | 社会

原発は「危険極まりない」と思っているので、関連する新聞記事やTV報道には関心を
持っているつもりだ。
しかし、今朝の「風知草」を読んで愕然とした。

記載されているような事実を、国民は知っているのだろうか。
「政府や電力会社の不都合な事実は覆い隠されているのではないか」という不安から
全文を紹介することにした。


(シイタケとナメコの植菌、用意した原木は全部使い切った)

毎日新聞「風知草」 2020.3.23 コントロールについて=山田孝男

未知のウイルスも、原発メルトダウンも、制御するのは至難の業である。
6年半前、安倍晋三相は、「アンダーコントロール」(原発事故は制御されている)と訴え、
オリンピック・パラリンピック大会を東京へ導いた。
終わりが見えない事態をコントロールするには、制御できていない現実を直視する必要があろう。
     ◇
1月31日、有識者による政府の小委員会が、東京電力福島第1原発敷地内の、放射能汚染水の
処理法をめぐる見解を公表した。
放射性物質を除去し、海洋へ放出する――ことを推奨する内容で、沿岸の漁業関係者が反発した。
結局、漁業補償して海に流すのか――という連想が働くが、仮にそう決まるにせよ、1回流して
終わりという問題ではない。
福島第1では、溶けた核燃料に放水して冷やす作業が今も続いている。核燃料に触れた水から、
できるだけ放射性物質を除いた「処理水」が現在、敷地内の約1000基のタンクに110万トン
ある。
しかし、放射性物質のうちトリチウムは除去できない。トリチウムは放射線が微弱だから問題なし
―というのが海洋放出論の前提だが、それでも、流す以上は、法定排出基準に従って濃度を27分
の1まで下げなければならない。
しかも、大量の水を注いで薄め、少しずつ海へ流して数十年かかるという。放出せず、タンク内で
放射線量の低下を待つなら、規制値以下に収まるまで123年かかるそうだ。
トリチウム以外除去したはずの処理水をよく調べたら、全体の8割に他の放射性物質の残留があり、
ストロンチウムは排出基準濃度の2万倍超――という東電の発表もあった(2018年9月28日)。
「再処理する」と説明れたが、そんな経緯も既に忘れ去られている。

事故直後、政府・東電による<大本営発表>を疑った人々が注目したのは小出裕章・京都大原子炉
実験所助教(当時)だった。
原発事故の状況をめぐる発信が明快、的確であり、各地で開かれた講演会はどこも超満員の盛況だった。
15年に退職、信州へ移住し、いま70歳の小出が、近著「フクシマ事故と東京オリンピック」
(径(こみち)書房、昨年12月刊)で、事故炉のコントロールについて、こう言っている。

「燃料デブリ(残骸)を取り出し、30~40年で廃炉という政府・東電の計画は不可能。チェルノブイリ
のように石棺で覆い、それも数十年ごとに造り替え、半永久的に管理せねば」
なぜなら、高線量で人が近づけず、ロボットも放射線が強過ぎて故障し、現状把握さえできないから。
にもかかわらず、「そのうち、なんとかなる」という官民もたれ合いの無責任体制に陥っている――と
小出は見ている。
     ◇
汚染水を含め、原発事故はコントロールできていない。できたつもりで首相は五輪を誘致した。ベトナムや
ヨルダン、トルコ、英国への企業の原発輸出を支援した。が、輸出はすべて頓挫。五輪はウイルスに追い
詰められている。
汚染水はタンクに閉じ込めてある。廃炉計画は工程表に書いてある。だから制御可能――と錯覚しがちだが、
福島第1は手に負えないのが実情だろう。

コントロールできないものを、できると過信して進めば破局に至る。ウイルスまたしかり。
(敬称略)(特別編集委員)=毎週月曜日に掲載
コメント (2)
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