サラリーマンだった頃、シャベルを使って長芋掘りに挑戦したことがあった。
粘土質の畑を深く掘るには大汗と腰痛が伴ったが、30分かけて一本も掘り出すことが
出来なかった。
長芋は「作って食べるものではなく買って食べるもの」と痛感した苦い思い出がある。
しかし、バックホーが使えるようになってからは毎年作付けするようになった。
長芋作りはジイチャンの担当だったが、それを引き継いだ生産部長は多忙を理由に竹の支柱を
立てた以降は放置したまま生育管理はしていなかった。
「芋になっていないかも?」とのことだったので、最初は半信半疑でおざなりな掘り方
だった。
しかし、立派に生育していることに気付き途中から真剣になった。
予想を大きく上回る収穫物を見た生産部長は「これなら、今年も作りたい」と宣った。