父の怪我は、ことのほか軽くて良かった。
背骨のひびだけなので、入院中も元気で、愛想を振りまいていた。
リハビリの若いお姉さんに、動作が速すぎるので、ゆっくり動かしてくださいとたしなめられていたそうだ。
「あわてんぼう」と、自称していたが、屋根からの落下を含めて「粗忽者」という呼び名があることを、父に教えた。
父は肩を上下して笑いを抑えていた。
何より、母が大変だったのでほっとする。
母は、病院までの遠い道を自転車を持ってきた。
病院まで、タクシーか、誰かの車などできて、病院周辺で買い物をするときに自転車を使った。
80才に近くなったら、腰痛も苦しいので、自転車だと歩くより楽だとのこと。
幸い、父母には兄弟が近くにいるので、時々車で回ってもらえた。
ところが、退院が決まって、わたしが自転車を自宅まで持ち帰る話をしていたら、病院に置いてある自転車は、だれかにいたずらされて、チューブが抜かれたそうだ。
ひどいことをする人がいる。
年寄りが、自分の足代わりにしている自転車を。
せっかくの退院に残念な気持ち。
しかし、何はともあれ父の退院を喜びたい。
背骨のひびだけなので、入院中も元気で、愛想を振りまいていた。
リハビリの若いお姉さんに、動作が速すぎるので、ゆっくり動かしてくださいとたしなめられていたそうだ。
「あわてんぼう」と、自称していたが、屋根からの落下を含めて「粗忽者」という呼び名があることを、父に教えた。
父は肩を上下して笑いを抑えていた。
何より、母が大変だったのでほっとする。
母は、病院までの遠い道を自転車を持ってきた。
病院まで、タクシーか、誰かの車などできて、病院周辺で買い物をするときに自転車を使った。
80才に近くなったら、腰痛も苦しいので、自転車だと歩くより楽だとのこと。
幸い、父母には兄弟が近くにいるので、時々車で回ってもらえた。
ところが、退院が決まって、わたしが自転車を自宅まで持ち帰る話をしていたら、病院に置いてある自転車は、だれかにいたずらされて、チューブが抜かれたそうだ。
ひどいことをする人がいる。
年寄りが、自分の足代わりにしている自転車を。
せっかくの退院に残念な気持ち。
しかし、何はともあれ父の退院を喜びたい。