みんなが集まる日に合わせてひな人形を玄関に飾った。
何年経っても変わらない顔の美しさ。毎年変わるものと、変わらないもののことを考える。殿が亡くなっても、弓道を続け弓仲間に助けられることに感謝し、同級生の仲間に感謝し、家族に感謝し・・と、つながっていく。悲しい時に、悲しい。嬉しい時に、嬉しい。寂しい時に、寂しいと、言える相手がいることが、生きていく力になるのだと思う。
今まで夢にでてきた殿は病気のままで、わたしが「いい薬が出たので治るよ。」と、励ましている夢ばかり見ていた。法事が終わった夜、初めて元気な顔で、背広を着て笑っている夢を見た。やっと、ほっとした。あの世で病気が治ったというのもおかしな話だが、そういうことで、わたしが「安心したわ。」と、声をかけた。
法要の意味はそういうことなのかもしれない。僧侶に合わせて正信偈をkouと一緒に本を見ながらお経をあげていて、最後の「あなかしこ、あなかしこ」の、意味をkouに尋ねられたので「もったいない。っていう気持ちかね。」と、答えた。
お雛様は、一対でいるから安心する。
殿はいつも「吾、唯、足るを知る。」と、言っていたっけ。
ないものを数えず、あるものを数えましょう。今月の財布の中身は、見なかったことにしましょう。