晴れた日、南側にある居間の窓から見える山が美しく輝く。
ずっと東側にある白山に気をとられてじっくり眺めることがなかった。家から見える美しい雪山の名前も知らずにいた。
地図を見てもなかなか分かりづらい。大日山は分かったが、結局、詳しい人に訊いてみた。右が大日山。その山に重なっているのが小大日。
左が鈴ケ岳。
弓道の会議が金沢であった。一緒に行った高校の先輩が山へ登る人なので、先日、鞍掛山へ行った話をしたら、先輩は今度友達と富士写ケ岳へ登るという。それから「白山の次は富士山や。やっぱり日本一の山はいいぞ。」で、あった。
山はいいよねえ。山に登って眺める景色は、平地から見る山とは違うよね。というと、「そうや。弓道は優勝するのは一人やけど、山はみんなが優勝した気持ちになるんな。」と、言う。
「先輩、うまいこと言うねえ。」ほんとにそう思う。だから、みんな登るのだ。賞品は、見渡す限りの感動の景色。
最近思うのだが、山の話をすると、必ず知った人の話が出てくる。山に囲まれて育った地にいると、たいがいの人は白山や近場の山に登っているのだ。
母に登山の話をしたら、さらっと言われた。「山は、普段よりゆっくり、ゆっくり登らんといかんのや。」と。そうだ、母も山に育った人だ。小さい頃から山に登ってゼンマイを採りに行っていたのだ。道迷いをしないように、熊に遭わないようにという知恵では、わたしよりずっとベテランである。