TVの「自然百景」でオジロワシが執拗にカモメを追いかけ、遂に捕まえて食べ始めたのを観た。そこに、10羽ほどのカラスが、分け前にありつこうと寄って来てくちばしを出す。
カラスは図々しい。しかし、オジロワシはカモメを食べるのに、なぜカラスを食べないのだろう。カラスの方が多いではないか。いや、人間も鶏は食べるが、カラスは食べない。
先日、TVで公園の水道をひねって水を飲むカラスが紹介されていた。絞るとか、ひねるという行為は人間だけだと聞いたことがある。このカラスは水を飲んだり水浴びをしたりする為に蛇口の調整もするのだ。天才カラスのような頭のいい動物は食べたくない。そして、黒いのはまずそうだから食べたくない。
人間も、「食えないやつ」という例えがある。「煮ても焼いても食えない」と、いう。あいつは金魚だ。煮ても焼いても食えないというのは可愛いが、カラスは煮たり焼いたりしたくないではないか。食えないというのは、困ったさんをいうのだろう。
会社で課長が熱が入り過ぎて、反対意見に食ってかかったり、今はその話をしていないと横道にそれた話を一刀両断で切り捨てたり、人の悪口が出てきたりしたらおしまいだ。食えない会議となる。話がややこしくなることや、会議で脱線したりすることも会議なので、意見を戦わせることも大事だ。賛成意見だけなら会議をしなくていいわけだから、それは実のある会議となる。しかし、会議を制限時間内に終わらせなくてはならないのが一番難しい。報告だけなら会議はいらないのだし、意見を言い合えば時間が足らない。自分の主張をした後、取り下げた方の気持ちをきちんと汲んでいなかったことを後悔したりすることもある。
自分が食えないやつにならないように気を付けなくてはならないと思うが、それこそ、誰も食いたくなかろうし。鳥なら自分は何になるのだろうと思った。白鳥や鴨は長い旅をしなくてはならないし大変そうだ。雀くらいが丁度いいのだろうが、鳥になってまでもうるさいと言われるのも辛い。やはり、人間でいることは幸せである。