まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

木彫りのにわとり

2020-07-28 | 暮らし
木というのは温かい感じがする。
一刀一刀、彫刻刀の跡に爺さんの思いがこもっている。
殆どは、絵具とニスで仕上げてあるが、いくつか同じものをつくってある鶏に素彫りの物があった。
並べてみると、色を塗りたくなった。
赤い鶏冠は爺さんの鶏の風格に及ばない。

爺さんの鶏は渋い光沢を放っている。そうだ!ラッカーを塗ってみよう。


少し汚れた感じになってしまった。金色の絵の具は爺さんが買ったもの。
茶色の着色ニスなるものを買ってきた。
お陰で、楽しいひと時を過ごした。


生前、絵具やニスを買いに、量販店へ爺さんを連れて行って、一緒にラッカーなどを選んだりするのが楽しかった。
爺さんは杖をついていて、歩くのが難しいのだが、絵具を選ぶと自分でレジに向かう。目を離したすきに、多数のお客さんを抜かして、レジの一番前に行き、絵具などをどんと置いた。あっという間の出来事で、レジの人も抜かされたお客さんも、あまり堂々としているので止めるすきもなく、やっと歩く小さな爺さんに怒ることもできなかったようだ。

それにしても、少しずつ汚れを取って、色を塗ったりしていると愛着がわいてくる。

ついでに、車庫の壁に飾ってあった面を綺麗にした。
ツバメの巣が車庫にあるので、それはそれは面の裏は糞まみれだった。
思い切って洗って歯ブラシで掻き出した。
顔面の白い糞も取り払った。何年ぶりに奇麗になって、顔が穏やかに見える。