弓道のアニメ番組「ツルネ」が、最終回を迎えて優勝をすることで終わった。マサさんも湊君もカッコいい。しかし、現実に中るシーンはもっとカッコいいのである。
そして、それは瞬間のシーンとして終わってしまう。テニスやサッカーとか他のスポーツと違って、何回も巻き戻してその感動を繰り返すことはできない。
その場の空気とその時の瞬間は味わえないのである。皆中をして心の中でガッツポーズをしても、観客席の拍手を道場の中に置き去りにして、とっとと退場するのである。
昨年の、福井国体で的前審判をしたとき、近的決勝で男女共チームの全員が皆中したときに鳥肌が立った。
落ちが最後の1本を入れた瞬間、叫びのような「しゃ!!!」と拍手。これをドラマにしたら、あまりに出来過ぎで面白くないだろうが、実際全部中ったのだから、事実は小説より・・である。
それにしても、テニスとかの点数の取り方が分からない。0をラブといったり、15,30の次は45かと思ったら40と言うし。その点、弓道は分かりやすい。〇か×なので、的前審判など寝ていても良さそうなものだが、これがまた見にくい。安土と的の境目が分かりづらい。何と言っても「霞的」と、言うように、外側が黒くなっているので、安土の土の色の黒っぽいのと羽根の黒っぽいのは同化するのである。わたしはこの日の為に眼鏡を新調した。幸い福井国体の敦賀の会場の安土は明るい土で見易かった。それでも、的枠に叩くと分かりにくいのである。おまけに、確信を持つための中たりの音が応援の声でかき消される。
「しゃーー!!!」と、力の限りの声が、的前審判の後頭部に叩きつけられるのだ。本人は「よっしゃ!」と、言っているのだろうが、「いゃっしゃ!!!」と、男の大声かつダミ声というものは小百合のか細い身体を叩き潰すほどである。的に入って紙を破った音か、単に的枠に叩いたのか聞こえない。わたしは血圧が低く、心臓も悪くないので持ちこたえたが、そうでない人には大変な声の暴力である。しかし、それを訴える時間はない。矢は次々と飛んでくるのである。いつの間にか、声に反応して〇を出している感がするが、それは殆ど正しい。そして、観客も矢が的に着く前は息を飲んで静かにしている。その後、外れれば静かなのだ。当然ながら中たるから叫ぶ。
バウンドして中っても外れだし、よく見ていなくてはならない。それでも、矢は単調に飛んでくるので、スケートの判定をするような華麗な動きもないので、集中力がだんだんと失われていく。主審は「あたり」と、言ったり「まる」と、言ったり疲れが言葉に反映するのが分かる。
しかし、近的はまだいい。遠的は大変だ。〇と×ではなく点数なので、空が暗くなると、途端に矢所が分かりにくくなる。明るければ明るいで、矢が突き刺さった影が出来て分かりにくい。わたしを遠的の審判に採用しなかったことは賢明である。
話は元に戻るが、なぜ「ツルネ」が、日曜の真夜中に放映されたのか。週の始めの真夜中などは、誰も観ないだろう。それでも、みんな録画して観ていたようなので、それはそれで良いのかもしれないが、弓道を月9のドラマに入れて欲しいものだ。
アニメだからか弓道だからかは不明
つられて自分も見てます
将来やってくれると楽しいのですが
いいですね。
将来してくださるなら待っています。でも、あと何年でしょう。
なんとか、わたしの現役のうちに来てくださいますよう。