2020年の作品、タイトルはヒンディー語で「僕のプリート」。
インドでは軍人は国のために戦うヒーローであるため、
軍人を描く作品や戦争映画の場合にはインド国旗が掲揚させる事がある。
これも「Royal Stag Barrel Select Large Short Films」。
<ストーリー>
パンジャーブ語の挨拶から舞台がパンジャーブ州である事が判る。
農道を自転車で走る郵便配達員が母子に手紙を届ける。
インドの田舎のシステムなのかもしれないが、
郵便が配達されると受取人が料金を払っているようだ。
確かに、小包などは郵便局から電話が来て自分で取りに行く。
母親プリートが息子バンテーに手紙を読ませる。
「メーリー・プリート(僕のプリート)へ。僕は元気だ。
・・・・・・・・。・・・・・・・。」
父親はインド陸軍の将校であり赴任地で手紙を書いてる。
「・・・・君のアマルより。」
手紙が終わるとプリートは涙ぐみ、息子に小遣いを渡す。
こんなシーンが何度か繰り返される。
ある日、プリートの留守中に手紙が届くが、
郵便配達夫の様子がいつもと違う。
息子はその手紙が父親の訃報である事を知り、
一旦は通知を隠すが、自分で飲み込んでしまう。
そしていつも父親が言っていた事を思い出す。
息子は母親を悲しませないために自分で手紙を書き投函する。
郵便配達夫が手紙を届けにくるが、息子はそれを察知し、
家から出かけてしまう。郵便配達夫は事情を知っているため、
料金を受け取らない。息子がいないためプリートは郵便配達夫に
手紙を読んでくれるよう依頼する。
「メーリー・プリート。・・・・・・・。」
息子はその様子を見て家から離れた場所で涙にくれる。
この映画からプリートは字が読めないのかな?と思った。
年齢的に30代と思われるのだが、田舎では今でも字が読めない
人がかなりいるのかもしれない。昔、ラジャスタン州のある街で、
日本語の歌を歌っている男性にヒンディー語で歌詞を書いてあげたら、
「俺は字が読めないんだ。」と言われた事があった。
プリートが字が読めないとすると息子が読む事は解っているはずで、
僕のプリートとか君のアマルなんて書くのかなぁ?
夫が殉職した事は近い将来に判るであろうが、息子の優しさが、
仇になってしまうような気がしてしまった。
あと映画で良く見かけるのだが、インド人は書類とかを、
飲み込んでしまう事があるようだ。実際には見た事はないけれど。