2019年の作品、タイトルは「姉妹」。
シータル・メノンが監督、脚本、主演(妹ディヤ役)している。
これも「Royal Stag Barrel Select Large Short Films」。
<ストーリー>
ろうそくに火をつけバースデーケーキを運んでくるシーンから始まる。
ベッドにいる昏睡状態の父親の誕生日のようだ。
翌朝、妹のディヤ(シータル・メノン)が老いた祖母の面倒を見て、
姉のニディ(シヴァニ・タンクセール)が父親の身体を拭く。
ディヤは仕事に出かける。ニディは在宅勤務をしている。
この作品内でもリモートワークで会議をしながら、
同時進行でチャットで会話をし、その内容が画面に貼られると言う
現代的な手法が取り入れられていた。
一緒に買い物をするが支払いでもめ、家では祖母と3人でTVを見る。
翌朝、言い争いの後、ディヤは仕事に出かけ、ニディは在宅で
仕事をするがPCが故障したためネットカフェで仕事をする。
その夜、父親の容体が急変し一旦は病院へ行くが戻ってくる。
そのせいでニディはミスをしていまい仕事を辞めてしまう。
姉妹は父親の介護をしている事で連帯感を持っているが、
自分達の私生活を犠牲にしている事を認識している。
共通している思いは父親の死を待っていると言う事・・・。
激しく言い争う姉妹を祖母が止めるが、原因が父親にある事が
解っており、祖母は父親の手を握り締める。そして・・・・
父親の様子がおかしい事に気づく姉妹・・・。
父親がいなくなったベッドに並んで寝る姉妹。
祖母はオイルランプの灯を消す。
明確には描写していないが祖母が自分の手で
息子の生命維持装置を外したと言う事だろう。
インドでは生命保険が一般的ではないので、
病院に入院させるより自宅で看病した方が費用が掛からないため、
そして家族が大勢いる家が多いため自宅で看病するのであるが、
この姉妹のように二人しかおらず、しかも女性だと給料が高い
仕事にはなかなか恵まれないであろうから、
看病疲れから死を待つようになるのは想像できる。