カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

【インド映画】 ~スパシュト~

2021年03月30日 21時59分59秒 | 映画 / MOVIE

2017年の作品、タイトルはヒンディー語で「明白」。

短編映画に良く出ているK・K・メノン演じるムンバイの警察官が、
被害届を出した女性とタクシー運転手の言い分から状況を判断し、
見事な判断を下す。でも特にスターではない、と言う役どころ。

  <ストーリー> 

ある夜、警察署内で仕事をしていたアビジート(K・K・メノン)は、
パトカーでバイク事故の現場へ向かう。運転手をオートリクシャーに
乗せて病院へ運ばせると、交差点に監視カメラがある事を確認する。
そして顔をしかめて次の現場へ向かう。

タクシーの前で女性(プージャ・グプタ)と運転手
(プラシャント・ナラヤナン)が言い争っている。
女性は運転手が身体に触ったと言い、運転手は女性が
イスラム教徒である彼の信仰を侮辱したと言う。
アビジートは二人を警察署へ連れて行き調書を取る。

別の女性が署に入って来るとアビジートは話を聞く。彼女は
誕生日の買い物を済ませ、帰宅するためにタクシーを呼んだ。
タクシーは乗合いだったため近くでもう一人の女性客を拾う。

先ほどの運転手のタクシーに同乗した二人、後から乗った女性
(被害届を出した)が急いでいるので先に目的地に向かうよう、
高飛車な態度で言う。運転手は順番を守るように伝え、
先客の女性は黙っている。そこに車の前に人が飛び出してきたため、
運転手は急ブレーキを踏む。怒った女性(被害届を出した方)は、
後部席から運転手のシャツをつかみ怒鳴る。運転手が女性の手を
払いのけると女性はさらに激高して警察に電話をかける。
先客の女性は降車しオートリクシャーを拾って帰宅する。

証言を終えた先客の女性が出口に向かうと被害届を出した女性が、
ばつの悪そうな顔をして帰って行くところだった。取調室からは、
運転手の悲鳴と警官の罵声と体罰をする音が聞こえている。

先客の女性がこっそり覗くと・・・演技する運転手と警官がいた。
アビジートは女性に目配せをする。運転手はお礼を言って署を出て、
先客を送り届ける。先客は、先に降車し車を離れた事を詫びる。
運転手は証言してくれた事に感謝の言葉を告げる。

パトロール中のアビジートは線路にかかる陸橋に立つ被害届を出した
女性に声をかける。彼女はタクシーの乗る前に恋人に殴られた
ショックから運転手に酷い事をしてしまったのだった。

ムンバイの長い夜の出来事だった。

 いかにもありそうな事である。次から次へと起こる事件に
 一晩中息も付けない忙しさ。その中で、真偽を見極める眼力は、
 様々な経験からカンが働くのであろう。運転手は職業的に地位が
 上とは言えず、しかもイスラム教徒なのでかなり不利であるが、
 きちんと証人の話を聞き判断するのは真面目な警察官である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする