カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「ウォームハート、コールドボディ」大沢在昌

2022年12月27日 22時00分59秒 | 本 / BOOKS

大沢在昌の1992年の作品。

主人公は長生(ながお)太郎と言う若いサラリーマンである。
ちょっと前に読んだ坂田勇吉シリーズは、
ササヤ食品のサラリーマンだった。
今回の長生は製薬会社の営業マンである。
適当に読んでいるので、たたたま続いたのであるが。

ある日、太郎は得意先からの帰り道にひき逃げに遭う。
病院に運ばれるが運悪く死んでしまう。
あららっ、主人公が死んだら終わっちゃうじゃない。

ところが太郎の意識は生きていた。
身体は死んでいるのだが。

 え、「天使の牙」に似てるような・・・。
 脳死で身体に傷がない女性と、身体は死んでいるが
 脳が生きている女性を1人の女性として生き返らせる。

 こちらは1995年の作品で、その作品の布石と
 なったのが今回の作品である。

事故から2週間後に太郎が目覚めた時、
太郎の身体は死んでいた。脈もなく、
心臓も動いておらず、体温も低く、痛みも感じず、
真に死体であった。死んでいるので食事も必要なく、
排泄も睡眠も休息も不要だった。

勤務している会社で開発した薬を飲む事で、
身体の腐敗を防ぐのだ。

ある日、開発した博士が失踪してしまい、
それが太郎の飲んでいる新薬が原因だと言う事になる。
太郎も狙われるかもしれない。

太郎は日常に帰っていく。
しかし死んでいる人間なので目立てない。
化粧をしコンタクトレンズをはめ、日にも当たらず、
気温の低い時だけ外出する。薬は飲み続けなくてはならない。

と、ここから太郎は別の製薬会社と思われる人々に、
付け狙われるようになる。

太郎が出会う奇妙な人々に助けられ、
太郎は謎の人物たちに立ち向かっていく。
死んでいるので命を狙われると言う事はないし、
二度と死なないので死の恐怖も感じない。

 死んだ人間を生き返らせる(生きてないけど)、
 すると二度と死なないので、永久に生きる事になる。
 (生きてないけど。)とすると・・・
 軍事的に利用しようとする悪人も出てくるわけだ。

 SF+ハードボイルドである。
 大沢作品にはこのようなSFや超能力、超常現象などを
 テーマにした物も多い。だから広がりがある。

コメント
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