最近、書店に並んでいる本のなかには、
ちょっと嫌なタイトルの本があります。
中国や韓国を悪く言う本が多いです。
書名に「悪韓論」「呆韓論」「嫌韓流」
といった怖い用語が使われているのは、
やはり異常な風潮だと思います。
この手の中国や韓国に対する批判本が、
多くの人に書かれ、買われているのは、
知的水準の低下の現れかもしれません。
ものごとを単純化してレッテルを貼れば、
理解できたような錯覚に陥ります。
複雑さを無視し、単純な結論を出すのは、
楽ですが、とても危険なことです。
例えば、時の国家元首が日本に批判的で、
気に食わないからという理由だけで、
その国民全体を嫌う必要はありません。
中国や韓国にも知日家や親日家がいて、
その人たちが自国内で力を持つことは、
日本にとって重要なことだと思います。
中国人全体や韓国人全体を十把一絡げに、
大雑把に批判して嫌ってみたところで、
外交的には何も得るものはありません。
中国国内の親日勢力や民主化勢力を育て、
日本に有利な世論を形成するといった、
地道で目立たない努力こそ必要です。
対北朝鮮等で韓国と連携が必要な時期に、
不必要に韓国と摩擦の原因をつくるのは、
賢いやり方とはとても思えません。
韓国は民主主義が機能している国なので、
韓国の世論を親日的にする努力は重要で、
余計な挑発は害が大きいと言えます。
「嫌韓」本が売れている現状を見ると、
日本人のメンタリティーというのは、
第二次大戦の頃から進歩がないのかも、
と悲しい気持ちになります。
第二次大戦中日本は「鬼畜米英」と言い、
英語の使用さえ禁止していました。
敵国の研究もあまりしていません。
まったく愚かな判断だったと思います。
仮に日本が戦争に勝つ気があったなら、
英語ができる人材を大勢養成しないと、
米国を占領統治することができません。
戦時中こそ英語教育を強化すべきです。
逆に米国は、日本語教育に力を入れて、
学者を動員して日本研究に取り組み、
日本軍の習性を徹底して分析しました。
中国のことを嫌いで警戒している人こそ、
徹底して中国のことを調べ強みを分析し、
対抗手段を考えるべきだと思います。
悪口を言って自己満足に浸っているのは、
戦時中の日本軍と同レベルの愚かさです。
自慰行為的な読書では進歩はありません。
過小評価も過大評価も害が大きいので、
等身大の中国や韓国を理解することこそ、
中韓を警戒する人のやるべきことです。
こんなことをブログで書くと後で面倒です。
事務所宛に「あんたなんか日本人じゃない。
日本から出ていけ」といった電話がかかり、
変なファンレター(メール)が届きます。
私のような野党の小物議員のブログなのに、
意外と読んでいる人がいるのだと驚きます。
めげずに主張し続けたいと思います。
引用元http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/