◆「私は研究の最終段階で参加した。小保方さんは、私の研究室の直属の部下ではなく、生データや実験ノートを見る機会はなかった」と英科学誌「Nature」に発表したSTAP細胞論文の共著者の1人である理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長が4月16日午後3時から、東京都内で記者会見し、誠に無責任極まりない驚くべき言い訳をした。
笹井芳樹副センター長の会見は、1月末に小保晴子博士とともに成果を発表して以来で、問題発覚後は初めて。STAP細胞の論文執筆で、上司として小保方晴子博士を実質的に指導する立場にあったことから、重大な責任を問われている。この記者会見には、加賀屋悟広報室長らが同席した。
◆STAP細胞の論文2本には計14人の著者がいる。主論文は、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子ユニットリーダーを筆頭に、8人が共著者として名を連ねている。
このうち現在、理研に所属しているは小保方晴子博士、笹井芳樹副センター長、丹羽仁史プロジェクトリーダーの3人。いずれも「学閥」が異なっている。
小保方晴子博士は2006年3月、早稲田大学理工学部応用化学科卒業。後に論文の共著者となる東京女子医科大学教授大和雅之の指導の下、医工融合研究教育拠点である先端生命医科学センターで再生医療の研究を開始。早稲田大学大学院理工学研究科応用化学専攻修士課程修了、早稲田大学大学院先進理工学研究科生命医科学専攻博士課程修了。大学院在学中、ハーバード大学医学大学院教授のチャールズ・バカンティの研究室に2008年から2年間留学。2011年より理化学研究所発生・再生科学総合研究センターゲノムリプログラミング研究チーム(若山照彦研究室)客員研究員、2013年理化学研究所発生・再生科学総合研究センター細胞リプログラミング研究ユニット研究ユニットリーダーとなる。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター・細胞リプログラミング研究ユニット・ユニットリーダー。2014年1月28日、「外からの刺激で体細胞を初期化することにより、全ての生体組織と胎盤組織に分化できる多能性を持った細胞(STAP細胞)を作製する方法を世界で初めて確立した」と発表した。
笹井芳樹副センター長は1986年、京都大学医学部卒業後、神戸市立中央病院で研修を受け、同年、京都大学大学院医学研究科に入学。1993年に博士号取得(京都大学・医学)した。1993年に米カリフォルニア大学ロスアンジェルス校医学部の客員研究員、1998年5月、京都大学再生医科学研究所の教授に就任し、2013年4月から現職を務めている。神経系の初期発生の遺伝子・細胞レベルの研究者として知られ、ES細胞研究の第一人者だ。
丹羽仁史プロジェクトリーダーは1989年、奈良県立医科大学卒業。1993年、熊本大学大学院医学系研究科修了。幹細胞生物学の研究者として知られる。
このほか、理化学研究所にいて、小保方晴子博士を指導し、いまは、山梨大学に移って共著者の1人になっているのが、山梨大学の若山照彦教授(生命環境学部附属ライフサイエンス実験施設長)である。1990年、茨城大学農学部畜産学科育種繁殖学専攻を卒業。1992年、茨城大学大学院農学研究科畜産学専攻修士課程修了。1996年、東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻博士課程修了、「ハタネズミを用いた精子の透明帯通過機構に関する研究」で東京大学博士 (獣医学)。1996年に、ハワイ大学に留学し、ハワイ大学医学部の柳町隆造教授の下で世界初の体細胞クローンマウスの誕生に成功、1998年、ハワイ大学医学部助教授、1999年、ロックフェラー大学助教授を経て、2001年から理化学研究所神戸研究所発生・再生科学総合研究センターゲノム・リプログラミング研究チームチームリーダーに就任。2012年、山梨大学生命環境学部生命工学科教授に就任。
さらに、小保方晴子博士がSTAP細胞の基礎になる着想を得た大学院博士課程在学時代に小保方晴子博士を指導し、研究に協力した東京女子医大の大和雅之教授、米ハーバード大のマーティン・バカンティ教授(医師)、小島宏司准教授の3人も、共著者になっている。
◆しかし、笹井芳樹副センター長の記者会見からはっきりしてきたのは、小保方晴子博士の上司である笹井芳樹副センター長自身をはじめ、丹羽仁史プロジェクトリーダー、元上司であった若山照彦山梨大学教授の3人が、小保方晴子博士が作製したという「STAP細胞」あるいは「STAP細胞現象」を1度も見ておらず、生データや実験ノートも確認していなかったということだ。
もっと言えば、この3人が専門として取り組んでいる「研究テーマ」はいずれも、小保方晴子博士の「STAP細胞の研究」とは直接関係のないテーマであることもわかってきた。笹井芳樹副センター長は、「ES細胞の研究」、丹羽仁史プロジェクトリーダーは、「幹細胞生物学の研究」、山梨大学の若山照彦教授は、「クローンマウスの研究」であり、あくまでも「STAP細胞」の周辺を研究しているにすぎない。ましてや、小保方晴子博士が「秘匿」している「STAP細胞作製のコツやレシピ」をまったく知らないに違いない。
あえて言うなれば、小保方晴子博士の「STAP細胞の研究」の周りにぶら下げて、権威づけるために飾られた単なる「フリル」だったということだ。これらのフリルは、「STAP細胞の研究」本体とは無関係なので、取り下げてもよい。
だが、米ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授が4月15日に京都市内で開かれている国際会議で行った講演のなかで、論文について「すでに画像の取り違えの訂正がなされており、結論には影響を与えない。STAP細胞は必ず存在する」「単純ミスだ」と主張して弁護し、小保方晴子博士に対し、「(大学のある)ボストンに戻っておいで」と呼びかけたと言われている。
「STAP細胞の存在」すら信じず、疑い深い日本人が多い日本よりは、理解者のいる米ハーバード大学へもう一度渡って、研究に励むのが、小保方晴子博士にとって一番よい。
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まえがき
第 1 章 TPPとアメリカの食糧支配
第 2 章 TPPの最大のネライは保険だ
第 3 章 TPPで日本医療界への食い込み ―― 国民皆保険制度の崩壊
第 4 章 TPPで雇用はどうなる ―― 解雇自由の法制化
第 5 章 米国「軍産協同体」が防衛省を食い物に ―― 米国の肩代わりをする「国防軍」の建設
第 6 章 米国が日米事前協議で日本政府に強い圧力をかける
第 7 章 日本のTPP参加に向けての経緯
あとがき
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『未来への挑戦「坂本龍馬」に学ぶ経営学』三菱財閥を築いた男・岩崎弥太郎が見た風雲児 目次『未来への挑戦「坂本龍馬」に学ぶ経営学』
Ⅴ章 「世界の海援隊」を夢見た士魂商才の男 土佐藩士の間では長刀をさすことが流行していました。龍馬の旧友が龍馬と再会したとき、龍馬は短めの刀を差していました。そのことを指摘したところ、「実戦では短い刀のほうが取り回しがよい」と言われ、納得した旧友は短い刀を差すようにしています。
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