(AGARA 紀伊民報)
和歌山県が北限となる南方系の二枚貝スダレハマグリが、和歌山県田辺市新庄町の内の浦湾の干潟で大量死しているのが見つかった。発見した京都大学瀬戸臨海実験所の久保田信准教授(61)は「凍死した可能性がある」と話している。
スダレハマグリは県内では希少種。2000年に白浜町塩野の日置川河口で県内で初確認されたのに続き、那智勝浦町湯川の汽水湖ゆかし潟や広川町西広海岸、和歌山市名草浜、白浜町椿などで採集されている。内の浦では11年に初めて1個体の死殻が見つかっており、ここ数年の間に定着したとみられる。
久保田准教授によると、大量死が見つかったのは毎年学生の実習で使っている干潟。4月2日に訪れたところ、スダレハマグリの死骸が点在しているのに気付いた。この日は約50個の貝殻を回収したという。
軟体部はなかったものの2枚の殻がつながった状態の個体も多く、久保田准教授は昨年12月から今年2月までに死んだと推測している。1個体はまだ生きていた。殻幅は最大で5センチを超えており、同種最大級とみられている。
最も近いアメダス観測点(南紀白浜)で見ると、昨年12月から今年2月までは極端な冷え込みはなかったものの、1日の寒暖の差が10度以上ある日が多く、中には15度という日もあった。久保田准教授は「大きなもので3年生ほどのものもあった。定着してから順調に育っていたのに今年の寒さでやられたのだろう。今後も観察を続けていきたい」と話している。 』
Species Name 学名 Katelysia japonica (Gmelin, 1791) (Gmelin, 1791) 和名 Japanese name Common name スダレハマグリ SUDARE-HAMAGURI Class Subclass Order 綱 亜綱 目 BIVALVIA HETERODONTA VENEROIDA