◼️「はたらく細胞」(2024年・日本)
監督=武内英樹
主演=永野芽郁 佐藤健 阿部サダヲ 芦田愛菜
家族で大好きな「はたらく細胞」。それがなんと実写映画化。アニメ版ED曲Cheers!を時おり口づさむ長女は、予告編を見て顔をしかめた。
🧑🏻「マジ?しかも予告編からウンコネタ?こんな映画化ありえん」
きっと実写版行くか?と尋ねてもついて来ないに違いない。でも武内監督だもんな。突拍子もない企画でもこの人なら原作を損ねず、映画でしかできないものを示してくれるはず!と信じて最初の週末に映画館へ行くと、家族連れがたくさん😳。モアナ続編よりこっちなのか。病原菌を殺す場面はアニメでもけっこうグロかったが、お子ちゃまは大丈夫なんだろか。といらぬ心配をしている間に上映が始まった。
原作のテイストを損なわないキャスティングがまず見事。これで半分くらい成功していると言っていい。赤血球の不器用だけど頑張る役柄は永野芽郁ちゃん向いてるし、言葉少なに信念を貫きおとす白血球も佐藤健のイメージ通り。しかもドジで方向音痴の赤血球を白血球が見守る構図は、遠回しに朝ドラ「半分、青い」の記憶を蘇らせる。子役キャストの血小板はEテレで見慣れた子にするなど、武内監督はテレビっ子の心をくすぐる仕掛けが上手い。山本耕史のマッチョなキラーT細胞もいいし、NK細胞の仲里依紗はかつてのゼブラクィーンを彷彿とさせるカッコよさ♡
だが武内監督が原作再現だけに終わるはずがない。それは阿部サダヲと芦田愛菜演ずる父娘の健康をめぐるストーリーをもう一つの軸としたことだ。原作正編を娘の体内、原作BLACK編を不摂生な父親の体内としている。健康診断の結果を見てもなかなか生活を改められない僕らには、身に積まされるエピソードが綴られる。そして映画後半、身体に異変が起きる衝撃の展開に😱
(以下、ネタバレを含みます)
もしかして、武内監督は難病ものを撮ってみたかったんじゃないだろか。日本のテレビ番組や映画は数々の難病もので視聴者鑑賞者の涙を搾りとってきた。吉永小百合の骨肉腫、山口百恵の白血病、深田恭子のHIV(個人的にドラマ「わが子よ」の高部知子を加えたいところ)。いつも元気な笑顔でお茶の間をニコニコさせる芦田愛菜が、やつれて放射線治療を受ける姿を見せられたらそりゃ観客はたまんないよ。
それだけに、窮地に陥った細胞たちに酸素を届けようと懸命になる赤血球に声援を送りたくなるのだ。もし応援上映があったら、僕はここできっと永野芽郁に声援を送るだろう。
📣「メイちゃーーーん!」
🧑🏻「親父の声だとトトロのばあちゃんだよ」
はいはい。
身体を攻撃するがん細胞に変異してしまう白血球のエピソードも切ない。えー、欲を言えばBLACK編のグラマーな白血球のおねいさんを実写版で見たかったですっw
最後に。
いつもありがとな、身体🥲