Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

8月のBGM

2010-08-31 | 音楽
2010年8月に聴いていた愛すべき音楽たち。

①VOICE/Perfume
買っちゃった・・・(毎月この書き出しはどうにかならんか)。しかも初回限定盤の美脚ジャケ。日産のCM曲VOICEは、どことなくオリエンタルなメロディーで、僕らYMO世代にも嬉しい。カップリングの575が僕は好き。これは俳句の”五七五”のことで、歌詞はきちんと五七五の定型詩になっている。平安時代には和歌で男女が思いを伝え合っていた。現代はそれがメールだったりする。限られた字数で思いを伝えることは同じ。感情や思いを伝えるために言葉を選び、工夫するのは今も昔も同じなんだ、ということなんだね。途中でラップが挟まるのも、対比が面白く、中田ヤスタカのこだわりが感じられる秀作だ。
「君になんて送ればいいの」
切ない詞のバックで響くベースラインが素晴らしくかっちょいい。
VOICE(初回限定盤)(DVD付)

②九月の風/松岡直也
メルトダウンしそうな今年の夏、僕がiPodでついつい聴いてしまったのは松岡直也。だって聴いていて心地いいんだもん!。今月は門司港のわたせせいぞうギャラリーに行った。「ハートカクテル」のアニメを上映しているコーナーで、20年ぶりに松岡直也作のハートカクテルの楽曲を聴いたのも印象深かった。
九月の風~通り過ぎた夏~

③No, Thank you/放課後ティータイム
「けいおん!!」新エンディングテーマ。これはかっこいいね。ますます「けいおん!!」に夢中です。先日職場の暑気払いで隣の席になった女性と音楽の話になり、iPodの中味について話が及ぶ。「いやぁ、お見せするのはこっぱずかしくって・・」と答えたら「アニソンとか・・・入ってるんですか?」と鋭い指摘が(冷汗)。
TVアニメ「けいおん!!」エンディングテーマ NO,Thank You!(通常盤)

④Arrietty's Song/セシル・コルベル
「借りぐらしのアリエッティ」の主題歌。映画を観てからずーっと口ずさんでいる。主人公の恋する気持ちと切ない別れにマッチする哀愁ただようメロディーが素敵だね。
Arrietty'    s Song(借りぐらしのアリエッティ・主題歌)

⑤I Just Can't Breath/the brilliant green
早いペースでシングルのリリースが続く。期待を裏切らない出来ではあるけれど、前作Blue Daisy程ではないなぁ。名曲「冷たい花」のセルフカバーも収録。冷たい花はアコースティックでやったらかっこいいだろうとは常々思っていたので、ちょっと嬉しい。アルバムが9月にリリースされるけどどんなだろ・・・。
I Just Can'   t Breath...(初回限定盤)

⑥The Very Best Of Daryl Hall & John Oates
これも通勤中のBGMとしては、かなりの頻度で聴いた。映画「(500)日のサマー」でYou Make My Deamsが流れたのも理由のひとつかな。この時代の音楽はやっぱり聴くと落ち着く。8月はNHK-BSで初期のライブが放送された。
Very Best of


iPodは曲をランダムで流すことが近頃多いので、TOTOやらDream TheaterやらCKBやら、まんべんなくあれこれ聴いているのだが、特筆するなら・・・と挙げると今月もアニソンが多い(恥)。ヘッドフォンを買い換えたけど、今度のは低音が強く出ない。今時のはこんなもんなのだろうか。しかし通話もできて、手元で曲も飛ばせるから、iPhoneユーザーとしては便利なんよねぇ・・・。イコライザで低音にブーストをかけて使用中。

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家族サーヴィス(その2)

2010-08-21 | うちの子に御用?
前編に引き続き、佐世保旅行の顛末を。

ハウステンボスを満喫・・・とは言い難いくらい、やり残したことだらけ。
ルーク(11歳児)「もっとあちこち行きたかった。というか、アミダラの買い物長すぎ。」
アミダラM(配偶者)「パレスハウステンボスに行けなかったわねぇ」
レイア姫(9歳児)「4人乗り自転車には、なんで乗せてくれなかったの?」
アナキンtak「龍馬伝館に結局行けなかったじゃん」
・・・と四者四様の不満はあるわけだが、それでも我慢を強いる程ではなかった。
アナキンtak「また来たい?」
(全員)「うん!」

さて宿泊。ハウステンボス内のホテルを選ばずに敢えて離れたリゾートホテル、西海橋コラソンホテルに宿泊。

ご飯食べたらプールに行くだの、カラオケルームがあるだの、いろいろ言っていたのだが、結局風呂に入ったらみんな寝てしまった。ルークは大浴場がすごく楽しかったようで、雨が降っているにもかかわらず露天になっているところにも出ていた。翌日にはプールでも遊んじゃった。

翌日。ハウステンボス2日目・・・と思いきや、九十九島水族館海きららに行くことに。レイアは我が家でも屈指の水族館フリーク。いちばんのお気に入りはマリンワールド海の中道だというが、そのレイアは海きららをいたく気に入った様子。それは真珠を貝から球出しするのを体験させてくれたから。真珠の養殖がさかんなところだからこそできることだけに、レイアはペンダントヘッドに加工してもらって嬉しそう。

僕も水族館が好きで、大きな水槽のまでぼんやり時間を過ごしたい・・・と叶わぬ願望を抱いている。海きららはクラゲの展示が素晴らしく、種類が多いだけでなく見せ方も実に巧い。水槽の一部が万華鏡になっている幻想的なものや、壁と天井にクラゲの姿をプロジェクタで投影して座席に座って楽しめたりもする。海にでれば厄介者のクラゲだが、こうして不思議な動きに大人たちが癒されてる。僕もしばらく座っていたかったが・・・。
レイア「次行くよ!」

いろいろ水族館に行ったが、必ずどこにもあると言ってもいいのがイルカのショー。それぞれに魅力があり、楽しみ方もいろいろだ。例えばマリンワールド海の中道のイルカショーは、ジャンプも高くって豪快。とても派手な印象がある。ただ会場が広いし、来場者がとにかく多いので落ち着いてみようと思ったらたいへんだ。指先の乗るくらいのサイズのイルカの姿を目で追いかけることになる。大分市のマリーンパレス水族館うみたまごも大好きな水族館の一つ。イルカのプールはやや小さめだが、水しぶきが派手に飛ぶので観ていて一体感があって楽しい。うみたまごは海の生き物にふれあえるというコンセプトが素敵だ。水鉄砲が得意なセイウチくんは元気だろうか。下関市立水族館海響館のイルカショーが個人的にはいちばん好き。イルカだけでなくアシカも登場して楽しませてくれる。海響館のイルカショーはとにかく芸達者という印象がある。ジャンプがいちばん美しい。しぶきをあげるのが派手な印象で客ウケがいいのだが、イルカが腹うちで着水するからしぶきがあがる。海響館のイルカは頭からスマートに着水してとにかく綺麗。しかも水しぶきが必要な場面ではジャンプを使い分けるのだ。それぞれに楽しみ方がある。

九十九島水族館海ひびきのイルカショーは、トレーナーのお姉さんのキャラもあるのだろうが、イルカとの親密な関係を僕らに見せてくれて実に楽しかった。例えばジャンプにしても、「最初は水の中でバーを越えるところから始めて、だんだんと高く・・・」という説明は、どこでもするかもしれない。海きららではさらに前転させるための訓練についても触れて、その芸も見事に決めてくれた。それに「とにかく褒めるのが大事なんですよ。みなさんも褒められると嬉しいでしょう?」
「この子はスタミナがないから・・・でももう1回頑張ろうか?」
そしてイルカたちは見事に芸を決めてくれる。大柄なイルカがお姉さんの背丈を超えるハイジャンプする。最後はバレーボールをジャンプキャッチ!吊されたボールを鼻先で突くのはこれまでも見たことあるけど、投げ挙げたボールを水面から飛び出してくわえるのには感動。

ひょうたん型のプールは、小さい方が控えに使われているのだが、そこで芸を終えたばかりのイルカとお姉さんの姿見られたのも面白かった。尾びれをお姉さんがマッサージしたり、体をなでたり。するとイルカが安心したように白い腹をみせて、なんとも微笑ましい。いいものを見せてもらいました。

今回は朝早く家を出たり、帰りには大したことなかったは渋滞にもあったけど。道中も楽しく過ごすことができました。愛車の古いカーナビが完全に故障しており、ナビの頼りは何よりもiPhoneだった。ナビ兼ミュージックプレイヤー兼通信機器として大活躍してくれた。今度はどこ行こう?。アミダラは翌日さっそくUSJの研究を始めたようだが・・・。




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家族サーヴィス(その1)

2010-08-18 | うちの子に御用?
 心も体もメルトダウンしてしまいそうな2010年日本の夏。皆様いかがお過ごしでしょうか。自分の好きなことばっかり書き連ねているこのブログが、何を血迷ったか「家族サーヴィス」などと題する記事を。別に子供とYMO聴きましたとかいうオチはありませぬ。
サーヴィス名盤。

 これまで盆休みといっても落ち着かず、なかなか家族で遠出をしなかったアナキンtak一家。「今年はどっか行こう!」ということになり、レイア姫(9歳児)の希望でハウステンボスへ行ったのだった。

 正直言うとこの旅行、僕は不安だった。子供たちも僕らも学業や仕事という日常に追われていて、ちょっとギスギスしたムードが家の中にはあった。成績のことやら何やら学校の懇談で言われたりで、本人も親も”焦り”に追い立てられていたから、日頃の会話がどうしてもそこから離れない。言いたかないけど言わなきゃならんし、我慢させたくないけどさせねばならんこともある。配偶者アミダラMは口うるさくなるばかりだし、僕だって何もかもにOKは出せなくなっている。ルーク(11歳児)はそのストレスで妹をからかったり茶化したり。そのレイアがすぐ拗ねる。このメンバーで旅行か・・・どうなることやら。また、かつて小旅行した際に”連れ回して疲れさせるだけの親”のように人に言われたことが、僕自身を頑なにさせていたこともある。正直なところ、僕は楽しみと不安がかなり入り乱れた気持ちだった。

 しかしだ。結論を言うとこの旅行は成功だった。また子供の成長を感じることができたのもちょっと嬉しかった。最近ちょっと反抗的だったルークが、旅行中はアミダラと衝突することもなく、家に帰って寝る前に僕のところに来て
「楽しかったよ。ありがとう。」
と言ってくれた。この旅行は4人の誰もにそれ程我慢を強いることもなかったし、一緒に楽しい時間を共有できるという当たり前のことができた。この4月からこれまでよりも早く帰宅するようになって、家族と過ごす時間って大事にしないといけないなと改めて思う。その時間を供給することがサーヴィスなんだろうって。



 長崎は曇り空だった。ハウステンボスには、僕とアミダラはオープン以来何度も訪れたことがある。それでもまた来たいとお互い思っているのは、日常とは違う風景に連れて行ってくれるから。あれだけのスケールだもん。



レイア姫のお目当ては、今年誕生55年となるミッフィーの展示。絵本に登場するミッフィーの部屋が再現されていたり、歴代の絵本とそのぬいぐるみが展示されている。さらに素焼きのミッフィーに自分で彩色することができる。
「あれやりたい。」
レイアは色づけに挑戦。普段から水彩画の色塗りもやや雑なだけに、ミッフィーのあごには洋服の色がついてしまった。
「あぁ、貸してごらん。」
ついに元美術部アミダラ登板。かくして世界にひとつのミッフィーが完成した。仕上げはアミダラにやらせたが、レイアはご満悦。今回の旅行でいちばん面白かった、と言う。やっぱり女の子だなぁ。

 ルークは到着後「暑い暑い」を連発して気分悪そうにしていた。そのため最初の家族写真はすごい表情をしているが、次第に気分を回復してホラーハウスを楽しんでたりする。ルークがハウステンボスでいちばん面白かったと言ったのは、観光丸クルーズ。



 大河ドラマ「龍馬伝」の撮影でも使用された観光丸に乗船できるもの。当時の設計図をもとに復元されたもの。ルークは船着き場に来るまではやや不機嫌だったが、入港している船を見て一言。
「黒船やん。」
最近、歴史にただならぬ興味を持っているルークは甲板をうろつき回った。やがて船は湾内をクルーズ。
レイア「ちち、この間の船とは違うね。おっきいね。」
彼女が言うのは、下関と門司を結ぶ連絡船のこと。そりゃ比べちゃいけまへん。やがて船員からご案内が。
「帆船の船員の雰囲気を味わってもらう為にロープワークの体験ができます。」
それは船先端に突き出た部分に張られたロープを歩いて渡るものだった。アミダラにけしかけられた子供二人は甲板を突っ走って行く。
ルーク「ここはやっぱり父親も一緒やろ。」
アナキンtak「へ?」
オレは高いところ苦手なんだよぉ・・・。足が踏むロープの下にはネットこそあるが、その下は海だ。しかも船は航行中。
ルーク「うわっ高っ。」
アナキン「し、真剣にやらないと、ダ、ダメだぁぞ。」
おそらくいちばんビビってたのは僕・・・かも。ルークは結局2回も体験しておりました。やっぱり男の子だなぁ。

後編につづく。

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インセプション

2010-08-07 | 映画(あ行)

■「インセプション/Inception」(2010年・アメリカ)
監督=クリストファー・ノーラン
主演=レオナルド・ディカプリオ 渡辺謙 ジョセフ・ゴードン・レヴィット マリオン・コティヤール

※注意・結末に触れています!
 サマーシーズンにアメリカ映画を観るって何年ぶりだろう。今年の夏はシネコンのスクリーンはアニメーションに占領されちゃってる状態だから、フツーの映画がみたいと思うと選択肢は極端に少ない。それに夏のアメリカ映画といえば、CG技術が役者の演技以上に活躍するハリウッドのお気楽な大作だし。でも、この「インセプション」には違う何かを感じて、観ることにした。クリストファー・ノーラン監督作では、僕は「ダークナイト」「プレステージ」が特にお気に入り。だいたいこみ入った話、複雑な設定と演出が持ち味だ。今回はさらにスケールアップしてましたね。世間では賛否が分かれているようだ。多分複雑に時間軸が入り乱れるだけでなく、多層構造のストーリーと設定を単純に楽しめない!ということなのだろう。出世作の「メメント」以来ノーラン作品を単純に楽しむことは不可能。「バットマン」の2作品にしたってスカッと爽快なヒーローものではないし。ノーラン監督作は、観客に映画の混沌をあるがままに受け入れて自分なりに消化することを強要する。僕はそこに魅力があると思う。

 主人公コブは、寝ている間の潜在意識に入り込んで情報を奪うスパイ。彼は、企業家の日本人サイトーからライバル会社の次期社長であるロバートの夢に潜り込んで、逆にアイディアを仕込むインセプションを依頼される。睡眠薬の調合屋、夢の設計とチームが集まり、いよいよ移動中の飛行機の中でターゲットの夢に忍び込む。ターゲットと父親の確執をネタにして、自発的に企業グループを崩壊させようと仕向けるのだ。しかし、夢の中に現れるコブの亡き妻の姿が彼らの計画に影響を及ぼし始める・・・。

 ”夢の中の夢”という迷宮じみた舞台構成、しかも階層が進む度に時間がどんどん拡幅されるという設定。物語が進むにつれて、夢の中に現実から逃避しようとして悲劇を味わった主人公の苦悩が鮮明になり、人間ドラマの部分が強調され始める。単なるSFサスペンスでは終わらせない。劇中”キック”と呼ばれる目覚めの合図が登場するが、その合図として使われる音楽がエディット・ピアフの「水に流して(私は後悔しない)」だ。
Edith Piaf - Non, Je ne regrette rien

最初は、妻役がかつてピアフを演じたマリオン・コティヤールだから・・・という楽屋落ち?だと思っていた。この曲は恋人を失って失意の底にあったピアフが、カムバックした曲でもある。「エディット・ピアフ 愛の讃歌」でもこの場面は感動的だった。映画館を出てからふと思った。監督がこの曲を敢えて使ったのは、劇中の登場人物たちの”決別”の暗示ではないか・・・ということだ。コブは妻が自分の吹き込んだ考えで死を選んだことで苦しんでいる。しかしラストでは夢の中の彼女よりも現実を選ぶことになるし、ターゲットとされたロバートも(仕組まれたこととはいえ)父親への愛情を取り戻して現実に立ち向かうことになる。そう考えたら、この曲もノーラン監督の仕掛けの一つに他ならない。さらにエンドクレジットの最後に再びこの曲が流れ、映画という仮想空間から僕ら観客を現実に引き戻す”キック”となっている。なんて憎い演出!。

 キャストが豪華なのも嬉しい。「(500)日のサマー」とは違ったシャープな印象のジョセフ・ゴードン・レヴィット。主人公コブの理解者になろうとする女性に「JUNO」のエレン・ペイジ。彼女のコブへの恋心がもっと強調されるとさらにこじれて面白かったのかも・・・。キリアン・マーフィやマイケル・ケイン、渡辺謙といった「バットマン」からの出演者もいい演技をみせてくれる。トム・ベレンジャーも懐かしい。

 設定自体には過去のいろんな映画の要素が見え隠れする。主人公たちが眠っている間に活躍するのは「マトリックス」、相手の意識に侵入するのは「攻殻機動隊」、頭の中にある愛する人の思い出は「エターナル・サンシャイン」か?。それに老人が眠る無機質な部屋や無重力状態のエレベーター場面は「2001年宇宙の旅」、クライマックスの雪山での襲撃はまるで「女王陛下の007」(ノーラン監督は「2001年~」と「女王陛下~」は特にお気に入りの映画なんだとか)。ノーラン監督を緻密に物語を紡ぐ生真面目な人、悪く言うと”才能ひけらかし監督”というイメージを持っていた。だが、「インセプション」では、今回は物語の多重構造を駆使して好きなことを満喫している印象。ここにも映画愛に満ちた男がいたんだ。監督のこだわりが感じられるなかなかの力作。





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