Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

8月のBGM

2008-08-31 | 音楽
2008年8月に聴いていた音楽たち。

①崖の上のポニョ/藤岡藤巻と大橋のぞみ
この夏日本中で歌われた宮崎アニメの主題歌。大分に帰省する車の中で延々ルークとレイアはこのCDかけて歌いっぱなしだったもんなぁ。ついつい口ずさむ不思議な魅力を持った曲。ルークのリコーダーで吹いてみた。
ルーク「げ!、ちち!なんで吹けるん?。教えて!」
崖の上のポニョ

②ルパン3世 パーフェクト・コレクション/various
「BSアニメ夜話」で「ルパン3世」特集をやっていた先月来、聴かずにはいられなかった。僕が持ってる主題歌ベストもなかなかの選曲なのだが、やはり広く網羅したアルバムが欲しいよね。昨年リリースされた下のアルバムとかよいなぁ。買っちゃおうかなぁ。
LUPIN The Best

③銀河鉄道の夜/細野晴臣
20年前のアニメは観ていないのだが、このサントラは何故か繰り返し聴いてしまう。そういえば宮沢賢治の本も読んだことなかった。タイミングよくルークが図書館で借りてきたので、このCDを流しながら読んでいる。うーん、アニメ版観たくなったな。
銀河鉄道の夜

・・・アニメ関連ばっかり(恥)。

④Perfume Complete Best/Perfume
やはりPerfume熱冷めやらず。同僚みやもさんから借りました。どの曲も耳に残って、個々の楽曲の良さが改めてわかる。パーフェクトスター・パーフェクトスタイルが特に好き。これ演奏してみたいなぁ。アルバムのトータルバランスよりも、ランダムで聴くことでますます曲の良さがわかる気がする。
Perfume~Complete Best~(DVD付)

⑤Everbody Loves a Happy Ending / Tears For Fears
ティアーズ・フォー・フィアーズ再結成後のアルバム。急に聴きたくなって棚から引っ張り出した。基本的には後期ビートルズを思わせた傑作「Seeds Of Love」の延長上とも言える。でも僕はこのアルバムを聴くとポールのソロ作品を聴いているような錯覚を覚える。ローランドのヴォーカル、やっぱり好きだ。
Everybody Loves a Happy Ending
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崖の上のポニョ

2008-08-30 | 映画(か行)

■「崖の上のポニョ」(2008年・日本)

監督=宮崎駿
主演=山口智子 長島一茂 天海祐希

 この夏、主題歌が日本中で響き渡ったこの映画。あまりにピュアな作品だという評判を聞き、スケール感があるお話が多くなった宮崎アニメだけに、「どうだろ?」と正直なところあまり期待せずに観たのだった。職場(元職場含む)の映画好き仲間と「ポニョろうか?」という話になって出かけた。宮崎アニメ、一人じゃ行きにくいもんね。この汚れた大人たちは冷めた眼で観るのかと思いきや、子供以上にキャアキャア言いながら観ていた。ビール片手に(こら)。

 宮崎駿監督が5歳児にもわかるように、と創りあげたイマジネーションの世界にはただただ圧倒される。NHKで放送されたメイキング番組を事前に見ていたもんだから、監督がそれぞれの場面に込めた強い気持ちを感ずることができた。ドキュメンタリーでは、この作品を創り始める場面が心に残った。今回の構想をスタッフにしゃべる監督。
「人面魚がね、人間の子供を好きになって・・」
監督の生き生きとした表情。それを頷いて聴くプロデューサー。大人の世界では、突拍子のないことを言い出す人には、あれこれと批判や指摘が飛んでくる。でもどうだろう、半魚人になって人間になって・・そんなお話をニコニコして意見を交わせるって、素敵だ。人を喜ばせたい気持ちがそこにいる誰もにあるからだろう。

 冒頭のクラゲの生き生きとした描写、手書きだからこそ躍動感がある波のうねり、無数の「いもうと」たちの動き。そして、何よりもポニョと宗介がこの不思議な出来事を通じて成長していく姿が、子を持つ父親としてはグッときちゃう部分だ。小舟の上でお腹をすかせた赤ちゃんと母親に対するポニョの行動、そのポニョを懸命に守ろうとする宗介の健気さ。一方で、宮崎アニメにいつも込められている大人に訴える部分も健在だ。ポニョの父親フジモトのつぶやきや、ゴミで汚れた海、老人介護の問題・・。観る人を選ばない映画でありながら、それぞれの世代に訴えかけてくる映画。大人が創ったファンタジーを子供が楽しんでいたのがこれまでの宮崎アニメなら、子供の視点で描かれる物語に大人がついてきているのが「ポニョ」なんだろう。

 それにしても大水(おおみず)の後で、世界が一変するというエピソードはこれまでの作品にも登場する場面だよね。「千と千尋の神隠し」もそうだし、「ルパン3世/カリオストロの城」のラストだってそう。うちの家で最も回数観る宮崎アニメは「パンダコパンダ」なのだが、2作目の「雨降りサーカス」にも同様の展開がある。現実には様々な悲劇や被害を及ぼすものだけど、アニメの中では幸せを運んでくるものであって欲しいところだ。



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ジブリアニメで泣いたこと…ありますか?

2008-08-27 | 映画・ビデオ
職場でジブリアニメの話題になった。
「崖の上のポニョ」を観た人が数名いて、こんな話になった。

「あれ観て泣いたって人がいるんだけど…。」
「私はビミョーだったなぁ。」
「泣けたジブリアニメって何でした?」
「そりゃ「ほたるの墓」でしょ。何度観ても泣いちゃいます。」
「あれ、観るのが怖いんだよねぇ。」
「妹が元気なところを観ても、その先がどんなにかわいそうか考えて泣いたりするんですよ。」
「「おもひでぽろぼろ」は?」
「あれは泣く映画じゃない。でも主題歌よかった。」
「トトロも泣きましたよ。」
「泣きすぎ。」

「takさんは?」
「実は…「魔女の宅急便」。」
「えー!?」

 社会人になって最初の盆休みのことだった。その頃の僕は学生時代に描いていた社会人生活と現実とのギャップで、やや落ち込んでいた。
”オレっていったい何ができるんだろう?”
思い上がっていた訳じゃないけど、思った以上に難しいし、うまくいかない。”これだけ”しかできない自分を腹立たしく思い、さらにこれから先の自分が不安で仕方なかった。

 そんな盆休みの最終日に、今はなき大分ロマンで一人でこの映画を観た。笑っちゃうだろう?それが宮崎アニメなんだなんて。

 魔女と普通の父親との間に生まれた主人公キキ。魔女の世界のしきたりで13歳になったら自立するために旅に出なければならない。キキは海の見える街にお供の黒猫ジジを連れてやって来た。飛ぶことしか能のないキキは、空飛ぶ宅急便屋さんとして働くことになる。人々とのふれあいや様々な経験をして成長していく様子が鮮やかに描かれていく。

 これまでの魔女っ子アニメの主人公が使う魔法は、他の人と違って”何でもできる”能力だった。それが彼女たちを視聴者憧れのヒロインとするのに不可欠な要素だった。ところがキキは飛ぶことしかできない。しかも物語の途上でその力さえ失ってしまう。これは普通に暮らしている僕らが「これしかできないから・・・」と健気に頑張る姿と何ら変わらない。キキの一生懸命さに、僕はいつしか”これだけ”しかできない自分を重ねていた。元気に立ち直るラストに僕は心の中で拍手した。今の自分をこれ以上励ましてくれる映画があるだろうか?そう思った。映画館の片隅で僕は泣いていた。

 今でも ♪やさしさに包まれたなら を聴くと、その時の気持ちを思い出す。僕は宮崎アニメで何が好き?と尋ねられると、「ナウシカ」や「ラピュタ」よりも「魔女の宅急便」をまず挙げてしまう。これがその理由なんだ。

魔女の宅急便魔女の宅急便
角野栄子

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片腕必殺剣

2008-08-16 | 映画(か行)
1967年・香港 獨臂刀(One-Armed Swordsman)
監督=チャン・チェ
主演=ジミー・ウォング チァオ・チァオ ヤン・チーチン

 「キル・ビル」の影響でショウ・ブラザース映画が再評価され、こうした香港映画の秀作(珍作も・・)が観られるようになったのは実に嬉しい。2005年の香港映画賞で選出された中国映画オールタイムベストなるものがあるのだが、この「獨臂刀」はなんと15位。上位にはウォン・カーウェイやホウ・シャオシェン、キン・フー、アン・リーが上位に並ぶ中での選出だ。それもそのはず、古典的ながらストーリーが実にしっかりとした秀作なのである。ツイ・ハーク監督で1995年にリメイクされているが、刀鍛冶の弟子の確執・・という設定にしっくりこないものを感じていた。リメイクが派手なアクションを中心に据えているのに対し、オリジナルはあくまでもドラマ重視。師匠と弟子の義理、勧善懲悪に徹した物語でリメイク版の納得できなかった部分がきちんと意味あるものになっていた。こりゃベスト20に入るのも納得だ。

 この映画が優れているのは、単に復讐劇・活劇としての面白さだけでない。そこに武闘家であることの厳しさ、悲しみ、宿命がきちんと描かれている。従来の武侠映画や功夫映画は、悪を討ち、正義を貫くことに徹した娯楽作だった。復讐劇が多いのもそのためだ。この映画も同様に敵は徹底的に悪として描かれている。だが、武闘家として名をあげることで失ってしまうもの(幸福な家庭や家族)がこれほどにまでに切なく描かれた映画を僕はこれまでに観たことがない。ラストで刀を折って地に叩きつける師匠。その苦渋に満ちた表情は忘れることができない。そして何よりもジミー・ウォングの禁欲的なヒーロー像。それはますますこの映画の悲壮感を高めてくれる。

 タランティーノもこの「獨臂刀」三部作はお気に入りの模様。ビルの秘書ソフィーが青葉屋で腕を斬り落される場面に影響がある、と単純に見ることもできる。まぁ、彼女は片腕で済まなかったが。それよりも「Vol.2」のラストシーン、復讐の為とはいえ、かつては愛した男と戦ったヒロインの泣き笑う忘れ得ぬ場面にこそ、この「獨臂刀」に通ずるスピリットは感じられないだろうか。戦う宿命をもった悲しみ。人並みの幸せを得られない戦う者の悲しみ。その悲壮感は、「獨臂刀」から受け継がれたものに思えてならない。

片腕必殺剣片腕必殺剣
ジミー・ウォング, チャオ・チャオ, ヤン・チーチン, チャン・チェ

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ウェイトレス~おいしい人生のつくり方

2008-08-15 | 映画(あ行)

■「ウェイトレス~おいしい人生のつくり方/Waitress」(2006年・アメリカ)

監督=エイドリアン・シェリー
主演=ケリー・ラッセル ネイサン・フィリオン シェリル・ハインズ エイドリアン・シェリー

 これ程に人生を前向きに考えられて穏やかな気持ちにさせられた映画って、最近なかったよなぁ・・。素直にそう思えた映画。ヒロインである主人公は街のダイナーに勤めるパイづくりの名人。私生活では、暴君のような夫から逃れたいと考え、密かに逃げる計画もしていた。ところが妊娠してしまい、逃亡の計画は破綻。嫌な夫の子だけに喜ぶこともできない。そんなとき、産婦人科医の男性と彼女は恋におちる・・。真面目に描いたらこれ以上ドロドロはなかろうと思えるシチュエーション。ところが、話が進展するにつれて僕は幸せな気持ちに包まれていた。

 産婦人科医との恋模様は実に面白い。診察室で抱き合う姿には思わず笑ってしまう。彼の優しさと優柔不断さが、夫とは対照的。印象的なのは、「パイづくりを教えてくれ」と彼女の家に訪れる場面。キッチンで一緒に時間を過ごすとても素敵な場面。この場面で”体をまさぐられることなしに、抱きしめられること”の嬉しさをヒロインが語る。そういう気持ち・・・大事だよなぁ。男はなかなかそれを実践できないけれど。店の客で嫌われ者の老人(実はオーナー)を演じたアンディ・グリフィスが、主人公を見守る視線がなんとも温かい。何でも話し合える同僚ですら理解してもらえなかったことを、彼が見事にフォローしている。ラストの展開はそうくるかな・・と予想はしていたが、「友人」として大切に思える存在だと”告白”するところは、思わず泣きそうになる。

 この映画は人間味が溢れている。それは監督と同僚ドーンを演じたエイドリアン・シェリーの功績だ。才能を高く評価されていた彼女は、惜しくもこの映画が遺作となってしまった。ラストに登場する子役ルルは監督の娘。そして、劇中ケリー・ラッセルが母親が歌っていた曲、として口ずさむ子守歌のような曲。
"Baby, Don't Cry. Gonna Make A Pie~ ♪"
エンドクレジットでもやさしく流れるこの曲は監督の作詞によるもの。愛を感じるよね。エイドリアン・シェリー自身は亡くなってしまうけど、この映画はきっと多くの人の胸に残ることだろう。

 主役を演じたケリー・ラッセルは、TVシリーズで人気が出た女優さん。明るいキャラクターが好感だ。映画好きの友人が、「「キャンディ・キャンディ」を映画化するなら、キャンディ役をやらせたい女優さん。」と評していたが、それも理解できる。最近は「M:I:lll」でトム・クルーズの後輩スパイを演じていたね。



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TMN、小室哲哉 ポップス神話創世

2008-08-04 | 音楽
 数日前、本屋に平積みしてあるある雑誌に手が伸びた。「別冊宝島」のJポップ批評のシリーズ、「TMN、小室哲哉 ポップス神話創世」なるものだ。このブログを以前からお読みの方は、ボクがTMファンであることはご存じかもしれない。この本を立ち読みしながら、「おおぉー」「えー」とついつい反応が口に出る。えーい、買っちゃえとそのままレジに向かった。

 哲チャンの音楽的ルーツに関する部分はなかなか興味深い。プログレ好きだということは何気に想像できていたが、改めてレビューを読むとなるほど、納得できる。残念なのは、90年代のTKプロデュース作たちに、かなりのスペースが割かれており、TM自体についてもっと掘下げて欲しかったし、ソロワークスについては全く触れられていないこと。ウツの「Butterfly」とかけっこう好きだったし、「Digitalian Is Eating Breakfast」を名盤と認めるボクとしては・・・ね。また、TMをポストYMO世代と位置づけて、シンセサイザーの歴史と重ねた部分はキーボード弾きの端くれとしては実に楽しめた。ボクの愛機はDXだったけど、哲チャンがプロデュースしたヤマハのシンセEOSが欲しかったなぁ。

 これを読んでいて、女性アーティストたちに提供した楽曲を聴き直してみたくなった。あるかなぁ・・・あの頃trfとか毛嫌いしていた(でも「寒い夜だから・・」は大好きだった)からないよな~とCDの棚やら箱の中を探っていたらありました。
「恋しさと せつなさと 心強さと」/篠原涼子
うわー懐かしい。10数年ぶりに聴いてみると、なかなかかっこいいじゃない。あの朋チャンさえ聴きたくなっちゃった。

TMファン、異論反論あるでしょうが、まずはお試しあれ。
音楽誌が書かないJホ゜ッフ゜批評53 TMN&小室哲哉[ホ゜ッフ゜ス神話創世] [別冊宝島] (別冊宝島 1532 カルチャー&スポーツ)音楽誌が書かないJホ゜ッフ゜批評53 TMN&小室哲哉[ホ゜ッフ゜ス神話創世] [別冊宝島] (別冊宝島 1532 カルチャー&スポーツ)

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